Vision&Education

木村貴志の徒然なるままの日記です。

V&Eメルマガ9月号「先人の言葉に学ぶ」より

2019年09月12日 | Weblog
「富貴安楽は順境なり。貧賤艱難は逆境なり。 境の順なる者は怠り易く、境の逆なる者は励み易し。 怠れば則ち失ひ、励めば則ち得るは、 是人の常なり。」(『講孟箚記』・吉田松陰)

「富を得、高い位にあること、安楽であることは、順境といえる。貧しく低い地位にあること、艱難辛苦に直面することは逆境だといえる。「順境」の人は怠けやすく、「逆境」の人は励みやすい。怠ければ失い、励めば得る。これは人の常である。」

吉田松陰のこの言葉は、人間の心の在り方を的確に捉えたものだと思います。橋本左内は『啓発録』で、志を立てるのに、「1.読書、2.師友、3.逆境、4.感激」、の四つが大切であると書き記しましたが、「逆境」の持つ意味を端的に言い表しているのが、この吉田松陰の『講孟箚記』の言葉だと思います。

「逆境・順境」ということに関しては、経営の神様と言われた松下幸之助氏が次のような言葉を残しています。「逆境-それはその人に与えられた尊い試練であり、この境涯にきたえられてきた人はまことに強靭である。古来、偉大なる人は、逆境にもまれながらも、不屈の精神で生き抜いた経験を数多く持っている。まことに逆境は尊い。だが、これを尊ぶあまりに、これにとらわれ、逆境でなければ人間が完成しないと思い込むことは、一種の偏見ではなかろうか。逆境は尊い。しかしまた順境も尊い。要は逆境であれ、順境であれ、その与えられた境涯に素直に生きることである。謙虚の心を忘れぬことである。素直さを失ったとき、逆境は卑屈を生み、順境は自惚を生む。逆境、順境そのいずれをも問わぬ。それはそのときのその人に与えられた一つの運命である。ただその境涯に素直に生きるがよい。」(『道をひらく』・松下幸之助)

実に深く「順境・逆境」について語られています。私は、人として大切なことは、既に先人たちによって、言い尽くされているのだと思っています。自分が考えついたと思ったことなど、既に言い尽くされているのです。だから、ひたすら謙虚に先人の言葉に耳を傾けなければならないと思います。(志)

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