弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

川口マーン惠美さんが「現代ビジネス」の執筆者に

2011-04-23 19:07:06 | 趣味・読書
1年前のゴールデンウィーク、私と家内がまわったのは、ベルリン、ドレスデン、プラハでした。ドレスデンの様子については「ドレスデン」に書いたとおりです。
そのドレスデンの基礎知識を得る上で、川口マーン惠美さんの「ドレスデン逍遥―華麗な文化都市の破壊と再生の物語」が役に立ちました。この本から得た知識と実際にドレスデンを旅した印象について、「ドレスデン逍遙」~ドレスデン大空襲「ドレスデン逍遙」~アウグスト強王の時代「ドレスデン逍遙」~聖母教会の3つの記事にしました。

このたび、講談社の現代ビジネスに、その川口マーン惠美さんが執筆者として登場しました。
川口マーン惠美「シュトゥットガルト通信」
『シュトゥットガルト在住の筆者が、ドイツ、EUから見た日本、世界をテーマにお送りします。』

すでに、
第1話「「放射能物質がヨーロッパまで飛んでくる」~原発事故でパニックを煽ったドイツのトンデモ報道
第2話「スモレンスク飛行機墜落事故 ポーランドを襲った「カティンの森」の第二の悲劇
第3話「スーパースターの華やかな墜落
を読むことができます。

第1話では、今回の日本の原発事故がドイツでどのように報道され、ドイツ人がどのように行動しているのかを紹介しています。とんでもないことになっているようです。
『(3月13日)ころ、ドイツでは異常な報道が始まっていた。"制御不可能となっている原発がまもなく大爆発を起こし、破滅的な大災害を引き起こす可能性"が論じられ、"放射性物質を含んだ雲が、ドイツにまで飛んでくるかもしれない"云々。』
『パニックを煽ったのは、ドイツのメディアだ。しかし、さんざん煽っておきながら、「我々の推測が現実とならないことを、祈るばかりだ」と不吉なニュースを真摯な顔で、静かに締めくくる。そうするうちに、皆、ますます不安になり、不幸な津波の被災者のことなどすっかり忘れてしまった。』

3月13日に捜索犬を連れて来日したドイツの救援隊41人は、2日後の15日に早くも活動を中止します。ドイツ大使館は17日から大阪の総領事館に引っ越し、日本にいたドイツ人の多くも出国、あるいは、関西地方に避難しました。
たまたま日本にいた惠美さんは、ドイツからの連絡で必死で即刻帰国を勧められました。
16日付けのドイツの新聞では、第1面にマスクをした日本人の写真とともに「死の不安に包まれた東京」との大見出しです。花粉症対策のマスクが、放射能対策と誤解されているのです。

被災し肉親を失っても嘆き悲しむ様子を見せない日本人についての印象も、ガラッと変わりました。
『最初のうちは、不幸に見舞われても冷静さと感謝の念を失わず、助け合い、耐え忍んでいた日本の被災者を褒め称えていたドイツメディアだったが、どうも方向転換をしたらしい。』
『ドイツ人は理解できないのだ。肉親を亡くしながらも、泣き叫ぶことをしない日本人のことが。雄弁に悲しみを語らなくても、日本人は悲しんでいる。ドイツ人とは悲しみ方が違うだけだ。しかし、それを理解せず、感情を出さないのは感情がないからだと決めつけるのは、それこそ自らの感情移入能力の欠如を暴露しているだけではないか。』

ドイツで現在の日本がそのように報道されているとは驚きです。

いずれにしろ、惠美さんのこれからのレポートを楽しみにしています。
コメント
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