山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

Ⅰ.旅車の取り扱い方:5.旅車のマナーについて

2007-03-03 00:08:22 | くるま旅くらしの話

 簡単にマナーという言葉が使われますが、マナーとは何なのでしょうか?マナーには二つの意味があって、①行儀作法②態度、がそれに該当するようです。①については一般的なこととして理解できますが、②の方は言葉では解ってもその中身となると解りにくいような気がします。私は、旅車のマナーといった場合は、①ではなく、②の態度のことを指すのだと思っています。少し理屈が過ぎるかもしれませんが、広辞苑によれば、態度について「状況に対応して自己の感情や意思を外形に表したもの。表情・身ぶり・言葉つきなど。また、事に処する構え・考え方・行動傾向をも指す」というように説明されています。

 旅車のマナーというのは、車そのものではなく、車を運転する者や同乗者の態度を指しているのは明らかです。どんなに立派な車でも、それを使う人の態度が世に受け入れられないようなものであれば、車は生かされず、周囲に不愉快なストレスを撒き散らすだけです。マナーについては、この後もいろいろな場面で触れることになると思いますが、旅くらしの中ではとても大切な要素となりますので、各人がしっかりと心の中にその考え方を確立させ、厳しく励行する必要があります。

 旅車は図体も大きく、走っていても停まっていても、必ずしも一般の方から歓迎されているとは限りません。中を覗いてみたいという興味関心は多分にあるでしょうけれども、車としては道路や駐車場では場所を取りますし、たくさんあって欲しい車ではないと考えるのが妥当です。マナーの第一は、自分の車が、世間一般では自分自身が考えているよりも遙かに厳しい目で見られていると認知・自覚することだと思います。マナーは態度であると考える時大切なのは、自分の車に対する世間の見方を正しく受け止め、認めた上で、謙虚に行動することではないでしょうか。どうだ、いい車だろう、などとふんぞり返ったり、心のどこかで優越感に酔っているような態度では、世間の評判は悪くなるばかりです。思い上がりは禁物です。まず、マナーの第一は、これを心しておくことです。

 さて、具体的なマナーの心得として、私は次の4点を取り上げ、強調したいと思います。

⑴現地、地元優先と挨拶の励行

 くるま旅の訪問先は、旅をする者にとっては初めての地であったり、一時的な通過地点であったりするわけですが、そこに住み、働く人たちにとっては、大切な地元です。このような当たり前のことを、旅に出るとつい浮いた気分になって忘れてしまいがちです。その結果自分に甘え、地元の人から見れば不愉快な行為をしてしまうということになりかねません。このくらいは良いだろうと、普段家にいるときはやらないようなことをしててしまう、例えば、ゴミ捨てなどがその一つかも知れません。「旅の恥は掻き捨て」は絶対に許されないということを自分自身に誓うべきです。

 旅くらしのマナーの基本精神として、現地、地元優先の発想を取り上げたいと思います。そして、それを形に表した基本行動が、挨拶の励行だと思います。人と人とのコミュニケーションの端緒は挨拶にあります。難しい理屈よりも、単純に「おはようございます」「こんにちわ」「こんばんわ」の一言が人と人とを結びつける第一歩となるのは明らかです。地元を大切に考えるのなら、地元の人たちに知らんぷりするのではなく、とにかく挨拶の声をかけることが何より大切に思います。

 何だか、小学生の子ども達に言っている様な感じですが、地元の小学生や中学生などに挨拶をされることがあり、思わず嬉しくなってしまうのですが、その一方で、大人になるにつれて挨拶の出来なくなる人間が多くなるのは何故なのだろうと疑問を覚えずには居られません。今更挨拶の励行なんぞ!と思われるかもしれませんが、子どもにそれを教えている側の大人が、子ども以下の行為しか出来ないことを、大いに反省すべきではないかと思うのです。

⑵騒音に対する常なる配慮を

 次に騒音について取り上げたいと思います。くるま旅くらしの中で、最も迷惑を覚えるのはこの騒音の問題です。車のエンジン音や発電機の音は、時と場所によっては、近隣にかなりの迷惑を及ぼし、ストレスを発生させます。時には、騒音が元でのトラブルが発生することも珍しくありません。その原因は、騒音の発生源側の無神経な行為によることが殆どでしょう。TPOをわきまえることができない者の騒音は真に困ったもので、このような人はくるま旅の資格も運転者の資格も無いのではないかと私は思っています。

 それにも拘らずこのような不心得者は案外と多いのです。今の世の乱れを象徴しているように思われて仕方がありません。夜間のエンジン掛けっ放しや深夜遅くまでの発電機の騒音などが代表的なものですが、エンジンの掛けっ放しはトラックに多く、エンジンを切っている車を探すのが難しいくらいです。夏場では冷房などのためか、旅車でも、混み合った駐車場の中で、エンジンを終夜掛けっ放しの車に出会うことがあります。クーラーなどの場合は、騒音が断続的になり、最悪の安眠妨害です。

 それから深夜の人声も大いなる迷惑騒音です。道の駅などに泊っていると、深夜立ち寄った車から出た人が、大声で話をしたり笑い声を上げたりしているのを聞くと、堪忍袋の緒が切れそうになります。当人たちは何の疑問も覚えないのでしょうが、慣れない旅くらしの夜の折角の眠りを邪魔された者の怒りは、なかなか抑えることが出来ません。道の駅が宿泊施設ではないということでは、文句を言える筋合いではないのでしょうが、せめて自分自身は決して加害者の立場になるような行為はすべきでないと考えます。この他、ドアの開閉音、靴音、ラジオやTVの音声などなど、音の出るものに関しては、須らく要注意です。エンジンをかけるのも発電機を回すのも、その他あらゆる音の発生源については、TPO(時、所、状況)をわきまえた上で慎重に使い分けるようにしたいものです。

⑶排出物の適切な処理を

 生き物や生活体の全ては、それが個であろうと集団であろうと、必ずエネルギー源とそれに付帯するものをインプットし、それを使った後で排泄・廃棄して生きています。インプットに関してはマナー上問題になるケースはそれ程多くはないと思いますが、アウトプットの方は問題が多いといわざるを得ません。その第一がゴミ処理の問題でありましょう。ゴミ処理の問題については、先のブログでも一度取り上げていますが、何と言っても、運転中の車から投げ捨てたり、ゴミ箱でもない所に置き捨てをしたりなどは絶対許されません。厳禁です。心ある旅車の人には無用の心配ですが、それでも念を押させて頂きます。

 ゴミ処理については、基本は溜めないでこまめに処理することだと思います。たくさん溜めると、一度に出すのが難しくなりますが、少しずつならば、出しやすくなります。尚、ゴミを捨てる箇所が無い場合は、一時保管として専用のバケツやゴミ箱を車に備えておくのもマナーの一つだと思います。

 次にトイレの処理ですが、ブラックタンクは別として、カセットトイレやポータブルトイレの場合は、道の駅他の一般公衆トイレに流し、必ず洗浄の水をキチンと流すように心がけることが大切です。キチンと流さない人がいるため、公衆トイレに流してもらっては困るというクレームが出ているところもありますが、これなど心ない人の行為が、地元に誤解を招いている例だと思います。一般的に旅車備え付けのトイレは小のみで、大の方は公衆トイレにて用を済ますのが普通のようです。

 私の場合は、ゴミ捨ては常にこまめに行なうようにしており、コンビニなどのゴミ箱も利用させてもらっています。コンビにでも一度に大量に出すと迷惑をかけることになりますので、要注意です。尚、捨てる場所が無い場合は、一時保管として備え付けのゴミ箱に保管するようにし、キャンプ場に泊った時、所定のゴミ処理要領に従うようにしています。トイレについては、夜間外部のトイレを利用するのは大変なので、小のほうは全て車のカセットトイレを使うようにし、出発前に必ず近くの公衆トイレにて処理するようにしています。

⑷運転中は謙譲の精神を発揮

 運転中のマナーとしては、これは一般の車を運転する時と同じように、謙譲の精神即ち譲る気持ちが大切だと思います。旅車は図体が大きいし、普通車と比べれば取り回しも面倒です。そのことを自覚した上で運転するとすれば、これはもう謙譲の精神を発揮するしかありません。そこどけ!そこどけ!ではなく、お先にどうぞ!とやるしかありません。長い坂道などでは、駐車帯を見つけたら後続に先を譲るのも心がけの一つだと思います。

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