馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

2人でこんだけこなすのはハードなんじゃないの?

2015-10-29 | 日常

今日は午前中、2歳競走馬の腕節剥離骨折の関節鏡手術。

つづいて当歳馬の細菌性関節炎の関節洗浄。

午後は、1歳馬の大腿骨軟骨下骨嚢胞Subchondral Bone Cyst のスクリュー固定手術。

左右両方でかなり大きい。

大きいほうがスクリューを命中させやすい。

X線透視装置はこの手術でも有効な武器になる。

この手術方法は搔爬するには大きすぎるSBCの治療法として有効なオプションになるかもしれない。

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つづいて繁殖雌馬のお尻の傷のこじれた症例。

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あいまに、韓国から馬病院施設の見学。

これから済州島に馬の病院が建つのだそうだ。

韓国には馬は3万頭ほどいて、その70%が済州島にいるとのこと。

韓国も獣医学教育の国際認証を取ろうとしていて、そのためには欧米なみの馬の臨床の環境を整え、学生に教える必要があるのだろう。

当たり前のことなのだが、臨床は患畜が居るところで、臨床ができる人しか教えられない。

日本も、韓国も、できるのか?

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今日も朝から休む間もなく、ちょっと疲れた。

 


11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (piebald)
2015-10-29 21:51:48
寒さの便りも増えてきました。
風邪など引かぬよう、ご自愛、出来ますように。
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>piebaldさん (hig)
2015-10-30 04:31:29
今月半ばの2週間は風邪で体調不良でした。まだ完全には回復していないのかもしれません。鍛えなおすには寒く、暗く、風強く・・・;笑。
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Unknown (chelsy)
2015-10-30 07:58:21
秋深いのに ちっとも暇になりませんね。
このままずるずると忙しい季節に突入しませんように。
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Transcondylar screw (Yoshi)
2015-10-30 20:30:07
新しい治療法をすぐに取り入れられていてすごいですね!感触はいかがでしょうか?術後のレントゲンで良化は見られますか?
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>chelsyさん (hig)
2015-10-30 20:32:31
交代で休むので、出勤日はかえって忙しかったりします;笑。そうなんです。のんびりした季節って必要だと思いますね。
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>Yoshiさん (hig)
2015-10-30 20:35:06
搔爬するには大きすぎる骨嚢胞には良い治療法かもしれません。徐々に埋まってくるようです。スクリュー固定しないより早く埋まるというのを証明するのは難しいですが。それと、早くに痛みが消える症例もあるようです。
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Unknown (Yoshi)
2015-11-01 12:12:18
ありがとうございます!
又聞きなので真偽のほどはわかりませんが、スクリューは骨嚢胞を貫通しなくても言いということを聞きました。メカニズムがまだはっきりしていないので、これからの研究に注目します。

大きくないものは搔爬されていますか?Triamcinoloneの病巣内注入も試されたことはありますか?

質問ばかりで申し訳ないです。
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>Yoshiさん (hig)
2015-11-01 19:55:31
病巣付近のひずみを抑えてやることで治癒を促進させられる、という考えのようです。

搔爬もやります。トリアムシノロンの病巣内注入もやっています。どの治療法・手術法が良いか症例ごとに考えています。
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Unknown (Yoshi)
2015-11-02 08:28:21
症例ごとに使い分けられているんですね。今年のAAEPのResort symposiumでDr. McIlwraithが関節鏡の所見、年齢をもとに治療法を使い分けるような発表のAbstractがあったのでそれも参考にしてみます。
Bonilla et al. によるTranscondylar screwの実験では、メカニズムとして説明するには圧力の差が弱いのかなと思いました。

多くの質問に答えていただきありがとうございます。これからもよろしければ、質問させていただきたいです。
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>Yoshiさん (hig)
2015-11-03 04:32:01
Resort symposiumは行ってみたいです;笑。
香港でDr.Richardsonに尋ねたら、「やってる奴はほとんどいない」という回答でした。
「幹細胞を詰める」そうで、隣にいたRood and RiddleのDr.Ragglsもそうで、その向こうにいたCornellのDr.Nixonは幹細胞を使ったリポートをすでに出していますので、それ以上は聞きませんでした。
しかし、幹細胞治療もまだ評価は定まっていないと思います。
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