Vision&Education

木村貴志の徒然なるままの日記です。

命の大切さの教育

2009年04月08日 | Weblog

命を粗末にする若者が増えている。
そこで、「生命尊重の教育」をということが叫ばれている。

しかし、私は、「生命を尊重する感覚」を身につけるためには、
「生命を捨てる覚悟を持つ感覚」をこそ、
体感してもらう必要があるのではないかと思う。

一見矛盾しているようだが、
例えば私たちは、
落としても割れない大量生産したプラスチックの茶碗より、
陶芸家が心血を注いで創った二つと無い茶碗を大切に扱う。

それは、割れてしまえば修復は出来ないし、
同じものを二度と手に入れることができないということを
誰もが知悉しているからであろう。

一回性のかけがえのないものであるという自覚があるからこそ、
人はその器を大切にする。

今、大人は子どもたちを
大量生産のプラスチックの器のように見てはいないか。

いや、それよりも、
自分自身をそう見てはいないか。

大人自身が、一回きりの人生にどれだけ挑み、
人生の儚さという壁に果敢にぶつかったり、
希望を失わせる「虚無感」という大きな敵に、
正面から立ち向かおうとしているのだろうか。

人は命がけで何かをやろうとする中で、
はじめて、命の儚さに気付き、
同時に、命のかけがえのなさに気がついていくのではないか。

そして、その姿にかけがえのなさを感じたときに、
子どもたちは命の大切さということを
初めて実感できるのではないだろうか。

「今は命を大切にすることより、
酒でも遊びでも恋愛でも良い、
命がけで何かを実行してみることだ。
その時初めて命の尊さと、
この世のはかなさを実感することだろう」(白洲正子)

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