東京多摩借地借家人組合

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借家から排除される高齢者 国の検討会は賃借人への支援が不十分

2023年11月17日 | 住宅セーフティネット
 高齢者の賃貸住宅の入居拒否問題が社会問題になっています。高齢者や障がい者に対する賃貸人の入居拒否感は約7割に達し、入居を拒否する理由として「居室内での死亡事故等に対する不安」が約9割に達しています。住宅セーフティネット法が2017年に改正され、高齢者や障害者など住宅確保要配慮者向けのセーフティネット住宅は86万戸登録されたものの、空家は2・3%、家賃低廉化補助のある専用住宅は5357戸と登録住宅の0・6%しかありません。

 住宅のセーフティネットが機能しない中で、住宅確保要配慮者に対する居住支援機能等のあり方に間する検討会が国交省、厚労省・法務省の三省で本年7月から開催され、これまでの議論の整理(中間とりまとめ)を発表し、10月20日までに①住宅確保要配慮者のニーズに対応した住宅を確保しやすくする方策、②住宅確保要配慮者が円滑で入居でき、かつ適切な支援につなげるための方策、③入居後の生活支援まで含めた、住宅確保要配慮に対する居住支援、④大家が安心して貸せる環境整備のあり方の以上4項目について国民から意見を求めています。

 検討会の方向性は、大家が安心して貸せる環境整備であり、孤独死や残置物処理等の不安軽減に資する、緊急連絡先の確保や家賃債務保証を利用しやすくする環境整備という視点が打ち出され、賃貸人への支援が重視され、賃借人への支援は不十分です。

 高齢者・障がい者、低所得者などの入居を拒まないセーフティネット登録住宅ですが、実際は家賃保証業者の審査が必要であり、より困窮度が高い人ほど保証業者の審査が通らなかったり、入居が拒否されています。また、保証業者による滞納家賃の悪質な取立て行為や原状回復費が勝手に銀行口座から引き落とされる等の問題が起きています。検討会において保証業者の法規制等の問題の議論が必要です。(全国借地借家人新聞より)


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