欧米では下剤は、ミネラルオイルすなわち流動パラフィンが使われることが多いようだ。
これは、腸から吸収されない油で、ヌルヌルベトベト。便秘塊を柔らかくし、すべりを良くし、吸収されない物質が腸内に増えるため下剤効果を示す。
しかし、USAの獣医師がネット上で議論していたことがあった。
「やっぱり、ミネラルオイルより塩類下剤の方が効果があるんじゃないか?」と。
その中で、説得力のあった話だが、流パラと塩類下剤それぞれが入ったビーカーに、カチカチのウンコを(もちろん馬のやつ)を一晩漬けておく。
流パラにつけたウンコはそのままだが、塩類下剤に漬けたウンコはほぐれている。
実験したことはないが、想像はできる。
もちろん投与する量にもよるのだが、流パラより塩類下剤の方が下剤としての効果は早く強いようだ。
ただ、流パラは、塩類下剤のように水分を腸内へ引っ張って脱水を促進したり、電解質を乱したりする欠点がない。
その点で、私は便秘の初診時には流パラを使うことが多い。
そして、持続点滴を始めて、脱水が改善されてから硫酸ナトリウムを使う。
その後も流パラと硫酸ナトリウムを交互に投与することが多い。
それぞれの利点を生かしながら、それぞれの欠点が強く出ないようにできるのではと考えている。
はじめまして。DSSは以前使っていた人がいます。塩類下剤に比べて、マイルドな効き方をする。というのが利点とされていますが、安全性が低いという大きな問題があります。
腎機能が落ちているときには塩類下剤が安全でないことを書きましたが、便秘が重症で通過が悪いときには、粘膜に刺激があるDSSは好ましくないのではと考えています。
DSSについては、今度アップします。
洋書ではよくDioctyl sodium sulfosuccinate などの界面活性剤を選択薬のひとつとして見かけますが、先生はお使いになったことがありますか?塩類下剤と比べて効果発現が遅かったりするんでしょうか?