<3840> 写俳二百句(153) スイカ
スイカとは西瓜なれども水瓜なり
真夏の果物と言えば、スイカがある。原産地は熱帯アフリカ方面。中国では「西からやって来たウリ」という意によって西瓜(さいか)と名づけられ、この漢名西瓜(さいか)が訛ってスイカになったと和名の由来にある。日本への渡来は中国経由らしく、江戸の寛永年間と言われるが、定かでない。
スイカは大玉、小玉さまざま、二つに割ってみると、赤色や黄色の滴るような瑞々しい果肉が目を引く。英名にwater melonとあるように果肉に水分が豊富で、99・5%とか。夏場の果物として最適である。で、その語源を水瓜とする考えもあるようで、水瓜も当を得ているように思える。
大和地方は昔からスイカの産地として知られ、種の生産量は他府県の追随を許さず、大和スイカのブランド名で、全国に広く行き渡っていると聞く。それにしても水分量99・5%とは驚きである。この豊富な水分量とシトルリンという成分を含み、昔からスイカには利尿作用があるとして、腎臓を患っている人には絶好の果物のようである。
私は子供のころからこのスイカをよく食べ、好きだったが、これについては慢性の腎臓病を患っていた祖母との関係で、母が率先して祖母をはじめ、よく食べさせてくれたからである。もちろん、母も大好きな果物だった。夏の盛りのころになると、土間の片隅にはナンキンやマクワウリなどとともにスイカも置かれていた。ということで、スイカは西瓜なれども、私の中ではむしろ水瓜のイメージにある。 写真は盆に載せられたスイカ。
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