閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

「むぎわらぼうし」新装版

2006-07-22 02:10:37 | お知らせ(新刊)

 なつの はじめに かってもらった むぎわらぼうし。
 しろい リボンが すこし ほつれています。

1985年に出た絵本『むぎわらぼうし』。
いせひでこさんの絵が素晴らしい、お気に入りの1冊です。
「いせさんブルー」と、ひそかに名づけた、青い色。
揺れている波と、さるすべりの紅い花。

絶版になっていましたが、このたび新装版という形で
講談社から復刊になりました。
表紙のタイトルデザインがちょっぴり変わったくらいで
あとは当時とまったくおなじです。

21年前。こういう絵本をつくりたかった。
とことん文章にこだわって、1字1句に神経をとがらせて、
水晶玉みたいに完璧だと思えなきゃ納得しなかった。
いまでも、こういう絵本をつくりたい。それは変わってないけれど、
歳をかさねたぶん、変わったものも、きっとあるでしょう。

子どもの頃、夏が、海が、そんなに好きだったかっていうと、
そうでもなかったような気がします。
ただ、夏休みが終わるのが何より悲しかった。
学校が嫌いだったから。
壁の前に不安気につっ立っている女の子は、わたし。
帽子を深くかぶって、このまま隠れていられたらいいのに。

…そういうこと、いまになって、ようやく、わかります。
絵本は鏡。忘れていた気持ちを映してみせてくれる。
久しぶりに手にする『むぎわらぼうし』。
いろんな意味で、とても、なつかしい。

 むぎわらぼうしは もう かぶれません。
 「るるこ、はやく」
 おねえさんの よぶ こえが きこえます。


作者と画家のメッセージはこちら→ 講談社絵本通信
(8月24日まで)

 

新装版 むぎわらぼうし (講談社の創作絵本)
竹下文子 文
いせ ひでこ 絵
講談社
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カリブの海賊

2006-07-21 09:25:14 | 日々
…「デッドマンズ・チェスト」。
ハンス・ジマーのファンでもあるKが、夏休み前に友だちと
先行上映とかでいち早く観てきて、家でサントラCDをかけています。
うわあ、いいな。わたしも観に行きたいよう。
でも、一番近い映画館まで片道2時間以上かかる。それが問題。
よっぽど気合をいれないと、真夏のおでかけは、できません。

どちらかというと派手な映画が好みです。
時代物とかSFとか特撮アクションとか。
現実では絶対に見られないようなものを見るのが好き。
Mはわたしと違って、出来のいい自然ドキュメンタリーとか、
ちょいと洒落た人間ドラマみたいなほうに興味があります。
だから、一緒に映画に行く機会って、ほとんどないのです。

ああ、「M:i:III」も観たいなあ。
トム・クルーズってどこがいいのか、説明できないでいたら、
映画評で「ケレン味たっぷりの」という表現を見つけました。
そうそう、それ。
映画はそういうのが好き。
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絵本のつくりかた・その2

2006-07-21 09:20:32 | 絵本のつくりかた

出版社に提出しておいた絵本のダミーに、返事がきました。
これは、なかなか、どきどきします。
「ふりだしにもどる」が出ちゃう確率もけっこう高いので。

こちらから出した企画のひとつは「サンドイッチの絵本」でしたが、
それに対する回答はこうでした。
「お寿司の絵本にしたらどうでしょうか」
子どもの好きな食べ物No.1はお寿司だから、っていうのですが。
うーむ…悩むぞ、これは。

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猫の床屋

2006-07-20 08:32:05 | 日々

うちの最年長猫は、こだま、14歳。長毛の雑種です。
オレンジクリームのほわほわの柔らかい毛で、
顔立ちも体形もペルシャ系。
でも尻尾が短いので奇妙にアンバランス。
尻尾はくるりと曲がって小さい輪になっています。
それが長毛なので、ポンポンがついてるみたいです。
かつて、玄関先でこの子に出くわした郵便屋さんが、
「あーびっくりしたあ。猫かと思った」って言いました。
「猫ですよ」
「あ? え? やっぱり猫か」
そうです。ポメラニアンではありません。

この子と一緒に拾った「のぞみ」は、兄弟なのに、
これほど長毛でなく、顔も身体も和猫で、尻尾だけが
ふさふさペルシャ、という、まったく逆の猫でした。
きっと、遺伝子を仲良く半分こしたのでしょう。
(のぞみは、もうこの世にいません。
のんちゃんについても書きたいことがたくさんあるけれど
それはまたいつか)

優しい性格で、みんなのクッション役をつとめるこだまですが、
唯一の悩みは、この長い毛です。
ほっとくと地面すれすれまでのびてフェルト状の毛玉になり、
そこに枯葉や小枝がからまってとれなくなり、
ずるずるずるとひきずって帰ってきます。
冬はまだいいですが、夏はもう見るからに暑そう。
今年も、Mが床屋さんになって、
はさみでチョキチョキと刈り込んでやりました。
こだちゃん、すっかり若返って、子羊みたい。

ほんとは猫の毛をうっかり切ってはいけないそうです。
神経質な子だと、切り口の不揃いを気にして、
なめてなめて皮膚炎になってしまったりするとか。
こだちゃんは、のんびりした猫だから、大丈夫なのかな。

Mの床屋さんは、年季が入っています。
なにしろ、中学生のころから、自分の散髪は
自分でしていたんです、この人は。
まあ、ヒッピー風の長髪が流行ってた時代でしたしね。
子どもの髪も、ずっと家でカットしてやっていました。
だからKは生まれてこのかた理髪店に行ったことがありません。
高校生になったら、自分で切るようになっちゃいました。
変なトコ、親譲り。

わたしは、ええっと、いちおう美容室で…
たまにしか行きませんけども。
「毎日家にいるのォ? 家で何してんのォ?」なんて
美容師さんに言われます。
何してるかって、それは、秘密。

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ピーター・パン

2006-07-19 08:55:07 | 日々

…が行方不明。
岩波少年文庫で、灰緑っぽい表紙の、と
そこまではわかっているのだけど。
捨てた覚えはないから、家の中にあるはずなのに、
それがどこだか、わからない。

ちょっと前まで、こういうことはありませんでした。
「あの本!」っていえば「はい」って、すぐに取り出せた。
昔は図書館に行っても、間違った棚にある本なんか
片っ端からちゃちゃっと直してあげるくらい、
お片づけ上手の子だったのに。

本棚が、どう見ても許容量を超えてます。
奥に一列ふつうに並べて、その手前に平積みして、
さらに隙間という隙間にぎっちり詰め込んであるもんなあ。
ジャンル分けもとっくにあきらめました。
岩波の『水の子』があったからって
隣に『ピーター・パン』があるわけではないのです。

充実した書店や、頼りになる図書館が近くにないので、
ほんとなら立ち読みで済むようなものでも
ついつい取り寄せて買うことになってしまいます。
画家の資料はとりわけ大きくて分厚い本ばかり。
それに加えて、わたしを上回る速読みのKがいて、
家じゅうの本は加速度的に増殖を続けます。
先日もKのリクエストで『Op.ローズダスト』上下巻が
どんと届いたばかり。
「はい、〈塵薔薇大作戦〉、きたよ」って、とりあえず
むこうに置いてきましたけど。

新刊を買ってハズレたときは、わりとあっさり
リサイクルに出せます。古い本が溜まる一方です。
売り物にならないし。でもゴミに出すのはしのびないし。
手放したら二度と会えないかもしれないんだし。
そういう本は、別棟になっているMのアトリエの屋根裏に
ときどき持ってって置かせてもらっています。
そっちも、そろそろ満杯状態だし…。

ああもう、ピーター・パンはどこ行っちゃったのかな。

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雨の日

2006-07-18 09:40:47 | 日々

朝の室温が23℃。長袖を着ています。
熱いコーヒーが美味しい。
髪も束ねなくていいし。
こんな日が好き。

2階の窓から見える山がすっぽり霧につつまれています。
うちの家のあるところは海抜200メートル程度で
さほど高いところではないのですが
市街地から見れば「山間部」にあたります。
こんな日に町から県道を車でのぼってくると、
霧の中にどんどん分け入っていく感じ。
こんなところにも誰か住んでるんだなあ…って思うような風景。

階下でピンポン玉のころがる音が聞こえます。
真鈴(まりん)が独り遊びしている音です。
「カカオ90パーセント」な黒猫のまりんは、
お外が好きで、遊び好きで、好奇心旺盛な年頃。
別名、ひまりんちゃん、こまりんちゃん、ともいうくらい、
雨降りの日は退屈で困ってしまう猫。
ピアノの上の浅い箱に、ピンポン玉をいくつも入れておくと、
それを1こずつ自分で落としては追いかけて遊びます。

音が消えたら、要注意。
遊び疲れて寝ていればいいけれど、
もしかしたら、ピンポン玉を使い果たして、
何か「落としてはいけないもの」を次のターゲットに
緑色のまんまるおめめで狙っているかも。

さてさて、ボール回収に行ってこよう。

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夏・冬切り替えスイッチ

2006-07-17 08:50:19 | 日々

…ついてないの?って、Mが言います。
うーん、探してみたけど、ついてないみたい。
わたし、旧型だから。

冬生まれなので、初期設定が冬モードになってて
変更がきかない。だから夏はすごく苦手。
ぎらぎらの日光を見ただけで頭痛がしちゃいます。

Mは、頭の横のスイッチをカチッと切り替えるだけで
すぐに夏に対応できちゃうそうです。
いいなあ。どうしてそんな便利な仕掛けになってるの?

去年まで使っていたパソコンは夏に弱くて、
ウチワであおいでやらないと熱中症でダウンし、
仕事どころではありませんでした。
今のは、だいぶましなのですが、ノート型なので
手元がかなり熱くなります。
ノートパソ用のクーラーがあるというので調べてみたら、
そっちもモーターでファンを回す仕組みらしく、
それはそれで余計な熱が出るんじゃないかなあ。

夕方6時頃になると、急に涼しい風が吹いてきます。
家の横に小さい川が流れていて、
水冷式の天然クーラーになるのです。
昼間、ぐにゃぐにゃに溶けていた猫たちが、
起き上がり、のびをして、夕涼みに出かけていきます。
夕暮れ時の葉っぱの緑がきれい。
わたしもお外で仕事しようかな。
蚊と蛾とその他いろいろがいなければ、ね…。

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1週間

2006-07-16 08:19:15 | 日々

ブログなんか始めると、仕事をしないんじゃないか、と
ひそかに心配してたんですよ。
実際は、そうでもない。いまのところは。(ほんとかなあ)

「あなたは、独り遊びができちゃうからねえ」って
人に言われたことがあります。
ちっちゃい頃から、独り遊びは、得意でした。
本を読めばいいし、自分で書くこともできるし。
退屈もしないし、寂しくもならない。

でも、読んだり、書いたり、したいっていうことは、
「言葉を使いたい」っていうことですね。
言葉には必ず「送り手」と「受け手」がいるもの。
本を読むのも、物を書くのも、言葉で橋を架けて
自分以外の誰かとつながりたい、っていうことなんだ。
うん、きっと、そうなんだ。

独り遊び、1週間目の〈閑猫堂〉です。
そんなに書くことあるかな?と思っていたけど、
意外にあるようなので、しばらくは続くでしょう。
それに、何かちょこっとお知らせや宣伝をしたいとき、
よそのお宅の塀に貼り紙してくるのは気がひけますが、
これで自分ちの塀ができたわけです。

tactさん。リンク確認しました。さっそくにありがとうございます。
あやめ草さん。このとおり、実名で公開しちゃってますから、
今さら内緒ということもありませんので。

ただし、まだ試行錯誤中でもあるため、
コメントはOFFにさせていただいてます。ご了承ください。

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そうか

2006-07-15 20:06:11 | 日々

下に書いた「見ているやかんは沸かない」っていうフレーズ。
あれ? どこかで見たなあ、どこだったかなあ…と気になって
昼間ずっと考えていました。
「見ているやかんは沸かない、ってね。待ってると長いもんだよ」
『アイヴォリー』の矢代さんのせりふだ。
なんだ、自分で書いたんじゃありませんか。

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暑中お見舞い

2006-07-15 10:36:58 | 日々

You might or more head, today's at fish.

和訳:言うまいと 思えど今日の 暑さかな(…笑)

もうひとつあります。これはすぐわかるでしょう。

Full in care, cow was to become me is note.

うちの母に教わりました。中学生のころ。
母は母で、中学の英語の先生に教わったらしいです。
学校の勉強の大半は忘れてしまっても、
こういう役に立たぬことはよく覚えているものですね。
お次は英国の諺。

A watched kettle never boils.

和訳:見ているやかんは沸かない=待つ身は長し
これ、現在でも、母の口癖。

母が中学生だったのは、終戦直後です。
英語の女の先生は、厳しいけど、とびきりユニークで、
たとえば、日曜日に「遊びにおいで」って生徒を家に呼んで、
「ちらし寿司をご馳走するから材料を買ってきて」って
メモを渡すんです。見ると、それ、ぜんぶ英語で書いてある…。
母は「shrimp」がどうしてもわからなくて、
買物の途中で家に飛んでって辞書をひいたそうです。

先生から母宛てに、毎年きていた英文の年賀状を
わたしはたびたび見ています。
そのつど母は、もうぼろぼろな英和辞典をひっぱりだし
中学生の女の子に戻って、せっせと「解読」に励むのでした。
数年前に先生は亡くなったそうですから、
かれこれ60年に近いおつきあい、ではなかったでしょうか。

そして毎年夏になると、
You might…と呟くわたしがいます。

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