鼻血が少しずつ何ヶ月も出る。という症状だと、まず疑うのは ethmoid hematoma 篩骨血腫。
たいていは、内視鏡検査で、鼻道内に独特の色(ピンクではなく、緑がかっていたり、灰色がかった黄色)をした新生物が見える(左)。
かつては全身麻酔下で手術し、篩骨洞や副鼻腔から摘出していた。
数年前からは、内視鏡下でホルマリンを注入することで、この新生物の縮小させる方法をとっている。
内視鏡を通したチューブに針を付けておく。それを篩骨血腫に刺す。
文献では2週間隔が推奨されているが、1週間隔でも良いと考えている。
1週間後、少し小さくなっていた(右)。
新生物はさらに小さくなった。
このピンク色の塊は異常なものではない。
健康な鼻道の篩骨部分にはこういうポリープ状のものがある。
篩骨洞をよく見ても、1週間前に残っていた血腫が縮んだものもなくなっていた(左)。
治療開始から1ヶ月足らず。
数ヶ月から、数年で再発の可能性はあるが、とりあえず、治療終了だ。
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今日はその篩骨血腫の症例。
午後は喉頭片麻痺の再手術。
腸炎の仔馬、入院中。