おかあさん馬が分娩後に疝痛をして、それは産道損傷の痛みだったようなのだが、そのときから子馬が跛行していたそうだ。
おそらく、痛がっている母馬に蹴られるか、踏まれたのだ。
そのうち、中足骨部が腫れて、肢も曲がってきたのでX線撮影したら亀裂骨折していた。
ひどくなければ保存的治療で管理できるかもしれない。
しかし、肢が曲がってきたとなるともう危ない。
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さらに近位へも骨折線が伸びている。
斜骨折するなら遠位の骨折端は中足骨の内背側へ突き出しそうであること。
中足骨は外反しつつあるのでテンションサイドは内側であること。
これらのことからプレートは内背側に置くことにした。
整復reductionが必要ないので、minimally invasive surgery でいけるだろう。
もちろんLCPを使う。
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11穴ナローLCPを骨の形状に沿うようにcontour する。
外反した中足骨をまっすぐにする力が働くようなプレートの使い方は危険だろう。
それでも近位と遠位に1本ずつ皮質骨スクリューを入れてLCPを骨に押し付ける。それは、骨をプレートに引き寄せることにもなる。
あとは近位と遠位に順番にLHSを入れていく。
本当は近位方向へもう少し長いLCPが望ましかったかもしれない。が、手持ちの最も長いナローLCPは11穴だった。
骨折部の2つの穴はスクリューを入れなかった。そのことで、LCPの1箇所に負荷がかかるのを避けられるだろう。
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LCPが金属疲労で折れるのを防ぐための安全策として1週間でもハーフリムキャストを巻きたかったが、この子馬はこの肢だけ屈腱が弱く、蹄尖が浮いていた。
子馬をキャスト固定しておくと屈腱がゆるんでそれが大きな問題になりかねない。
で、中足骨部だけにキャスト材を巻いた。どれくらいLCPに働く曲げ力を防いでくれるかはわからない。
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今日は、
1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。
当歳馬の軟口蓋裂の診断。
6歳競走馬の声帯切除。
重輓馬の非感染性関節炎。
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今日は霧が出て寒かった。
それでも辺りのサクラもピンクに膨らみ始めた。
バキッと折れにくく、子馬の骨はしなやかなんですね。
オラ君、いいなぁ、やっぱ好きだなぁこの横顔、毛の感じ。そしておっきな手。次はどんなの買ってくれるんでしょね。なんでもいいんでしょね、いっしょに遊んでくれたら。
私的には近位のもう一本の骨折線が悪さをしてくれそうな気がします。
ラグスクリューを入れてから、近位側で5穴使いたくなります。
蹄尖が浮いたのは中足が骨折で短縮したせいではないでしょうか。
肢軸の矯正的にスリッパを履かせることも考えたくなりますが、負面を大きくすることは骨折増悪のリスクがあまりにも大きすぎますね。
ごきげんで笑っている顔を撮るのはなかなか難しいです。カメラを向けたらまじめな顔しますから;笑。
たとえば骨鉗子で圧定する方向が間違っていれば、LHSを打って鉗子を開放した途端に亀裂にストレスが発生することもあるでしょう。
本当に亀裂面(完全骨折ではない)にストレスをかけないで保持するとしたらLHSの貫通も避けるべきで、本体に骨片をラグスクリューでぶら下げることになると思います。
ちなみにラグスクリューは骨片側を押し当てるのが普通なのでしょうけれども、最小侵襲でいくなら前後逆に本体にスクリューで骨片をひきつけるというやり方もあるのでしょう。
この辺王道はあるのでしょうか。無知ですみません。