<2997> 大和の花 (1018) サンシュユ (山茱萸) ミズキ科 ミズキ属
中国から朝鮮半島原産の落葉小高木で、高さは5メートルほどになる。日本には江戸時代の中ごろ薬用として実が持ち込まれ、広まった。現在は公園などに花木として植えられていることが多い。樹皮は淡黒褐色で、薄く不規則に剥がれ、枝が斜め上に向かって伸びる特徴がある。
葉は長さが4センチから12センチほどの広卵形乃至は卵状広楕円形で、先が尾状に鋭く尖り、縁に鋸歯はなく、側脈が4対から7対あり、目につく。裏面には白い伏毛が生え、ごく短い柄を有し、枝先に集まって互生する。
花期は3月から4月ごろで、葉の展開前に開花する。短い枝の先に直径2、3センチの散形花序を出し、黄色の小さな花を多数つける。花は総苞片、花弁、雄しべとも4個で、雌しべは1個。花弁は先が尖り、反り返る。核果の実は長さが2センチ弱の楕円形で、秋に赤く熟す。
サンシュユの名は漢名の山茱萸の音読みによる。別名の春黄金花(はるこがねばな)は牧野富太郎によると言われる。英名はJapanese cornelian-cherry。果実を果実酒に。漢方では乾燥した果肉を山茱萸と称し、解熱や強壮薬に用いる。材は緻密で堅く、細工物にする。また、公園樹として人気があり、切り花用に植栽される。 写真は花期のサンシュユ。 目白来て華やぎ増せる花の時