7/28の朝日新聞夕刊に、先日亡くなられた鶴見俊輔さんの追悼記事が載っていました。追悼文を寄せた歴史社会学者の小熊英二さんは、鶴見さんの優等生嫌いについて触れています。『鶴見は「優等生」を嫌った。優等生は、先生が期待する答案を書くのがうまい。先生が変われば、まったく違う答案を書く。教師が正しいと教えた「枠組み」に従う』この文章を読むと、最近不正が発覚した東芝のことが頭をよぎります。そもそも論として利益を水増ししていいのかといった点には目を向けず、「チャレンジ」、「真水」、「C/O(キャリー・オーバー)などの言葉の下、いかに手際よく数字を作れるかに手腕を発揮した人たちは、紛れもなく鶴見さんの言う「優等生」なのだろうと思います。また、マックス・ヴェーバーの言う「精神のない専門人」とも重なってくるだろうと思います。褒められたい、あるいは叱られたくない、そういった気持が強いあまり、「枠組み」自体について考えなくなることがあってはなりません。「枠組み」の意味を不断に問い、褒められなくても自分の考えを述べる、それが鶴見さんの精神を絶やさないことにつながると思います。
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