東京多摩借地借家人組合

アパート・賃貸マンション、店舗、事務所等の賃貸のトラブルのご相談を受付けます。

地上げ屋による立退き交渉は弁護士法違反か

2009年08月12日 | 明渡しと地上げ問題
 昨年、建設・不動産業者のスルガコーポレーションが所有していたビルの立退き交渉で大阪の不動産会社などが弁護士法違反で逮捕され、最近不動産業者も戦々恐々となっています。最近、組合事務所に賃貸マンションの明渡し交渉で来た業者は「立退き拒否でしたら私達は手を引きます。最近、弁護士さんが代理人で出てくると非弁活動といわれるので困るんです」といっていました。

 この弁護士法第72条「非弁行為」とは何か、住宅新報社のセミナー講師の弁護士秋野卓生弁護士の説明によると、非弁行為とは弁護士でない者が報酬を得る目的で、「法律事件」に関して「法律事務」を行なうこと、またはそのあっせん(仲介)をすることを業として行なうこと(弁護士法72条)とされています。

 非弁行為とみなされるためには4つの要件が必要であるとの指摘がありました。一つは、当事者から依頼内容が法律事件であること。法律事件とは、法律上の権利・義務に関する紛争という解釈が一般的だが、紛争になっていなくても新たな権利義務が発生する案件すべてを指すという説もあるようです。

 二つ目は法律事務を行なうこと。法律事務とは法律事件について、法律上の効果を発生または変更させる事項の処理をすることです。組合事務所に明渡し交渉に来た地上げ屋業者は賃借人が明渡しに反対しているのに明渡し交渉すると、この法律事務や法律事件になってしまいます。とにかく、賃借人と立退き料の話し合いを円満に行なえば非弁行為と相手側から訴えられないと考えたようだ。

 3つ目は、報酬を得る目的があるかどうか。そういう意図が無く、報酬を得ていなければ弁護士法違反にはならないと。報酬を得る目的で行なった場合は、現実にまだ報酬を得ていなくても非弁行為の構成要件となるといわれています。地上げ屋、事件屋とよばれる業者で報酬を目的としていないものはなく、ボランティアでやらない限り全て非弁活動となってしまいます。地上げ屋の撃退には交渉に応じないで明渡しには断固反対することが有効といえそうです。


借地借家の賃貸トラブルのご相談は

東京多摩借地借家人組合まで

一人で悩まず  042(526)1094 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 住宅生協が8月29日に住ま... | トップ | 定期借家制度に反対する全国... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

明渡しと地上げ問題」カテゴリの最新記事