<3844> 写俳二百句(155) 蝉時雨
蝉時雨命を張ってゐるものら
このところ朝になるとクマゼミが一斉に鳴く。その鳴き声は驟雨のごとく、誰が名づけたか、「蝉時雨」。セミは腹部の鼓膜を強い筋力によって振動させ、それを音にして発する。これを鳴くと表現するが、鳴くのはオスばかり。メスへのアピールである。即ち、生殖の一端、自らの子孫を残すための手段である。
蝉時雨は自然の成り行きの一端として俳句にも取り上げられるが、クマゼミには短い間ながら懸命である。思えば、涙ぐましい光景ではある。 写真は木の幹にとまって鳴き立てるクマゼミ。
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