馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

蹄叉の肉芽

2015-10-30 | 蹄病学

1歳馬の後肢の蹄叉にできた肉芽。

当たると痛いらしくて、跛行する。

中心部は、こより状の異常な角質の増勢ではない。

しかし、こういう病変の組織を顕微鏡で見てもらうと、螺旋状菌が見えることがあるらしい。

蹄癌Cankerと同じ機序でできるのかもしれない。

しかし、蹄癌はパピローマウィルスの関与を疑う研究者もいて、未だによくわかっていない。

いずれにしても、外科的に切除して、再発しないようにしたい。

後肢だし、全身麻酔して肉芽を切除して、その奥の異常な組織も完全に取り除いた。

FRパスタを詰めて、包帯を巻く。

衛生的にしておかないと、また肉芽増勢してしまう。

肉芽が盛ってくるより速く角質でふさがれてくれることを目指さなければならない。


2 コメント

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Unknown (はとぽっけ)
2015-11-03 23:51:59
 競走馬はいつごろから蹄鉄をつけるのでしょう。
 このおんまさんはまだつけたことはないのでしょか?
 再発なく、きちんと治ってはやく元気にはしれるようになるといいですね。
 魚の目とかタコみたいなものでしょか?
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>はとぽっけさん (hig)
2015-11-04 05:06:49
調教がかなり進んでからですね。1歳の今頃か、2歳になってからという育成牧場もあります。この馬はまだです。

真皮まで傷ついて塊ができている点では魚の目に近いかもしれません。原因がウィルスだったらイボですね。
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