<1526> ナラ枯れの被害
春の声 そこここ小楢 林かな
奈良県北葛城郡広陵町の県立馬見丘陵公園ではコナラが枯れるナラ枯れの被害が発生し、このほど被害に遭ったコナラの木二十数本を伐採し、ナラ枯れが広がらないように、切り株に薬剤を施し、ビニールシートを被せた。園内南側の古墳が多く点在する自然を生かしたコナラ林の一角で、高さが二十メートルほどの成木が揃っている辺り。
ナラ枯れは以前にも触れたが、ブナ科のカシやコナラの幹の中にカシナガと呼ばれるカシノナガキクイムシが入り込み、ナラ菌を媒介して、この菌の繁殖にともない、木地が細分化され、その木屑が菌糸とともに幹の道管を詰まらせ、水分の補給が出来なくなるため、枯死するというもの。
ナラ枯れは、全国的に発生し、1980年代にピークを迎えたが、奈良県では五年ほど前から北部に当たる奈良市郊外の山で、被害が拡大し、その後も矢田丘陵や生駒山系の山々に広がりを見せていた。大和平野のほぼ中央に位置する馬見丘陵公園にも飛火し、被害が起きた。明日五日は啓蟄だが、虫の活発に動く季節を前に、ナ処置を施したもの。 写真はビニールシートで被われたナラ枯れのため伐採されたコナラの株。