大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2022年07月13日 | 植物

<3828>奈良県のレッドデータブックの花たち(244)ホロテンナンショウ(幌天南星)  サトイモ科

                    

[学名] Arisaema cucullatum

[奈良県のカテゴリー]  絶滅寸前種、注目種(環境省:絶滅危惧ⅠA類・国内希少野生動植物)

[特徴] 深山の林内に生える多年草で、草丈は40センチ前後とテンナンショウ属の仲間の中では小形である。地中の球茎から地上に立ち上がる偽茎が普通葉柄とほぼ同長で、花茎はごく短く、仏炎苞は葉より下側につく。葉は1個が普通で、先の尖った披針形乃至は長楕円形の小葉が鳥足状に7~10数個つく。

 雌雄異株で、花期は4~5月。仏炎苞は筒部が淡緑色、舷部が濃紫褐色に太い白条が4~5本入り、縞状になる。舷部の先は尾状に長く伸び、先は垂れる。この舷部と筒部の開口の縁が内側に湾曲し、幌状になる特徴によりこの名がある。仏炎苞の中にある肉穂花序の付属体は緑白色の細い棒状で、外からは見え難い。実は赤熟する。

[分布] 日本の固有種。紀伊半島の奈良県、三重県、和歌山県。

[県内分布] 五條市、天川村、上北山村の大峰山系。

[記事] 奈良県のレッドデータブックによると、「自生地も個体数も少なく、園芸用採取も多い」という。また、「基準標本産地が天川村であることから注目種に指定した」とある。  写真は花期のホロテンナンショウ。左は横から、右は真上からの撮影。

   生きものは

   役割を担い

   生きている


最新の画像もっと見る

コメントを投稿