閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

「ちいさいいすのはなし」中国語版

2021-09-12 11:23:30 | お知らせ(海外版)

絵本『ちいさいいすのはなし』(ハッピーオウル社 2006年)の中国語版ができました。

(画像の色がひどいけど…このグリーンはどうしてもうまく写らないのです)

15年前の絵本ですが、たまたま英文紹介のカタログを見た中国の編集者さんが目にとめてくださったとのこと。
世界規模でみれば日本語をそのまま読める人の割合は少なく、英訳されているかどうかは大きいんだろうなと思います。



文中に「おばあさんは めを ほそめて そういいました」という表現があるのですが、最初はそのまま「目を細くする」という意味の中国語があてられていました。
はて、これは大丈夫なんだろうか。
というのは、もうだいぶ前に読んだ河野一郎氏の『翻訳のおきて』という本の中に、英語の「目を細める」 "narrow one's eyes" は、相手に対する敵意・疑惑をあらわす、と書かれていて、そのことが頭の片隅にちょこっとひっかかっていたからです。
ボディーランゲージというのは国や民族によってさまざまで、ときどき思いもよらない違いがあります。「手を振る」にしたって、親しみをあらわすとは限りません。
「目を細める」が、中国では、どうなのか。文脈からして敵意とは思わないはずだけど。もしかしたら、おばあさんは目が悪いんだろう、などと解釈されるかもしれないし、気になったので、念のためエージェントさんを通じて先方に確認していただきました。
出来上がったのを見たら、「おばあさんは にっこりして いいました」という感じの中国語に差し替えられていました。

小さい可愛いらしいものを見たときに「目を細める」のはなぜなんだろう。大きな目、強い視線は相手に威圧感をあたえるから?
微笑むと自然に目が細くなる、あるいは、目を細めると自然に口角が上がる、という感覚は、日本人に特有のものなのかどうか…そういうことを研究している人がいたら面白いけれど。

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« いつもの | トップ | ちっちゃいの »