アンラインド


D850 + SIGMA 85mm F1.4 DG HSM

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ライニングというのは、裏地のことである。
靴のライニングというと、足を入れる部分の内側に張られた革や布地などのことだ。
一般にしなやかで吸水性、通気性のある素材が使われている。

その内張りがあるのが「ラインド(lined)」、無いのが「アンラインド(unlined)」の靴ということになる。
アンラインドはアッパーの革1枚のみで、革の裏側の荒れた面が剥き出しになっていて、足と直接触れる構造である。

僕の持つオールデンはラインドとアンラインドがある。
同じオールデンでもライニングのあるモデルの方が構造は複雑だし価格も高い。
ライニングがあればクッション性や包まれ感もあるので、そちらの方がいいものだと思っていた。

しかし実際に履いてみると、アンラインドの方がしなやかで快適に感じられる。
これは買ってみて驚いた点である。
同社のカタログでは、アンラインドのモデルはそれを大きく謳っているのだが、そちらの方が好きな人が結構いるのであろう。

僕の持っているアンラインドのオールデンはプレーントゥで、アッパーの革がスエードとクロムエクセルのモデルがある。
それらは踵周りはライニングレザーが張ってあるが、靴の前半分にはライニングはなく、外からは見えないが革の裏側が剥き出しになっている。
カタログにはwith Unlined Vampと書かれている
またライニングのある部分と無い部分のつなぎ目が必要なため、先端のヴァンプの部分と羽根の部分が別々のパーツになっており、ヴァンプの裏側にはライニングが無い。


愛用のオールデンのアンラインドのプレーントゥモデル。(写真はどちらもクロムエクセル)
ヴァンプ部分と羽根部分が別パーツになっており繋ぎ目がある。
ライニングありのプレーントゥも持っているが、そちらは繋ぎ目は無く一体パーツになっている。


靴の先端部は革一枚なので、この季節は何となく寒々しいし、ガードされているという感触も希薄である。
しかしその分軽くて曲りやすくて、履いていて非常に快適である。
その良さを生かすべく、オールデンのアンラインドのモデルは、しなやかなシングルレザーソールが組み合わされている。
ここを頑丈なものに変えてしまうと、恐らく良さが半減してしまうと思われる。

オールデンではプレーントゥの短靴、チャッカブーツ、ローファーなどにアンラインドのモデルが用意されている。
同じクロムエクセルやスエードの靴でも、ライニングのあるモデルもある。
それぞれの良さがあるということだろう。

スエードのチャッカブーツのアンラインドは、ヴァンプ部分だけでなく靴全体にライニングが無いようだ。
スエードのチャッカというと秋から冬にかけて履くモデルであろうから、厚手の靴下との組み合わせが前提か?
季節に関係なく履きやすさを最優先したのがアンラインド、という位置付けなのだろう。
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