弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

福島原発事故のレベルが7に

2011-04-13 00:27:49 | サイエンス・パソコン
福島原発事故、最悪のレベル7 チェルノブイリと並ぶ
『経済産業省原子力安全・保安院は12日、東京電力福島第1原発事故の深刻度を国際評価尺度(INES)の暫定評価で、最悪の「レベル7」とすると発表した。これまで放出された放射性物質の量について、保安院は37万テラベクレル(テラは1兆)、原子力安全委員会は63万テラベクレルと推定。1~3号機の全体評価として、レベル7の基準である数万テラベクレルを大きく上回ったと判断した。
原子力安全委は、相当部分は3月15日に2号機の圧力抑制プール付近で起きた爆発に伴い放出されたとみている。
原子力安全委は、福島第1原発から最大で毎時1万テラベクレルの放射性物質が放出され、数時間続いたと試算。放出量はすでに毎時1テラベクレル以下になったとみているが、原発の北西約60キロ、南南西約40キロで、3月12日~4月5日の積算外部被ばく放射線量が年間限度の1ミリシーベルトを超えるとも見積もっている。』
2011/04/12 13:52 【共同通信】

事故発生直後「4」だった評価が「5」にかわったのが3月18日です。
ところが4月12日の発表では、評価が「7」となったのは放出された累計の放射性物質量であり、その相当部分の放出は3月15日だというのです。ということは、3月18日時点ですでに「7」と評価すべきだったことになります。
何で3週間以上も遅れてやっと評価されたのでしょうか。その理由について説明する報道を見つけることはできませんでした。

そして、評価を「7」に押し上げた主原因が、2号機の格納容器損傷(3月15日)だった、ということです。これがなかったらどの程度の放出量に収まったのかはわかりませんが、返す返すも残念です。
3月15日前後の2号機については、がんばってくれ!福ちゃん!!2号機は悪い方向に向かっているで書きました。1、3号機の水素爆発の後、一番平穏に過ぎてきたと思われた2号機が最悪の事態となってしまいました。せっかく1、3号機で経験を積んだ後だったのに。

ところで、3月23日SPEEDI試算でもわかるように、放射能汚染地域は同心円状ではなく、原発の北西方向が一番、南南西方向が2番と不均一です。3月15日の放射能放出が顕著だったということは、その日の風向きで現在の放射能汚染分布が説明できるのでしょうか。
原発敷地付近での放射能強度の時間変化が、3月24日朝日朝刊に掲載されています。確かに3月15日の放射能は顕著ですね。

次に、3月15、16日の風向きを調べてみましょう。
過去天気のページから、3月15日・福島3月16日・福島のお天気実績を調べてみました。
北西の飯舘村方向に汚染が広がったときは、南東の風が吹いていたはずです。しかし15日の支配的な風向きは北北東、16日も北東か北北東ですね。ということは、15日に大量に放射性物質が放出されたときは、南西方向に運ばれたと言うことになります。
北西方向に放射能を運んだであろう南東の風が吹いた時期を特定しようとしましたが、できませんでした。
コメント (3)
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