弁理士の日々

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熊本地震で自衛隊CH-47ヘリはどうしていた?

2016-05-16 21:46:14 | 歴史・社会
去る4月18日、このブログで「熊本地震への救援活動」として以下の趣旨で記事を書きました。
『週末のテレビで終日映し出される現地の映像で納得できないことがあります。
避難所に自衛隊の給水車が到着し、給水車の蛇口からペットボトルに1本1本給水して手渡しています。水を受け取るための人たちが、延々と行列して待っています。』
そして各避難所への必要物資の運搬手段として、
『陸上自衛隊は輸送用ヘリCH-47チヌークを55機保有しています。1回の輸送能力は10トン前後あるようです。CH-47チヌークでピストン輸送すれば、すべての避難所に十分なペットボトルを輸送することに問題はないと思われます。
今回のトモダチ作戦では米軍からオスプレイが応援にやってくるということです。オスプレイは航続距離も長いですから、例えば自衛隊の岩国基地に補給デポ基地を設営し、ここから被災地の各避難所に大量の物資を輸送ずることができるでしょう。』
と書きました。陸上自衛隊の55機に航空自衛隊の15機を加えると合計で70機になります。

その後、ニュース映像で、米軍オスプレイの活動状況を目にすることはありました。しかし、自衛隊のCH-47チヌークによる物資輸送の映像は全く放映されません。なぜだろうか。意図的にオスプレイのみを流しているのだろうか。

ところが本日、以下の記事に接してびっくりしました。
地震時、自衛隊大型ヘリ緊急点検…8割飛べず
読売新聞 5月16日(月)7時28分配信
『熊本地震の発生時、自衛隊の大型輸送ヘリコプター「CH47」全約70機の約8割が、緊急点検などのために飛行できなかったことが、関係者への取材でわかった。
防衛省は、被災地への物資輸送が滞ると判断、米軍の支援を受けてオスプレイが投入されたという。』

熊本地震発生の約1週間前、CH47の点検で翼を回転させる部分近くに異常が見つかったことから、自衛隊は全機の運用を中止して一斉点検を実施したとのことです。熊本地震後、自衛隊はCH47の出動を決めましたが、多くが点検中で、被災地での救助・救援活動には、10機程度しか稼働できなかったというのです。
何ということでしょう。

非常事態というのは突然勃発します。突然勃発した非常事態に対応できるように即応体制を整えて待機しているのが、そもそも軍隊の特質であるはずです。その自衛隊が、一番大切なときに、70機のうちの10機しか稼働できなかったというのです。
めまいがしそうです。

CH-47ヘリコプターは、ベトナム戦争当時から使われ、現在でも生産が続けられ、世界中で多数が運用中のはずです。この機種に内在する問題があるとしたら、すでに顕在化しているはずです。熊本地震発生の後、本当に自衛隊が所有する全70機を運用中止し続ける必要があったのでしょうか。
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