高麗橋桜花 徒然日記ー料理人はどこまでできるのか ー

「高麗橋桜花」店主・「大阪食文化研究所」主宰森田龍彦のブログです。どうぞご贔屓にお願い申し上ます。

高橋誠司さんを語る会

2006-11-20 | 筆者の徒然なるままに

 以前にも日記で書いた1年前に亡くなった恩師とは、元あまから手帖副編集長の高橋誠司さんの事です。

 故高橋誠司さんが、上野修三先生の勉強会「なにわ旬菜 語ろう会」の世話人を務めてくだしました。その勉強会のお陰で、以前から憧れていた上野修三さんの料理や考えをより身近に感じることが出来たのです。この有難い縁が無ければ、たぶん今の自分は無かった様に思います。

 ただ美味しいものだけでなく、安全な食や作り手の人柄を大切にする方だった高橋さん。この想いは、現在のあまから手帖の編集部にも脈々と受け継がれているそうです。

 あまから手帖を一度退職してまでも、管理栄養士の資格を取得されて食というものに真直ぐに向き合う姿勢は本当に素敵だと思います。また、ご多忙にも関わらず、とても家族を大切にされていたご様子。自分の見習わないといけないな、と素直に思いました。

 会の途中で釜たけうどんさんとコナモン協会の熊谷さんとで、大阪の食文化についてお話させてもらったりしました。やっはり、少しでも大阪人の普段の食事が豊かになることを目標にしたいことは共通した願いです。

 最後の奥様のコメントには、涙がこぼれました。少しお話させて頂きましたが、ご家族の方もいろいろと大変ではありますが、お元気だそうです。このブログで高橋さんのことを公表することにも快く了解してくださいました。そして、また応援・励ましてくださいました。
  

 そう、一年前の葬儀の時にも、涙がとめどなく出た。同じ子を持つ父として、また付き合いが長かった訳でもないのに、これからより縁が深くなるであろう大切な兄貴分がいなくなった事だけは確信出来ました。大阪の食文化の発展において、高橋さんの存在はとても大きいものになるはずだったのに。そして、何よりもご家族の方との大切な時間をたくさん過ごすはずだったのに。

 高橋さん。本当にありがとうございました。高橋さんから頂いた縁、もう離しませんよ。これからどこまで出来る分からないけど、少しでも高橋さんがしたかったことを実現することが出来るように頑張りたいと思います。 合掌

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花祥さんのお料理

2006-11-19 | オススメなお店

 泉佐野漁港をあとにして、魚菜の会員さんでもある花祥さんで昼食を頂くことに。

以前にも紹介しましたが、花祥さんは大阪の食材を多く献立に取り入れてられるだけでなく、料理の完成度もかなり高いです。お料理がスーと体に馴染む、日本料理の良さを体感させていただける、私の目標とさせて頂いてる料理人のお一人です。

Dscn2168  先付けは、渡蟹・天王寺蕪・間引き菜・長芋・紅菊 生姜酢。

吸い酢がとても優しい味です。

Dscn2170  煮物椀は、玉子しんじょ 能勢原木椎茸 止々呂美柚子。

 椀物は、花祥さんの真骨頂ですね。とても上品な出汁とプリプリのしんじょがとても美味でした。椀物は、日本料理の良さを感じて頂けることが出来る献立の一つですよね。

Dscn2175

八寸は、兎の香合の鯖寿司 菊名とひらたけの白和え 河内鴨のロース すべた貝 太刀烏賊みみ もみじ和え。

 少量づつをたくさん食べたい方は、このような八寸は嬉しいですよね。しかし、一品一品がとても完成度が高いです。

Dscn2177  ご飯は、小芋のあんかけご飯。あわふ 軸三つ葉 すり柚子 生姜。

葛でといたあんが抜群のバランスで、とても美味しかったです。このご飯、すみませんまねさせて頂きます。

 是非、美味しい日本料理が食べたいと思われる方には、花祥さんはとてもお勧めです。とても繊細で、しかも体に優しく染込んでいきます。これも、日本料理の良さだな、と最近よく思うようになりました。

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泉佐野漁港見学と花祥さん その1

2006-11-11 | オススメなお店

 10月29日に浪速魚菜のイベントで、泉佐野漁港の見学と以前にもご紹介した花祥さんでの会食を頂きました。

 泉佐野漁港到着後、大阪府漁連の方と地元の漁師さんから、大阪湾での漁業についてお話を聞かせてもらいました。

 大阪湾の海水は北に播磨灘、南に紀伊水道に通じ、海流は湾内を時計周りに流れているそうです。また。淀川・大和川の河川水が流れ込んできます。実は、これがとても重要で、河川水に含まれるプランクトンは海の魚に多くの恵みを与えてくれます。そして、外洋に直接接していなくて、河川から流れ込む水が多い大阪湾は塩分濃度が比較的低く、特に中型までの魚が育つ絶好の環境になるそうです。

 昔は「チヌの海」と呼ばれ、チヌだけでなく・イワシ類や甲殻類が豊富に獲れて、なにわという呼び名は魚庭(魚の豊かな海)から始まったといわれる説があるほどです。(これは江戸前と呼ばれる東京湾でも同じことが言えるようです。)

 戦後の環境汚染のため、今では汚いイメージの大阪湾。しかし、近年の環境保護の成果が少しずつ現れて、昔のように網にヘドロやゴミがかるようなことはほとんど無くなったそうです。それは水質検査においても改善しているそうです。それでもイメージが先行していて、蛸なら明石産、魚類も播磨灘・紀伊水道産の方が高値で取引されるそうです。でも、実際は同じような場所で漁を行い、船が帰る港やセリ落とされる所が変わるだけで卸値が変わってしまうそうです。「海は繋がっているし、魚も漁船も移動しているから、大きな違いは無いよ。」とは、地元の漁師さんのコメントです。

 大阪湾全体の漁獲高は減少傾向にあります。また、漁師さんの後継者問題も農業と同様に深刻な問題です。週休2日制や勤務時間の短縮により人にも漁獲にも配慮した対策をとっているそうです。また、稚魚の放流や幼魚の再放流などにも取り組まれているそうです。

 泉佐野の漁港は、昼にセリが行われます。14時半過ぎに漁船が港に戻り、そこから順にセリが始まっていくそうです。すぐ脇にある市場では、そのセリで落とされたばかりの地元ならでは魚が多く並んでいました。ガザミやイヌノシタ、エイや泳ぎの蝦蛄、トビアラやシラサエビ、コウイカなどなど。どれも市価よりも安いし、もちろん新鮮極まりないです。(実際、私もエイとナゴヤフグを購入しました。エイはスッポン仕立てのお吸い物に、フグは薄造りにしましたが、どちらもとても美味でしたよ。)

 実際に、泉佐野で漁師さんにいろいろと現状を聞く事が出来て、私自身も大阪湾の魚への見方が変わりました。ただ、残念なのは昼網や知名度や需要が少ないために、市内への流通量が少ないこと。折角、大阪産の良質な魚を食べる機会を失っているのは、本当に残念なことです。

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日本産原木乾しいたけを使った料理教室

2006-11-11 | 料理日記

 今週の木曜日に、日本産原木乾しいたけを使った料理教室の講師を務めました。

051115_0322  去年もこの料理教室を務めさせてもらって、今回で3回目になります。品質も良く、栄養満点の乾しいたけの詳しい説明は、こちらから
  今回は、浪速区食生活改善委員の皆さんが生徒さん。普段から料理の勉強会などを行っておられるそうで、皆さんとても手際が良くて進行もスムーズに進みましたし、とても喜んで頂けました。(会の委員会の世話人の皆さんには下準備もお手伝い頂きまして、とても感謝しております。)

 今回の依頼を頂いたベジフル協会(野菜のソムリエ)の方からも、「いろいろと場数を踏まれて、去年とは大違い。とてもスムーズでした。」とお褒めのお言葉を頂きました。
 
 私自身はまだまだのところもあったのですが、去年の第一回は思ったように進まなくてかなりへこんだのを憶えています。それと比べると少しは進歩したのでしょうかね。何でもそうかもしれませんが、当日よりも準備を如何に充実させるかが大切。また、あまりよくばらずに、何を伝えることが出来るのかを見極めることも重要です。そのことを協会の方に指摘して頂いたことは、料理教室の講師を務めるためのとても大切な糧になっています。

061109_1314  今回の献立の内容は、こうしん椎茸の五色和えと裏白しいたけのお吸い物、どんこしいたけのと鶏もも肉の旨煮、炊き込みご飯です。

 今回は、特に評判の良かった五色和えの作り方をご紹介したいと思います。

1.胡瓜(1本)は縦半分にして、スライスする。玉葱(1/2玉)も繊維に沿ってスライス。パプリカ(1/4個)も種を取り、縦にスライスする。

2.3%の塩水に①を20分程、漬ける。

3.こうしん椎茸は軽く塩をふって焼き、スライスする。

4.卵黄2個分:椎茸の戻し汁100cc:酢100cc:薄口醤油:砂糖40g:薄口醤油大匙1をよく混ぜ、フライパンに移す。

5.フライパンで中火くらいの火加減で煮詰めていき、ヘラで線が引けるくらいの固さにつめる。

6.よく絞った①と②、⑤をよく混ぜ合わせて、器に盛る。

 焼いて風味が増した椎茸と黄身を混ぜた和え衣が、かなり良い感じです。このように献立を作る時には、なるべく酢を使った物(アルカリ食品)を取り入れるようにしています。これは黄身酢の応用なのですが、より食材と絡みやすいように考えたオリジナルの衣です。是非、試して見てくださいね。

 先にも書きましたが料理教室は分量を図ったりながら作ったり、進行の打ち合わせをしたりと結構大変。でも、参加者の方々の「これ、美味しい。」「この作り方、初めて知りました。」「家に帰っても、作ってみよう。」というお言葉を聞くと、とても幸せな気持ちになりますね。この気持ちを大切に、これからも臨んでいきたいと思います。

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Daiyuken prezentsーLohas nightー

2006-11-05 | 農業・食育・食文化について

Daiyuken prezentsーLohas nightー
 
 体に優しいお料理を食べながら、農家さんと過ごす Organic Party。
 大阪で超人気のカフェSangmiさん特製の野菜たっぷりのビュッフェ料理を食べながら、有機農家さんと楽しくて、美味しいディナーに参加してみませんか。
オーガニックやロハス、体に優しいお料理に有機農業。少しでも興味がある方なら、是非参加してほしい今年最後の交流会です。
 参加してくれる農家さん達からの素敵なプレゼント(抽選)も用意しております。
 

■日時 12月2日(土)受付18時半 開始19時
■会場 サンミうめだ店 http://sangmi.jp/about.html
■会費 3500円(ノンアルコールビュッフェスタイル  飲食費込)
■定員 60名
■申し込み・お問い合わせ
大阪府有機農業研究会 TEL&Fax)06-6864-1026
(サンミさんへの直接の申し込み等のお電話はご遠慮下さい。)

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