ぎりぎり


Z7 + NIKKOR Z 24mm f/1.8 S

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先日の台風19号に続いて、次々に台風が発生し、その影響による大雨の被害が出ている。
台風19号に関しては、後からいろいろな人から体験談を聞いている。
あの時、利根川は本当に大変な事になる寸前だったようだ。
大変な事というのは、土手の埼玉県側が決壊して、関東地方の中心部に向かって大量の水が流れ出すという事だ。
それによって埼玉県と東京都の東部が水没し、恐らく千人規模の犠牲者が出る。

栗橋の観測所の水位がぎりぎりまで行ったのは知っていた。
しかしそれはあくまで水位観測所のある地点の数値である。
ネットではそのデータしか得られないから、そこにばかりに注目していた。

ところが実際には観測地点より土手の高さが低いところがあるのだという。
つまり観測所の水位がぎりぎりまで行くということは、既に他の地点で土手が決壊している可能性がある、ということになる。

台風の最中に、たまたま利根川周辺を通り、異様な光景を目撃したという人から、その話は聞いていた。
緊急で出動した自衛隊車両がどんどん土を運んでいたという。
既に土手の一部が決壊したのではないかと、その人は強い恐怖を覚えたという。

最初に土手のその場所が危険な状態である事に気付いたのは、当然のことながらその地域の人たちだ。
川が比較的強めのカーブを描いている箇所で、そこの土手の高さが低くなっているらしい。
これはもうダメだと判断して、県から自衛隊に要請をしたらしい。
駆けつけた自衛隊員たちによって土手が補強され、ぎりぎりで決壊を免れることが出来た。
命懸けの作業であったろう。

台風19号で日本は大きな被害を受けた。
しかし未曾有の大水害になる一歩手前でたまたま回避できたというのが実情らしい。
そうなっていたら・・と思うと恐ろしい話である。
経済的にもかなりの打撃を受けるであろう。

台風19号による災害は多くの教訓を含んでいる。
観測所のデータで一喜一憂していたが、実際には別の場所で土手の崩壊が進んでいた。
恐らく関係者はそちらの方が低い事を知ってはいたのだろうが、いつ来るかも分からない災害に対し、どうしても対策が後回しにされることはある。

今回の台風で災害が発生あるいはその直前まで行ったことで、いろいろな問題が浮き彫りになったように思う。
急ピッチで解決していかなければならないが、工事するにも規模が規模なのでそう簡単にはいかないだろう。
住民だって危険だから家を建て替えろ、さもなければ引っ越せと言われても、すぐに出来るものではないだろう。

台風の大きさが史上最大規模で、想定外であったと言う人もいる。
しかし一方で、今後は気象の変動によって毎年のようにこのクラスの台風が発生するかもしれない・・と考えている人も多い。
同じ場所に家を建て替えても、すぐにまた失う事になりかねない。
これからは想定自体を作り直して、今までと違う対策を講じていかなければならないということだ。
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