乳母に育てられている当歳馬が、朝、口から出血していて、鼻が曲がっていた。
上顎(の吻側部)は、下顎と違ってしっかりした骨体がなく、構造が複雑でプレートで内固定しにくい。
整復しておいて、キルシュナー鋼線を打ち込む作戦で行こうか、と考えていたが、
この症例は、上顎切歯骨が斜骨折していた。
縦にも割れているので、作戦変更。
骨鉗子で挟んで整復できた。
screwを左から右へうって、それにかけたワイヤーを切歯に巻き付けて、左へ引張った。
そこで歯肉、硬口蓋の粘膜を縫合した。
右側からもワイヤーをかけて、切歯をひっぱった。
それでグラつかない頑丈な固定ができた。
夜中に、乳母に蹴られたらしい。
また蹴られたりすることがなければ良いのだが・・・・
////////////////
オラ、あごだいじょうぶです
もっとふーどたべれるです
まるのみもできるです
この乳母馬も大人しいのですが、夜中に豹変したのかも知れません。
本当の母馬でも、子馬が母馬のエサを食べようとしたときだけは怒って許さないとか、いますから。
相棒は食欲旺盛、顔も8歳にしては白くないでしょう?ときどきやんちゃを見せてくれると嬉しくなります。
いったん哺乳を許せば、こういう事故はその後は母馬でも乳馬でも変わりなく、乳馬だから、ということではないように思うのですが、乳は飲ませるが、いじめる、ということもあるのでしょうか。
何かに驚いてパニック?想像ではわからないことだけど、きれいに固定、治療してもらったので、順調に治って大きくなれるといいなぁと思うばかり。
オラ君、言外に催促がちらほら?お目めもいい感じ。まだまだ若いネ