高麗橋桜花 徒然日記ー料理人はどこまでできるのか ー

「高麗橋桜花」店主・「大阪食文化研究所」主宰森田龍彦のブログです。どうぞご贔屓にお願い申し上ます。

人を育む「食」を考えるフォーラム

2006-02-03 | 農業・食育・食文化について

 大阪で行われた食育についてのフォーラムにお誘いを受けたので、参加しました。テーマは農から食育へのアプローチです。

 060202_1400 第一部として、食事で決まる体と心というテーマで、台湾料理龍譚の程 一彦氏の講演がありました。

 中国薬膳では、人間の体と心を三つの要素で「血・水・気」で説明しているそうです。血と水は食べ物と飲み物できまり、それが気に繋がっていくそうです。

 健康な赤い血を作るには、緑の野菜を多く取ることが大切で、特にガーリックオイルと一緒に取ることを進められていました。眠気や冷え性などは血の循環が悪い(ドロドロな血液やヘモグロビンが少ない)ために起こるそうです。

 水についてはペットボトルに入ったものではなくて、水道水でも良いので動いているものを飲む事が大切だそうです。特に、朝イチのコップ一杯の水は便秘解消や腸内清掃に効果的。

  野菜は生で摂取しないこと。特に、胡瓜と人参はビタミンCを破壊する成分をもっているそうです。他にも良く噛んで食べる事の大切さや外食や弁当が続く場合にも家で野菜を取ってバランスをとるようにしてもらいたいともおっしゃってました。さすがに、長年培われた経験で、限られた時間の中でもとても楽しく食の大切さをお伝えくださいました。

   第2部は、大学の先生が司会を勤めて、生産者さんを含めてのパネルディスカッションになりました。 

 小学校で食育を行っている生産者さんー材料費くらいは、国や市からの援助があればありがたい。

 休閑地を使って地域住民と農とのふれあいを作る生産者さんー行政を窓口として考え、実際の実行は自分達でアイデアを出し合って運営していく。

 国内の生産物を積極的に取り組んでいる外食産業経営者ー食べるものを100円ショップと同じような感覚で考えないで欲しい。フードマイレージにも注目して欲しい。

 学校給食関係者ー米食など幾つかの野菜は地元でとれた農産物などを取り入れるようにしている。

 近畿農政局の方ー食料自給率の低下(日本は40%に対して、フランス130%・イギリス74%) 栄養バランスの変化(穀類・野菜が減少、油脂の増加) 食育基本法の制定(国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性を育むことが出来るようにするため)

 パネリストの皆さんは、各自で食育に携った経験や思い・問題点を語ってくれました。私もほんの少しですが、食育のような事をしています。それは全てボランティアです。 以前の私なら、たぶんこう考えていました。「ボランティアは余裕のある人間や成功した人のすること。まだまだ、発展途上の自分にそんな余裕は無い。」 それでも、いまボランティア的に行っているは、決して自分ができるようになったからではありません。それは、各方面の偉大な諸先輩からの教えを、頂いた恩を感謝し、少しでも次の世代につなげていきたいと思ったからです。 

 そして、今はこう考えています。「ボランティアはとても素晴らしいこと。でも、多くの方を巻き込むためには最低限の報酬がないと長く続かないし、そのための工夫が必要になって来る。」 このままの状態が続けば、必ず「食」の大きなひずみが発生します。そうならないためにも、普段の食を支える女性の方、これからの食を選択する子供達に少しでも自分の出来ることから伝えようと決めたのです。

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