高麗橋桜花 徒然日記ー料理人はどこまでできるのか ー

「高麗橋桜花」店主・「大阪食文化研究所」主宰森田龍彦のブログです。どうぞご贔屓にお願い申し上ます。

園児と食べる浪速の伝統野菜

2005-11-30 | 農業・食育・食文化について
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9月に植えた天王寺蕪と田辺大根、大きく成長しました。最初に虫がついて、一時はどうなることかと思われたのですが、園の先生方や森下先生が様子を見に来てくれたり、農業に詳しい方があぶらかすを差し入れしたりしてくれて、何とか立派に成長しました。
 当日、私は保育園の厨房をお借りして天王寺蕪のブラマンジェの仕込み。園の給食の先生がいろいろと手伝ってくれて、とても助かりました。実は以前に私はこの保育園からの依頼で、有機野菜や有機食材を宅配してくれる業者を紹介したことがあります。なので、食の安全に対する意識の高さは知っていたのですが、先生は園児のために食材や調味料などに凄く配慮しておられました。例えば砂糖は三温糖、塩は岩塩、ゼラチンでなく寒天を使っておられます。いずれはご飯も白米から玄米に移行されると聞き、すっかり脱帽。特に成長段階における食事はとても大切なので、本当に有意義なことだと思いまし、嬉しくなりますね。
 私が仕込みを行っている間に、園児たちが森下先生に天王寺蕪の歌を披露。9月は歌うだけだったのに、今日は振り付けまで・・。成長しているのは大根や蕪だけじゃなかったのですね。ついつい見とれてしまう程の出来でした。森下先生も負けじと得意のバイオリンで対抗。ドラえもんやサザエさんなどで子供たちを喜ばしていました。(しかし、この曲は私が子供の時から歌っていたな。)

 後日、追記します。

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天王寺蕪のブラマンジェ

2005-11-28 | 農業・食育・食文化について

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9月にある保育園で食育の一環として、天王寺蕪と田辺大根の種まきを行いました。 あれから早2ヶ月あまりが過ぎ、天王寺蕪を使ったおやつパーティーを行うことになりました。実際に種をまいた野菜たちは食べごろを迎えるまでもう少し時間がかかりそう。なので、今回も「食とみどりの総合技術センター」の森下先生にご協力頂くことになりました。今回は森下先生が育ててくれた天王寺蕪(この日のためにハウスで早蒔きの蕪を育ててくれていました)を使って、園児達のおやつを作ることになりました。
  天王寺蕪のブラマンジェの作り方
1.天王寺蕪(120g)を皮付のままスライスし、牛乳(500g)で柔らかくなるまで煮込む。
2.粗熱をとった後、ミキサーにかけて漉す。
3.裏漉した後の全体量を図り、適量の寒天、三温糖(液体100ccに対して8gくらい)を加える。
4.寒天が煮とけたら、もう1度漉してパッドに流して冷やし固める。
  天王寺蕪のバターソテー
1.天王寺蕪は皮を剥かずに、適当な大きさに切る。
2.オーブン(170度)で5分ほど加熱して、串がスッと刺さるまで火を入れる。
3.フライパンで浅めの焦がしバターをつくり、ボールで蕪・少量の塩と和えた後にザルにあげる。
 キャラメルソース
1.フライパンで中火でグラニュー糖を焦がして、温めた牛乳を入れる。(キャラメル1:牛乳1.5)
2.強火でよく混ぜながら煮溶かし、好みの固さなれば火を止めてバターを少量加えて仕上げる。
 苺のソース
1.苺ジャムを水でのばし、鍋で煮詰めていく。(ジャム1:水0.5)
2.好みの固さになれば、裏漉しで出来上がり。(水っぽい時には水溶き片栗粉でトロミをつける)

 

 

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料理人達の忘年会

2005-11-25 | 筆者の徒然なるままに

 先日、とある料理人の集まりの忘年会に参加してきました。
 場所は心斎橋から5分ほど歩いたところにある、ブレ・ド・ブレさんです。会員の皆さんのほとんどがオーナーシェフということもあり、開始時間が24時スタート。この時点で、朝までコースを覚悟しながらの参加。
 24時を少し過ぎたところで会長のドミニク・コルビさんが乾杯の音頭をとって、シャンパンで乾杯。この集まりに私が参加し始めたのが今年に入ってからなので、このような交流会的なものは初めて。しかも、まわりは大阪を代表するような繁盛店のオーナーシェフや料理長ばかり。しかも、今回は特別ゲストが・・。大阪のホテルニューオオタニ料理フェアーに来日中のフランス2星シェフのジル グジョン氏とイタリアの5星ホテルの料理長のアロイス ヴァンランジェナエカー氏の両氏が特別ゲストとして参加くださいました。特に アロイス ヴァンランジェナエカー氏は今回のフェアーのためにスーシェフ2人とホテルのオーナーも同伴して来日。とっても、気合が入った料理の仕上がりになりそうです。
 さすがにイタリア・フレンチの方々は普通に会話してました。さすがに、私にその会話に入っていく度胸も教養もなく、ようやく普通にしゃべれるようになって来た和食チームの方々との会話を楽しみました。特に伊万邑さんやこのはさんとは、歳が近いということもありいろいろと会話も広がりますね。両氏とも、私が目指すようなお店作りをなさっておられるのとても参考になります。他にもマーブルトレの上村シェフや溝口さん、酒肴花本さんなどとの料理談義はとても楽しく・参考になりましたね。とくに、この会の世話人である居酒屋 ながほりの中村さんにはこの会に参加させて頂いたお礼やその後の経過などをお話しでき、中村さんからこれからも頑張ってくださいと声をかけて頂いたのがたのがとても嬉しかったし、安心した。
 会は明け方の3時過ぎまで行われ、その後各人解散。私は川添さんやうずらやさん、かしわやさん、このはさんと二次会に参加。やっぱり、元気なお店の料理人は、どこでもパワフルで、尚且つ話題が豊富です。川添さんは北新地の名店「カハラ」で長く研鑽を積まれた淒腕の料理人なのだけれど、とても面白くて色気のある方です。いつも気さくに話しかけてくれて、さりげなくアドバイスをくれます。ほんとに感謝・感謝です。
 凄くディープな数時間を過ごし、朝一の地下鉄で帰宅。少し飲みすぎたけど、凄く励みになったし、なによりも楽しい時間を過ごせました。 

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焼くだけでほんまもんの味

2005-11-22 | メディア

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11月22日の産経新聞の25面(大阪版)に「浪速魚菜の会」代表の笹井さんが取り上げられてます。
その記事の中で、ささゆりの里のことについても触れられて、恥ずかしながら私の事も少しですが書いてもらってます。
ささゆりの里では笹井さんが浪速野菜を中心にしたこだわりの食材を集めてくださり、私が料理の監修をさせていただいてます。初めて、お話をいただいた時は凄く戸惑ったし、何度か「本当に私で良いですか?」とお聞きしたのを覚えてます。
 その思いは今でもあって、少しでも笹井さんや生産者さんの思い応えれるようにしないといけないと思って試行錯誤を繰り返してます。 ただ、1つ言えるのは、私がいろいろな生産者さんと話したり、畑を見学したりし始めてから料理方法の選択や考えが凄く変わったこと。そして、こだわりの野菜達は上野修三先生を始めとする諸先輩方との人の縁を私に与えてくれて、それが今の私の中の大きな力になっているということです。
 記事の中でシンプルとか○○だけの調理、という表現があります。表現に対する人の捉え方はさまざまです。記事はとても的確な表現方法ですが、その裏にはいろいろな試行錯誤や思いや下ごしらえがあることだけはわかって欲しいと思います。その思いを記者の方が「調理方法にこだわった・今までにない苦労」と表現してくれたのでしょうね。
 料理人である以上、今まで学んできたことなどを食材を通して表現したいという思いは多々あります。ただ、それがついついこだわりを通り越してしまったり、独り善がりの料理になってしまったりしては意味がありません。その食材にどこまで手を加えて持ち味を引き出すかが、料理人の思案のしどころと最近よく思います。
 時には、自分のイメージ通りに料理が出来なくて、焦っったり・煮詰まったりしてしまうこともあります。そういう時、畑の野菜達はそういう気持ちを落ち着かせてくれて、食材の持つシンプルだけど力強い個性を持っていることを再確認させてくれます。そう、まずはこの食材を活かしきることだけを考えようと割り切れるのです。
 ささゆりの里の料理は、いつもご指導いただいている笹井さんを始め、こだわりを持った生産者さんや現場の厨房や施設のスタッフによって支えられています。このような出会いを得ることで出来たことをとても感謝していますし、嬉しく思っています。
 やっと、自分が本当にやりがいを感じることにめぐり会えたように思います。料理人としても人間としても、浪速の野菜を通じてどんどん成長できればと考えています。

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高槻樫田の恵み

2005-11-20 | 生産者訪問

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 高槻から亀岡に向かう6号線の途中に樫田という地域があります。そこに渡辺さんの畑はあります。
 渡辺さんは親子で原木の椎茸栽培に取り組まれておりますが、椎茸の他にも露地とハウスでいろいろな野菜を作られています。(フォトアルバムの高槻樫田の恵みをご覧になってください) 渡辺さんの野菜は有機栽培ではないものの、鶏糞や牛糞、腐葉土などの堆肥を使って、農薬などを極力抑えた栽培をしておられます。他にもおが屑や籾殻を使って、野菜に負担をかけないように心がけているそうです。
 渡辺さんの原木しいたけは楢の木で、3センチ程穴を開けてその中に椎茸の菌糸を植えて栽培します。そして、発砲スチロールで穴を塞いで椎茸以外の雑菌が繁殖しないようにします。その後成熟した椎茸は、なんと栓をしている発泡スチロールを押しのけて穴から出てくるそうです。なっ、なっ、なんと恐るべきパワーなのでしょうか。ほんまにびっくりです。軽い枝なら椎茸が支えることが出来るくらいにしっかりとしているそうです。その反面、以外にも原木の椎茸は振動に凄く敏感で、楢の木を激しく揺らすと未熟なままでも穴から飛び出そうとするらしく、とてもデリケートな菌でもあるそうです。(なので、育成中の椎茸の中には人を滅多に入れないそうです) 今後は楢の原木からさらに味が良いとされているクヌギの原木での椎茸作りに挑戦されるそうです。(ちなみに、帰りに渡辺さんは桜の木で育てた原木なめたけをくださり、早速お鍋に入れて食べました。一般に出回っているなめたけとは比べ物にならない香りと食感、風味でした。やっぱり、本物は違います。それを知らないことって、仕方ないかもしれないけどとても悲しいことですね)
 渡辺さんの畑には始めて畑に出来ているところを見た野菜がいっぱいありました。壬生菜やホワイトセロリ・若牛蒡・白菜・小松菜が大切に育てられておりました。あまり、時間が無くてそこまで詳しくお話を聞くことが出来ませんでしたが、それでもとても参考になることばかりでした。
 途中、渡辺さんが柚子湯と柿をご馳走してくださいました。もちろん、両方とも渡辺さんの自家製です。こだわりのある生産者さんや野菜達に囲まれて飲む、この素朴はおもてなしがとても心に響きました。やはり、これからも頑張ってこの活動を続けて行こうと思いました。渡辺さんのとても柔和な笑顔と更に良い物を作りたいという情熱、そんな思いや野菜・きのこをはやく皆さんに食べてもらえる日が来る様に頑張りたいです。
 お土産に頂いたホワイトセロリはサラダで、柚子は柚子湯と絞りかすはお風呂に入れて、原木のなめたけはお鍋に入れてとても楽しく頂きました。渡辺さん、ほんとうにありがとうございます。

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