喉頭蓋が、喉頭蓋下の粘膜をかぶってしまっていることがある。
症状がない、あるいは気づかれないこともあるが、やはり喉鳴りの原因になる。
かぶっている粘膜を切開すればいいのだが・・・・・・
左の内視鏡写真は粘膜にフックナイフをひっかけて引っ張っているところ。
この手技は立位でもできなくはない。
立位でやったこともある。
しかし、馬が暴れると思わぬところを傷つける可能性があり、立位ではやらない方が良いと教科書にも書かれている。
それで、全身麻酔して行う。
しかし、DDSP(喉頭蓋が軟口蓋の下にもぐってしまう)を起こしてしまうと、鼻からは喉頭蓋が見えなくなる。
また、鼻からやると軟口蓋を傷つける可能性もあるので、DDSP状態にして口からやることを推奨する人が多いようだ。
喉頭蓋下粘膜を切開するだけだと再発することがあるという意見もあるが、どうだろうか。
EEカッターのフックが短いと、かぶっている粘膜をペロンとめくるだけになる。
すると、当然、再発する。
大きなフックをひっかけて、かぶっている部分全体を切開すればまず再発しない。
再発を避けるために喉頭蓋下粘膜を切除する方法もあるが・・・・・あまり喉頭蓋下の粘膜を切除しすぎると、瘢痕収縮して喉頭蓋が下に引っ張られ、持続性のDDSPになる可能性が高くなる。
繁殖雌馬で、なんの症状もない馬で、偶然EEを見つけたこともあった。
少々の異常は馬として生きていくには何の問題もないのだが、競走馬として他の馬よりすこしでも速く走らなければいけない馬にとっては、喉のわずかな異常でも大きな問題なのだ。
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フックはこんなかんじ(右)。
本当はもっと鋭く、切れ味良くしたいのだが・・・・なかなか難しいんだこれが。
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東北の地震被害に遭われた皆さんにお見舞い申し上げます。