弁理士の日々

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WCでのクロアチア

2022-12-12 15:47:42 | サッカー
(カタールW杯・至言直言 中村憲剛)クロアチアという深い森
至言直言 中村憲剛 2022年12月11日 日経新聞
『ブラジルは準々決勝でまたも敗退した。彼ら自身、なぜ負けたのかわからずにいるのかもしれない。前回のロシア大会から延長戦とPK戦を制し続けるクロアチアの不思議な磁力、ブラジルさえ押さえこむ引力には理屈を超えたものを感じる。
爆発力はそれほどないし、スタイルもはっきりしない。戦術的な縛りが少ない分、個人に委ねられる余白は大きい。選手のタイプもさまざまで、ボールを運べる者、クロスを打ちこむ者、そこに点で合わせる者がいる。明確なスタイルがないゆえの手札の豊富さと、アイデアを共有できる瞬発力が、クロアチアの実像を見えづらくしているようだ。
・・・
とりわけ、モドリッチの立ち位置は名人芸。時にライン間をただよい、時に最終ラインまで降りてきて、寄せ手が一歩届かない場所でボールを受けてブラジルの攻撃を鎮めてしまう。戦況を膠着させる。その「間」がそのまま、延長戦まで味方の足を長持ちさせる小休止の時間になっていた。』

[日本対クロアチア戦]
今回のワールドカップでは交代5人まで許されます。グループリーグで、日本は5人交代枠をフルに使ってきました。それに対してクロアチアは、グループリーグで交代枠をあまり使っていません。これでは選手に疲労が溜まります。アベマの解説の本田圭佑は、「この監督のやり方は信じられない」と盛んに述べていました。
日本対クロアチア戦で、日本は前半の初めから全力で走り回り、プレスをかけてボール奪取を試みました。疲労が蓄積しているだろうクロアチア選手を疲れさせ、後半で足を止めよう、という作戦と見ました。特に37歳のモドリッチについて。
ところが試合が終わってみると、延長を含めて120分、疲労による足の止まり方は、日本もクロアチアもあまり変わりませんでした。

アベマでの本田圭佑語録(日本対クロアチア戦)
前半に前田がゴールを決めたことから、、(本田)「これでハーフタイムに前田を交代させづらくなった」
実際、ハーフタイムで前田は交代せず、後半早々にクロアチアに得点を許しました。(本田)「結果として交代時期が裏目に出た。」

クロアチアの攻撃戦術は、パスをつなぐのでもなく、スペースに走り込んでパスを受けるでもなく、漫然と前方のフィールドにボールを放り込むばかりです。普通だったらワールドカップを戦うチームの戦術とは思えませんが、本田は「結果としてこれが戦術になっている。クロアチアは不思議なチームだ」との主旨の発言をしていました。
敵味方の密集の中に漫然とボールが放り込まれても、それをマイボールとすることができる個人技に裏付けられているのでしょう。上記中村憲剛の「明確なスタイルがないゆえの手札の豊富さと、アイデアを共有できる瞬発力が、クロアチアの実像を見えづらくしているようだ。」と共通の指摘のようでした。

延長戦、三苫が高速ドリブルでひとりで持ち上がり、最後は強烈なシュートで終わるまでのプレー(動画)について、(本田)「三笘さんやばいですね。これ、W杯終わったらビッグクラブでしょう」
予言が現実になりそうです。

今回WC日本戦での本田圭佑の解説は、「解説」というより「フリートーク」でした。そのフリートークの内容が、そのときの試合の流れやプレーの意味の本質を鋭くついているように感じられました。相方のアナウンサー(ゴールキーパー出身)が本田の秀逸な発言を引きだしていたし、ピッチサイドの槙野(元日本代表)との相性も良好でした。
日本は4試合で5得点を挙げました。堂安は5得点中2ゴール(ドイツ戦1点目スペイン戦)と、2つの得点に直結するクロス(スペイン戦2点目、クロアチア戦)で、得点場面では最大の立役者です。三苫は1アシスト(スペイン戦2点目)と得点に直結する南野へのパス(ドイツ戦1点目)で貢献しました。浅野は一世一代のトラップとゴール(ドイツ戦2点目)を決めました。田中碧と前田は、折り返しをきっちりゴールに決めました。
これら選手の活躍が、今回WC日本戦でのヒーローとなるわけですが、私の中では、本田圭佑の印象が最も強く残っているから不思議です。少なくとも「サッカー解説」の従来の殻を打ち破ったことは間違いなさそうです。

ところで、WCでのクロアチアですが、24年前のフランス大会、グループリーグでの日本対クロアチア戦、準決勝でのクロアチア対フランス戦、いずれも克明に記憶しています。
対日本戦では、スーケルのゴールで1対0、クロアチアの勝ちでした。中田英のクロスから中山の惜しいシュート(動画)も印象に残っています。今見ると、中田英から中山へのパスもドンピシャ、中山のトラップもぴったり、枠内に入る強烈シュートでしたが、クロアチアのキーパーが左拳一つでボールをはじきました。
このときは、日本対アルゼンチン戦もバティストゥータのゴールで1対0,クロアチアもアルゼンチンも、日本相手では省エネサッカーでした。
クロアチア対フランス戦(ハイライト動画)では、先制したのはクロアチアのスーケルでした。オフサイドにすべきところ、フランスのテュラムが自陣ゴール近くに残っていたため、オフサイドになりませんでした。するとそのあと、そのテュラムが大活躍です。ディフェンスなのに2ゴールを上げ、フランスが勝利しました。あのときテュラムに何があったのか、興味津々でした。ウィキには「準決勝のクロアチア戦において自らのミスにより先制された後、オーバーラップにより挙げた貴重な2得点(2-1で勝利)は後の語り草となっている。」と紹介されていました。また、このテュラムの息子が、今回のフランス代表メンバーに入っているとのことです。
スーケルはこの大会で得点王になりました。
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