Vision&Education

木村貴志の徒然なるままの日記です。

子どもの暴力事件の多発に思う

2010年09月15日 | Weblog
子どもたちの暴力事件が、
ここ数年、連続して増加しています。

「コミュニケーション能力が不足し、感情を抑えられない子が増えている」

というのが文部科学省の見解ですが、誠にその通りだと思います。

ただ、問題は「どうするか」ということだけです。

今、子どもたちにとって必要なのは、
一人の人間としてしっかり向き合ってくれる大人の存在だと思います。

家庭の中でも親の忙しさのために、
あるいは、
親が大人になれておらず、その身勝手さゆえに、
しっかりと向き合ってもらえない子どもたちが大勢いると思います。

一方、学校は学校で、多くの子どもたちを一斉に教育する場ですから、
当然、一人一人と向き合う時間は限られています。

結局、多くの子どもたちが
大人に真正面から向き合ってもらえない状況が
生まれてきたのではないでしょうか。

べたべたと甘やかすのが向き合うことではありません。
当然、大人としての見識や品位が求められてきます。
大人の生きる哲学が求められているといっても過言ではない。


また、
「個に対する教育」と「集団に対する教育」が
混乱していることも大きな問題だと思います。

「個」に向き合うだけでは、集団統率などできません。
逆に、「集団」としてとらえるだけでは「個」が見えてきません。

マナー教育なども、
「個」に対して行えば素敵で有効な指導が、
「集団」で行えば不気味な姿になることはいくらでもあります。

要は、その匙加減が出来る感性を、
教師や親がしっかりともっているかどうかだと思います。

おそらく、今回のニュースをきっかけとして、
家庭や学校で「躾教育の見直し」を「もっと厳しい指導を」
という声が大きくなることでしょう。

しかし、それでは問題は解決しないと思います。
対処療法ではなく、二手先、三手先を読めば、
「子どもを可愛がる」という選択肢や、
「子どもを信じる」という選択肢が大切な意味を持つはずです。
結果的に行動の変化をもたらすためには、
真っ直ぐなボールを投げることが必ずしも正解ではないのです。

そのことの意味を分かって下さる大人が、
一人でも多くなることを祈りつつ、
私もまた人材育成に全力で立ち向かっていこうと思います。
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