<1789> 余聞・余話 「植物の分類について(1・勉強ノートより)」
生きものは自然の秩序とバランスのもとにみなそれぞれにあるなり
まず、植物は生物に当たる。生物は以下のごとく5界に分けられる。植物は葉緑素をもち、光合成を行ない、酸素を放出する生物と定義づけられている。寄生植物や腐生植物は二次的要因によって葉緑素を失った植物であり例外に当たるが、以上のような定義による。要するに、葉緑素による光合成が植物の必要条件としてある。この点からして、植物は5界のうち植物界のみならず、原核生物界、原生生物界にもわたるとされている。
1、原核生物界=藍色藻類、原核緑藻類
2、原生生物界=灰色藻類、紅色藻類、クリプト藻類、黄色藻類、ハプト藻類、渦鞭毛藻類、ミドリムシ藻類、クロララクニオン藻類、緑色藻類
3、菌界
4、植物界
5、動物界
つまり、1、2の藻類を植物と置き換えて呼んでもよいという。ただし、植物は植物界に属する有胚植物のみとする見解や、1、2の藻類は葉緑体の構造の違いから別の界として独立させる説も出ている。では、次に植物界の階級による分類を見てみたいと思う。最上位の分類群が界であり、次のようになっている。ヤマザクラを例に見ると次のようになる。
界 (亜界) 植物界 (有胚植物亜界)
門 (亜門) 被子植物(モクレン)門
綱 (亜綱) 双子葉植物(モクレン)綱 (バラ亜綱)
目 (亜目) バラ目 (バラ亜目)
科 (亜科) バラ科 (サクラ亜科)
連 (亜連) サクラ連
属 (亜属) サクラ属 (サクラ亜属)
節 (亜節) サクラ節
列 (亜列)
種 (亜種) ヤマザクラ
変種 (亜変種)
品種 (亜品種) ウスゲヤマザクラ
「現生のわかっている植物種は必ずいずれかの属、科、目、綱、門、界に属し、学名が与えられている。そのほかの階級は、必要に応じて用いられる」(『植物用語事典』清水建美著)という。種名には命名者を付記するようになっている。例えば、日本の固有種であり、日本人の手によって記載された最初の植物として知られるアカネ科(旧ヤマトグサ科)の和名ヤマトグサ(大和草)の学名は発見者とその協力者である牧野富太郎と大久保三郎の名が付記されている。つまり、ヤマトグサの学名は「Theligonum japonica(Okubo et Makino)」となっている。なお、「大和の花」における分類は『山渓ハンディ図鑑』を主に参考にしている。 写真はカットで、ヤマザクラ(左・天川村)とヤマトグサ(右・金剛山)。
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