『韓国における情報化と縁故主義の変容』より
オンラインコミュニティと社会関係資本との関係についてこれまでの先行研究を考察する。オンラインコミュニティと社会関係資本との関係について直接的に触れた研究はさほど多くないが,主にオンラインコミュニティヘの参加が人々のソーシャル・ネットワークを縮小させるのか,拡大させるのかという影響面に焦点が絞られてきた。例えば, Krautら及びNie & Erbringは,インターネット利用によって日常生活における対面コミュニケーションが減少し,抑うつ感と孤独感を高め,精神面での健康に負の影響を及ぼしていると主張した。この研究成果は,比較的インターネット普及初期のものであり,インターネット利用時間が日常生活上における対面コミュニケーションの時間を剥奪したためであると推察される。一方,インターネットが他者とのコミュニケーションという動機をもって利用される場合,社会関係資本を高める効果があるという主張もある。Wellmanは,インターネット利用のうち,特にEメールの利用に注目して,電話・対面コミュニケーションの利用頻度との間に正の相関関係があることを提示し,オンライン上でのコミュニケーションが主に身近な人々間で行われており生活満足感と深く関係していることを明らかにしている。
オンラインコミュニティは,構造的には誰でも参加できる開放性の高いコミュニケーションツールであるが,しかし,必ずしも新しいソーシャル・ネットワークを形成するツールとして頻繁に用いられるわけではない。インターネットの利用を通じて新しい友人・知人の生成の経験を持っている人はそれほど多くなく,例えば,宮田の分析結果によれば,新しい人間関係生成の経験を持った人はネット利用者の6.8%に過ぎない。つまり,オンラインコミュニティにおける人間関係は,趣味・関心および態度の類似性によってつながる弱い絆が強調されてきたが,ほとんどのオンラインコミュニティにおけるコミュニケーションは普段良く会う,もともと知っている人々との紐帯を維持するために機能する場合が多い。
「新たな人間関係の形成・拡張」機能としてオンラインコミュニティの機能を捉える場合,現実世界におけるソーシャル・ネットワークでは「つながっていない」社会関係を生成し維持するツールとしてオンラインコミュニティが定義され,現実世界での社会関係の拡張機能を果たす。一方,後者の場合は,もともと「つながっている」ソーシャル・ネットワーク自体を管理し緊密化していくツールとして機能し,現実世界での社会関係の補完機能を果たす。これが,オンラインコミュニティにおけるソーシャル・ネットワークの大半を占めているわけである。
以上の先行研究におけるオンラインコミュニティの機能をまとめると,強い紐帯を強化し,同質性の高い資源を蓄積するという結束ネットワーク型社会関係資本と,弱い紐帯を拡大し多様性の高い資源を保有する橋渡しネットワーク型社会関係資本のどちらも形成することが可能であるメディアであることが指摘できる。
オンラインコミュニティと社会関係資本との関係についてこれまでの先行研究を考察する。オンラインコミュニティと社会関係資本との関係について直接的に触れた研究はさほど多くないが,主にオンラインコミュニティヘの参加が人々のソーシャル・ネットワークを縮小させるのか,拡大させるのかという影響面に焦点が絞られてきた。例えば, Krautら及びNie & Erbringは,インターネット利用によって日常生活における対面コミュニケーションが減少し,抑うつ感と孤独感を高め,精神面での健康に負の影響を及ぼしていると主張した。この研究成果は,比較的インターネット普及初期のものであり,インターネット利用時間が日常生活上における対面コミュニケーションの時間を剥奪したためであると推察される。一方,インターネットが他者とのコミュニケーションという動機をもって利用される場合,社会関係資本を高める効果があるという主張もある。Wellmanは,インターネット利用のうち,特にEメールの利用に注目して,電話・対面コミュニケーションの利用頻度との間に正の相関関係があることを提示し,オンライン上でのコミュニケーションが主に身近な人々間で行われており生活満足感と深く関係していることを明らかにしている。
オンラインコミュニティは,構造的には誰でも参加できる開放性の高いコミュニケーションツールであるが,しかし,必ずしも新しいソーシャル・ネットワークを形成するツールとして頻繁に用いられるわけではない。インターネットの利用を通じて新しい友人・知人の生成の経験を持っている人はそれほど多くなく,例えば,宮田の分析結果によれば,新しい人間関係生成の経験を持った人はネット利用者の6.8%に過ぎない。つまり,オンラインコミュニティにおける人間関係は,趣味・関心および態度の類似性によってつながる弱い絆が強調されてきたが,ほとんどのオンラインコミュニティにおけるコミュニケーションは普段良く会う,もともと知っている人々との紐帯を維持するために機能する場合が多い。
「新たな人間関係の形成・拡張」機能としてオンラインコミュニティの機能を捉える場合,現実世界におけるソーシャル・ネットワークでは「つながっていない」社会関係を生成し維持するツールとしてオンラインコミュニティが定義され,現実世界での社会関係の拡張機能を果たす。一方,後者の場合は,もともと「つながっている」ソーシャル・ネットワーク自体を管理し緊密化していくツールとして機能し,現実世界での社会関係の補完機能を果たす。これが,オンラインコミュニティにおけるソーシャル・ネットワークの大半を占めているわけである。
以上の先行研究におけるオンラインコミュニティの機能をまとめると,強い紐帯を強化し,同質性の高い資源を蓄積するという結束ネットワーク型社会関係資本と,弱い紐帯を拡大し多様性の高い資源を保有する橋渡しネットワーク型社会関係資本のどちらも形成することが可能であるメディアであることが指摘できる。