数年先


Z9 + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

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先日映画館に行って、「君たちは・・」のパンフレットを買ってきた。
公開から一カ月経ってから発売されたものだ。
自分の感じた通り、宮崎氏の「自伝的ファンタジー」作品であり、氏の「記憶の中に残るかつての日本」を再現していると書かれていた。
2023年7月13日の日記
初めて氏の内面をさらけ出した作品ともいえ、それゆえに今までとは違うものを感じさせたのだろう。

そのパンフレットに掲載された、宮崎氏が2016年に書かれた覚書の内容が興味深かった。
新たに作品を作ろうと考えた時に、最低でも3年程度の時間がかかる。
その間に今(2016年時点)のようなはっきりしない時代は終わり、戦争や大災害などを原因として、世界全体がゆらいでいるかもしれない。
つまり3年後に(実際には製作に7年かかったそうだが)人々がどのような気持ちでこの映画を観るか、それにはどのような作品を作るべきか・・を気にされているのだ。

やはり映画作品を作る時は、そういう考え方をするのだな・・と思った。
特に宮崎氏の場合、時代の変動を非常に敏感に感じ取っている方だと、個人的には感じていた。
以前も書いたが、21世紀は暗い時代であると、かなり早い時点で氏が発言するのを聞いたことがあるが、その時はこちらはまだピンとこなかった。
しかし時代はその予言通りになっていった。

今ほど急速に大きく変化していく時代は珍しい。
恐らく人類にとって、最も変動の激しい時代のひとつとなるであろう。
コロナや戦争だけではなく、AIの台頭や気候変動が、我々の社会を強制的に変えていく。

今までの常識が、ことごとく破壊され、通用しなくなっていく。
我々やその子供たちの人生も、思い描いていた理想とは、かなり違うものになるであろう。
価値観自体がひっくり返るので、それをどう感じるかまでもが変わっていく。
正しいと信じて積み上げてきたものが、まったくの無意味になるのか、あるいは逆に重要度を増していくのか・・・

その中で、人々の心に訴えるのが使命の映像作品が、果たしてどうあるべきか・・・
確かに作品の製作者にとって、非常に重要な課題である。
何しろほんの数年先のことなのに、誰にも予測がつかないのだ。
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