遊木民のアトリエ

現在は農業・木工業
                           

熱燻の材料と方法

2005-08-07 | 燻製の部屋


 今回ご紹介する燻煙方法は、80℃~150℃の高温で燻煙する熱燻です。
キャンプなどのアウトドアで良く行われますし、料理の手法としても使われます。
 使う材料は、古い鍋、熱源としてのコンロ、食材をのせる金網です。

 当方では使わなくなった無水鍋とキャンプ用のガスのツーバーナーを使っています。鍋は直接鍋の中で燻煙材を燻しますので、古くなって使わなくなった鍋があるとよいでしょう。もちろんダッチオーブンがあれば最高です。




 鍋の底に燻煙用のチップを敷きます、途中で追加できませんので多めに敷きます。
 今回は、リンゴのチップを使いました、魚、肉何にでも合い、マイルドに仕上がります。
 


 チップの上にアルミホイルを敷きます。これは食材からの水滴や油がチップに当たらないようにするためです。油がたれると油煙が出て煤けてしまいます。

 その上に食材をのせる金網を置きますが、浮かせて置いた方が良いでしょう。
これは、食材への熱の当たりを柔らかくするためです。

 当方では四角い金網の4角を内側に曲げて置き、それを台にして食材をのせる
丸い金網を置いています。



下味をつけた食材をのせます。

今回は手羽先、豚の軟骨、カツオのハラスです。

 下ごしらえは、通常のオーブン料理、焼き魚等と同じで結構です。

 温燻と同じく塩漬した方が中まで味がしみこむのですが、アウトドアで手軽にとの趣旨から、直接調味料をすりこみました。

 手羽、豚軟骨には軽く塩コショウを擦り込み、カツオのハラスには降塩し、30分後に表面の水分をペーパータオルで拭いセットしました。



 コンロに着火し最初は、煙が出るまで強火で加熱します、蓋に隙間を作り水分を逃がすようにします。

 煙が出始めたなら、中火から弱火におとし、蓋を閉めて燻煙します。
途中何回か蓋に隙間を作り、水分を逃がします。

 食材の大きさ(火の通り具合)により燻煙時間が異なります。通常のオーブン料理の2倍を目安に調整して下さい。

 温度計があれば便利です、今回は120℃で20分燻煙しました。



 燻煙終了です、温度が高い熱燻では短時間で色がつきます。
中まで完全に火が通っていることを確認して下さい。
通りが浅い場合は、蓋をして再度蒸し焼き(チップは入れない)してください。



 熱燻はオーブン料理(蒸し焼き)と燻製を同時に行うものです、熱々でも美味しいです。

 以上熱燻の方法をご紹介しました。

 熱燻がアウトドアで行われる理由はいくつかあります。

 1)燻煙器等の専用器具がいらない、燻煙用の鍋だけでできる。
 2)燻煙の過程で食材に完全に火が通ることで、殺菌され食中毒の危険が少ない。
 3)下ごしらえが無くても可能。
 4)魚、肉の料理として使える(嗜好品にとどまらない)。

 従って、材料は何でも使えます、鴨の胸肉、ラムチョップ、の高級品から、鶏もも、アジ、サンマ、などの魚、豚のレバー、魚の干物まで、色々工夫して下さい。

 以下に以前当方で行った画像をアップしました。
 

 
 甘塩のシャケのハラスの部分です、脂がのって美味しいところです。



 カツオのヘソ、(当方ではカツオのホシ)心臓です。



 心臓を開き塩をふって血抜きします。



 竹串に刺して、形を整えます。



 完成です。

 ビールに最高のつまみです。

 燻製え~~て楽しく、美味しい物ですね~~~。

 本番前に一度試作をお勧めします。

 質問はこのコーナーでお受けします、当方の知識の範囲内でお答えします。

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