第一指骨(趾骨)が粉砕骨折してしまうと、正しい応急処置をし、スクリューやプレートで手術し、術後も正しくキャストを巻いても、骨は体重を支える強度がないので崩れてしまうことが多い。
痛みも強いので、対側肢が蹄葉炎になりやすい。
競走馬時代にも骨折したことがある馬で、痛みに耐える術を知っていたのかもしれない。とは、担当していた獣医さんの弁。
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第一指骨(趾骨)が内固定の対象になるかどうかは、中手(足)骨と第二指(趾)骨をつなぐ骨がのこっているかどうかが基準になる。トの字型の骨折線はなんとかなる。人字型はだめ。
ではどうするか?
左はNunamaker先生考案のウォーキングキャスト。右のように中手骨に装着すると馬は第一指骨に体重をかけずに、折れた肢で立つことができる。
これは改良に改良を重ねて作られている。
ピンは何本が良いか。ピンの太さはどのくらいが良いか。
フレームはどれだけの強さが必要か。
失敗から学んでこうなったようだ。
USAでは市販されているようだが、どこで買えるかわからない。値段もそこそこするだろう。
このような馬を麻酔から立たせるときは本当に危ない。Nunamaker先生がいるペンシルバニア大学ニューボルトンセンターには骨折馬を安全に覚醒させるためのプールがある。
手術が終わったら馬の体がすっぽりはいるゴムボートに馬を入れて、プールに浮かべておく。
馬が意識がはっきりしてから徐々にプールの水を抜く。
USAでは馬の麻酔覚醒用のプールを市販している業者もある。
USAの住宅地を飛行機から見ると、庭にプールのある家が目に付く。豊かな国の発想なんだろう。
診療所にも家にもプールを買えない私達はどうするか? 考えている方法をそのうち紹介する。
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Nunamaker先生のウオーキングキャストの入手方法や値段がわからないので、鉄工所で作ってもらった。
こういうものは用意しておかないとやってみることもできない。
第一指骨(趾骨)粉砕骨折などの馬をこれで助けられる。かどうか・・・・・・
ひどい蹄葉炎にも使えるかも・・・・・・・
hig先生の何気ない一言に、大変な重みと、深い情熱を感じます。
大いなる愛と言って欲しかったナ。嘘、ウソ。
>ユンボさん
忘れてませんよ。ああいう馬を助けるにはと考え続けています。
寝っぱなしでも、立てないのではなく立たないのだと思えば、生き延びる馬は結構いるのかもしれませんね。