弁理士の日々

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W杯~欧州旅行

2014-07-05 19:08:12 | サッカー
ワールドカップ日本戦、第1戦(対コートジボワール)、第2戦(対ギリシャ)はライブで早朝観戦しました。
第3戦(対コロンビア)のときはちょうど家内とヨーロッパ旅行中でした。試合の時間帯は、現地フランスの夜10時からでぴったりだったのですが、何せホテルでのテレビライブ中継がありません。その時間帯は、コートジボワール対ギリシャ戦のみライブ放送していました。そこで、テレビでコートジボワール対ギリシャ戦を表示させつつ、ネットで「ライブテキスト情報」を確認しながらの観戦と相成りました。コートジボワール対ギリシャ戦のハーフタイムに岡崎のゴールシーンは放映していました。

日本が属したグループCのFIFAランクを見ると、コロンビアは8位、ギリシャは12位、コートジボワールは23位、日本は46位です。従って、グループCの順位はFIFAランクどおりであり、順当ということができます。
ところが日本での報道を見ると、日本はグループリーグを突破して当然であって、今回の結果はきわめて不本意である、という論調です。なぜでしょうか。

前回南ア大会では、前評判が悪かったのにグループリーグを突破し、もう一歩で8強に入りそうだった。今回大会では前評判がよいから、グループリーグを突破して当然だ、という論拠でしょうか。
そうとしたら、「日本がFIFAランク46位は不当であり、本当は15位よりも上位であるはず」といっているのと同様になります。

第1戦、第2戦を観戦した限りで、日本代表の戦い方が不本意であったことは確かです。香川にしろ本田にしろ、パスの精度が悪く、また全体平均して全然走れていない印象を受けました。
日本代表は、世界の強豪に比して個人の能力は落ちることから、組織サッカーに徹し、攻撃でも守備でも相手に対して数的優位を保つことによって勝利を勝ち取る、と聞いています。攻撃と守備の両方で数的優位を保つためには、相手よりも長い距離を俊足で走ることが必須です。それは精神力だけでは達成できず、体力の裏付けがなければなりません。
私は、今回の最終キャンプで、ブラジルで戦うためのスタミナ強化に失敗したのではないか、と想像しました。

前回南ア大会の総括を、私はサッカー日本代表~チームはこうして甦ったとして記事にしました。
南ア大会の会場は標高が高く、選手の高地順応に成功するか否かが重要なポイントでした。それに対して日本代表チームは、最終合宿前から選手の高地順応を科学的に行ってきたというのです。2010年5月10日にW杯メンバーを発表した後、酸素濃度を低くできる低酸素マスクセット(7万~8万円)を用意して全選手に配布し、一定時間のマスク着用を義務づけたそうです。標高1800メートルの高地スイス・ザースフェー合宿(5月26日~6月4日)が始まる前から高地トレーニングをはじめていたのですね。ベースキャンプ地ジョージは低地だったため、マスク使用は南アフリカ入り後も継続されました。
ワールドカップ本大会を観戦していても日本選手の足が止まっているようには見えませんでしたし、データでも走行距離で全チーム中2位ということです。
攻撃を任された3人、本田、大久保、松井は、湯浅健二氏が「ボールがないところでの無駄走りが少ない」といって常に批判していた3人です。ところが本番が始まってみたらどうでしょう。3人とも、今までになく走り続けたようです。

一方で今回ブラジル大会です。
選手の敵は高温多湿でした。しかし、高地順応は適切に行えば劇的な効果が得られますが、高温多湿順応などできません。せいぜいが高温多湿に慣れる程度です。
さらには、ブラジルでのキャンプ地が涼しいところだったといいます。「北海道をキャンプ地とし、試合のたびに試合会場の沖縄に移動するようなものだ」との論評がありました。“今回対策は酷暑慣熟対応を誤った”といえるかもしれません。
もしそうだとしたら、日本代表チームは、前回大会と反対に、スタミナ面で最初から勝てる状況になかったのかもしれません。

次に選手の状況です。
《怪我あけの選手》
 長谷部、内田、吉田
《所属チームで調子を落としている選手》
 本田、香川
《年齢から90分間スタミナがもたない選手》
 遠藤
これらの選手を使い続けたことで、ザッケローニ監督が批判されています。
たしかに私もそう思います。
しかし、これら選手を抜いたら、いったいどのような11人がスタメンに名を連ねるのでしょうか。
そうなると、「4年間のザッケローニ体制での準備をことごとく捨て去る」ことに等しいでしょう。中村憲剛を招集しなかったのは納得していませんが・・・。
私は大会開始前から、「今回大会は、ザッケローニ体制での悪いサイクルにちょうど当たってしまった。こればかりはどうしようもない。」と思っていたものです。

さて、今回の私のヨーロッパ旅行、6月21日~28日の日程で、ベルギーとフランスを回ってきました。
現地時間6月22日にはベルギーのブリュッセルに滞在しており、ベルギー対ロシア戦をホテルで観戦しました。試合は0-0のまま膠着状態で、このまま引き分けかと思われていたのですが、後半43分、左サイド2人のワンツーから1人が抜け出してゴールライン際からマイナスのクロスを入れると、走り込んできたオリギが会心のゴールを上げ、ベルギーの勝利となりました。この勝利でベルギーはグループリーグ突破を勝ち取りました。
場所はブリュッセルです。街の中心にプラン・プラスという広場があり、ホテルはそのそばです。私はベルギーの得点直後、「街を見てくる」と部屋を飛び出しました。
フロントのロビーで試合中継を放映しています。試合終了のホイッスルが鳴ると同時に、私はホテルを出てブラン・プラスに向かいました。
広場は、大騒ぎ、というほどにはなりませんでした。広場に面する一角にサッカーカフェらしき店があり(下写真)、そこからベルギーの赤いユニホームを着たサポーターがぞろぞろ出てきて広場で騒ぎ出しましたが、たいした人数ではありません。
 
せっかくなので動画を撮りました。3分あまりの放映であまりたいしたことはありませんので、観ていただくには及びません。時刻は夜10時ですが、まだ外は明るく、夜になっていません。
私はほどなくホテルの部屋に帰りました。道を走るクルマのクラクション、サポーターが吹く鳴り物の音は夜中の12時を過ぎても鳴り止まず、ブリュッセルの人たちが喜びに浸っている様子は聞き取れました。
翌日の朝、ホテルのコンシェルジェやレストランのウェイトレスに「コングラチュレーション!」と声をかけると、皆さん喜んでくださいました。
日本代表の結果は残念でしたが、こうして私は、ベルギーの人たちと喜びを分かち合う機会を得ることができたのでした。

朝食レストランのウェイトレスは、私の「コングラチュレーション!」に笑顔とガッツポーズで応えてくれましたが、そのあと「火曜の試合がどうのこうの」と言っています。そのときはわからなかったのですが、彼女が別の客とイタリア語で話しているようだったので、「イタリアの人ですか?」と聞いたらそうだということです。調べたら、ベルギー時間火曜のイタリア対ウルグアイ戦が、イタリアのグループリーグ突破の大事な試合であることがわかりました。そこで次の機会にそのウェイトレスに「イタリアの幸運を祈っています」と話しかけました。
火曜の朝にわれわれはブリュッセルのホテルを引き上げましたが、その日の朝、朝食からの帰り、そのウェイトレスは我々を呼び止めて握手と投げキッスのサービスまでしてくれました。

26日、フランスはまだグループリーグ突破が決まっていません。しかし、この日の対エクアドル戦で6点以上の大差で負けない限り、フランス突破が決まります。
試合はフランス時間夜10時から始まりました。われわれは翌朝が早いので試合途中で寝てしまいました。翌朝調べると0-0の引き分け、結果としてフランスのグループリーグ突破は決まりましたがさほどのお祝い事ではなさそうです。フランスの人たちと喜びを分かち合うチャンスはありませんでした。

こうしてヨーロッパ旅行中のワールドカップ観戦は終わり、現在は主にニュース番組で試合結果を聞いている状況です。
グループリーグでは、スペイン、イングランド、イタリアなどが早々と姿を消し、南米勢、アフリカ勢が元気でした。アジア勢は未勝利全滅です。これはやはり、ブラジルの高温多湿が影響していたのでしょうか。

ブラジルのネイマールが骨折で次の試合から欠場ということで、観戦側としては寂しい限りです。
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