<2985> 余聞 余話 「コゲラの巣作り」
生の旗掲げ行けるに翩翻とありてはためく日差しの季節
今回も馬見丘陵公園の話題。広い園内はいよいよ春本番。そこここに草木の花が咲き始めたことは前回の項で触れたが、この項では、昨年と同様、園内の雑木林(自然林)で、キツツキ科の仲間であるコゲラが巣作りを始めたことについて。
幹の太さが直径三十センチほど、モチノキ科のクロガネモチか。幹頂が折れて枝が張り出し高く広がっている常緑の木の根元から高さが七メートルほどの幹に直径六、七センチの丸い横向きの穴を開けている。巣は何度か、場所変えをしているようで、その形跡と思われる小さな穴が周囲数か所に見て取れる。
巣を作っているのは雌雄のペアで、五、六分間隔で交代しながらせっせと続けているのが見られた。幹を突くときは「コンコンコン」と大きな音を響かせるので巣作りしているとすぐにわかる。突いて掘っては木屑を穴から放り出し、見る見る内に円形の穴を深くして行った。巣は2、3日で完成するはずである。
昨年は掘り切って巣の中に入ったが、居心地がよくなかったのか、巣は放棄され、子育てをする様子は見られなかった。今年はどうだろうか。昨年はナラ枯れの被害が発生し、枯れたコナラの伐採が行われ、周囲の環境が一変したので、これが子育てに及べなかった原因だったかも知れない。今年はどのように運ぶだろうか、ペアは元気そのものに見えた。
写真は左から巣穴を掘るコゲラのオス、交代するオス(上)とメス(下)、穴を掘るメス、交代するメス(飛んでいる方)とオス。