高麗橋桜花 徒然日記ー料理人はどこまでできるのか ー

「高麗橋桜花」店主・「大阪食文化研究所」主宰森田龍彦のブログです。どうぞご贔屓にお願い申し上ます。

オーガニック料理教室と大有研世話人会

2006-02-28 | 農業・食育・食文化について

 土曜日は、大阪府有機農業研究会の世話人会に参加しました。

 代表の尾崎さんが正式に退かれてから最初の世話人会。やはり一抹の不安や寂しさはありますが、誰かがいないと成り立たない運動ではいけないし、私自身も少しでもこのような活動のお手伝いをしたいと思って世話人になったのでしっかりと前向きに進んでいかないと。

 今回の議題は、今年の大有件の活動スケジュールについて。今年は大有研内の交流を深めると共に、農業に関心のある方や取り組みたいと思っておられる方へ、もっと活動に参加してもらえるようにしていこうということになりました。

 4月からまず始まるのが、有機スプリングセミナー。やってみよう野菜作りということで、農業の基本的なことを講義と実践編に分けてスタート。その後、農塾。連続セミナーを通して、有機農業への理解や参加者さんとのディスカッションの場なども行なう予定です。夏には、生産者見学・秋からはプロジェクト 耕がスタート。実際に大阪の荒地を再生させて、農作物を植えるという企画。今年の大有研、かなり充実したものになりそうですね。

 ビオ・マルシェ甲東園にて 第2回の有機食材を使った料理講習会を行ないました。

 第2回目になる有機食材を使った料理講習会。有難い事に、連続して参加してくださった方もおられました。嬉しい限りですね。今回はかつおと昆布を使ったお出汁の良さと、素材の味を大切にしたお料理を参加してくださった皆さんに感じてもらえるように献立を組みました。詳しいレシピは左記からどうぞ!!「35.doc」をダウンロード

 今回は野菜の茹で汁から出汁をとったり、葱を刻んだもので簡単な酢のものを作ったり。シンプルかもしれないけれど、野菜本来の味を感じてもらえるお料理にしました。また、こうやって素材を活かす料理方法を行う時には、はやり有機の食材は安心して料理出来ますよね。確かに有機食材は少し割り高かもしれませんが、こういう贅沢・幸福感も大切なのではないのかな、と良く思います。もし、有機食材に興味がある方は、リンクのビオ・マルシェさんでいろいろと知る事が出来ますよ。

 しかし、人前に話すって凄く緊張しますね。この料理講習会は、参加者さんとの距離が凄く近いので、私の手さばきも丸見えです。参加してくださった方が家で試してみようとか、そのご家庭での定番料理の一つになれば嬉しいな、と思っています。料理人が言うのも変ですが、食事の基本は家庭料理にありますから。

 また、感想・質問等がございましたら、書き込みしてくださいね。楽しみにしております。

 
 
 

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大門酒造さんと山野酒造さんとコルビシェフの出版記念パーティー

2006-02-27 | お酒について

 この日は大阪府の交野市にある大門酒造さんと山野酒造さんを訪問。

060226_1332_1  まずは大門酒造さんを見学させて頂きました。大門酒造さんではまず当主の方から酒半便りというオリジナルの小冊子とビデオを見ながら、分かりやすく酒作りの説明をして頂きました。ちなみに酒半とは大門酒造さんの屋号のようなもので、この酒半便りは特に充実した内容ですね。一応の説明の後、実際に酒蔵を見学に。今まで見た酒蔵さんの中では、一番近代的な設備が整っていて、多くの工程でコンピューターなどが人の手助けをしていました。でも、ただ機械的かというとそれだけではなくて、酒を絞る作業がやぶた式(機械のよるもの)・槽式(水圧を利用したもので、強くしぼり過ぎない)・木綿袋を使って絞るものと、しっかりと手間のかかる作業も伝えているのです。また、多くの酒を造るからこそ、しっかりとした技術やサポート体制がつくられるのですね。

 この大門酒造さんは日本のみならず、欧米にも進出されていましてかなり先進的な酒蔵さんといえるのではないでしょうか。それはHPをみて頂ければよくわかっていただけると思いますし、それが出来るのもしっかりした酒造りが出来ているからなのでしょう。そんな大門酒造の目指す酒作りと酒蔵の特徴をお伺いしましたー柔らかで きれいなお酒。うまさ=芳醇旨口。 特徴ー麹=ファジーなものを出来るだけコンピューターなどを使って良い状態を作りたい。蔵全体の底上げが大門酒造の特徴です、と答えてくださいました。

 その後、徒歩で20分程歩いて山野酒造さんへ。

060226_1618  山野酒造さんの蔵見学では、20代前半のグループの方達と一緒に見学。友人とこのように見学するイベントって、凄く素敵だなーと思いました。それを、快く引き受ける山野さんの寛容さにも関心。大変かもしれませんが、蔵見学辞めないでくださいね。

 大門酒造さんの近代的な設備に対して、山野酒造さんは昔ながらの酒蔵さんというイメージ。南部杜氏(岩手県)を迎えて、生駒山系の伏流水(中硬水)と良質の山田錦(ほぼ有機)と地元交野市産(画像がそうです)の米を使っての酒造りです。

 まずは、山野さんから酒造りの説明。もしかしたら私に配慮してくれたのか、かなり詳しく説明してくださりました。山田錦のみ特定産地(ランクつけ)があることや、ワインとの醗酵過程の違い、酸と日本酒度数のバランスのことなどなど。とても勉強になりました。余談ですが、思わず自ら杜氏さんにならないのですかと尋ねたところ、私が杜氏になれば電話も出れなくなりますし、見学の無くなりますよ、というお答えが。愚問でしたね。それだけ、杜氏さんの役割は重要で、その方の力量が大きく酒造りに影響しているのですね。

 実際の蔵見学では、いろいろな種類のタンクの中を拝見させていただきました。精米度合いにより色が違い(多く削られたものほど白に近くなる。)、また醗酵の盛んなタンクからは大量の炭酸(二酸化炭素)が発生していて、顔を入れすぎると咳き込みます。(なので、このようなタンクに落ちると溺れるのではなく、窒息死してしまうそうです。)

 試飲の時もかなり多くの種類のお酒をご馳走になりました。同じ原料で酒母の違うお酒も飲ませて頂きましたが、全然個性が違っていて面白かったです。まと、山廃仕込のお酒(酒母造りに長い期間が必要になる)のお酒も個性的でした。おまけに飲ませて頂いた日本酒に梅を漬けっ放しの梅酒も美味でしたよ。

 山野酒造さんの目標は、○○らしい、らしさのお酒造り。しっかり、個性や違いのあるお酒を目標にしておられます。また、いつも心がけていることは、当たり前を忠実に。技術はどこも持っている。(手を入れても失敗のある酒造り)毎回同じことの繰り返し、やるべきことを忠実にしっかり行うこと。

  両酒蔵さん、とても対照的な酒蔵さんでした。どちらが良いとか、正解とかではなくて、このような個性的な酒蔵さんが独自のこだわりを持って酒造りをしていることが楽しいですよね。帰宅後、早速両酒蔵さんのお酒を交互に飲み比べ。かなり面白いし、楽しいですよ。そんな大阪のこだわりの地酒、飲んでみたくなりませんか??

 夕方からは、以前にもこのブログで書かせて頂いたホテルニューオオタニのメインダイニング「サクラ」の料理長、ドミニク・コルビシェフの出版記念パーティーに招待され、参加しました。

 本のタイトルは、「フランス料理13章」。13種類の食材の調理を通して、フランス料理の技法やエッセンスを紹介した内容となっています。

060226_2022  流石に一流シェフのコルビさんだけに、来賓のお客様は200名以上。周りはそれこそセレブな方ばかり。運良く、隣が北新地の川添さんだったので、ほっと一安心。凄く素敵な方で、人・料理人としてのスタイルは私の憧れのなのです。そんな川添さんに創業についていろいろとお話をさせて頂きながらの食事。また、ワインと料理の楽しみ方についていろいろとご享受頂きました。もちろん、今までにもフランス料理は食べたこともありますし、フランス料理店で働いてます。ですが、恥ずかしながらここまで食を楽しみことを意識したことがありませんでした。

 060226_2043  一皿の中で、まずメインの食材をそのまま食べる、ソースをつけて食べる、いろいろな付け合わせと食べる、パンを一緒に食べる、パンの後にワインをソース代わりに少量含んで食べる、そのワインの種類を変えて食べる。一皿の料理でもかなり多くの楽しみ方ができますよね。それを自分の好みでそれぞれ組み合わせて食べてたら、2時間なんてすく過ぎてしまいます。また、たくさんのワインを飲むことも良いですが、1本のワインでたくさんの飲み方を試して、楽しむことが出来たらワインをもっと楽しむことが出来るようになるよ、とアドバイスしてもらえました。コルビシェフのお料理もとても美味しかったですが、川添さんのお話もとても感動的でした。これからますますフランス料理を楽しく食べることが出来そうです。あまり写りガ良くないのですが、鴨と柿と組み合わせと、チョコムースのデセールです。

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日本酒事始

2006-02-25 | お酒について

 前回の寿酒造さんを訪問後、いつもお世話になっています浪速魚菜の笹井さんと上野修三先生にお酒と酒粕を配達。特に三島雄町を復活させた中尾酒造さんには興味津々のご様子。上野先生から良く見つけてきましたね、と驚かれました。その後、リーガロイヤルホテルでの「日本酒事始」というイベントに参加しました。

 そのイベントに大阪府下の蔵元さんが大集合、こんな機会はそうそう無いのですよね。

 各酒蔵さん自慢のお酒をたくさん試飲できて勉強になりましたが、特に酒蔵さんと短い時間でしたがいろいろとお話できたのがとても嬉しかったし・楽しかったです。酒蔵さんも料理人と同じで、それぞれに考え方や食材や技法は違いますが、それぞれとても個性的でこだわりを持っておられました。それが凄く伝わってきて、聞いていてもワクワクしてしまいました。

 大阪の酒蔵さんはそれぞれにとても個性的です。十二分に楽しめます。さすがに今のような環境の中でも、こだわりや志をもった酒蔵さん達です。話せば話すほど、熱いです。食の大阪の地力のあるところを感じ、いろいろな人に伝え・楽しんでもらいたいと強く感じた一晩でした。

 このイベントの途中に合流した友人と食事に。肥後橋から近いということもあり、このはさんに行くことに。

 以前にもこのブログで紹介しました「このは」さん、最近はランチをお辞めになって、五時半からのディナー営業のみだそうです。この日は、三品ほどおまかせで作って頂きました。鯧の味噌煮は、たぶん味噌床に漬けたものを焚いているのだと思うのですが、しっかり味が染みて美味しかったし、天婦羅も前回よりも上手くなっているような気がしたのですが。(偉そうにすみません。) こんな大阪のお店に、大阪の酒蔵の美味しいお酒を置いてもらえたら嬉しいですよね。

 流石に40時間寝ないで頑張ったので、クタクタ。でも、疲労感より充実感たっぷりの一日でした。

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うずら屋さんと中尾酒造さんと寿酒造さん

2006-02-24 | お酒について

 徹夜の突貫ツアーの始まり。仕事終了後に、急いで準備。一緒に行くスタッフの車に乗り込んで、酒蔵での徹夜の作業に備えて腹ごしらえ。丁度、そのスタッフの方が寝屋川方面だったので、以前から行きたいと思っていたうづら屋さんに行くこと。

1090919094  最寄り駅は京橋になるのだけれど、徒歩で15分も掛かります。でも、多くの方がその料理の美味しさを求めて、連日賑わっているとのこと。料理人仲間でもとても評判なお店です。

 一応、焼き鳥となっているのですが、その充実ぶりは凄いですよ。 シャラン産の鴨や白金豚、イべりコ豚。ホワイトアスパラガスやジャンボマッシュルームなどなど、とても充実した厳選された食材達。それをシンプルに炭火でベストな状態で焼いて提供してくれるのです。それも一皿400円からととても身近です。

 いろいろと手を加えることだけが美味しい料理じゃないことを再認識させてくれるお店です。料理人はどうしてもいろいろと自分の技術を料理に反映させたいと思うし、シンプルな料理方法は手を抜いているようで嫌(実は一つの技術を完全に身につけることはとても難しい)で、ついつい手を加え過ぎてしまう時があります。いろいろと料理の技術がある方が、ここまで思い切って炭で焼くということに特化できることは本当に凄いことだと思います。何を食べても美味しいですし、何度も通いたいお店でした。メニューを右から順番に最後までくださいと言いたくなる程のお店です。

Dscn1350  しっかりと腹ごしらえした後に、中尾酒造さんを目指して出発。 摂津郷(茨木市)の「中尾酒造」さんは、酒作りの全てを一人で切り盛りされている酒蔵さんです。ダメともで一度蔵見学を申し込んでみると、2日後に今期最後の仕込を行うとのこと。運良く、先に予約されていた方の了承を得ることに出来て、見学できることになりました。指定された時間は深夜の2時。用意していただいたジャージを着て、実際に麹室で作業をさせて頂いたり、蒸し米を冷やして留添えの仕込みのタンクに運んだり。とても貴重な体験をさせて頂きました。

060224_0515  中尾さんの凄いところは当主自ら杜氏を務めて、一人で酒造りをしていること。また、地元の茨木で三島雄町という酒好適米を復活させて、それを使って酒作りを行っていること。また、その作業を公開するだけではなくて、実際に体験させてくださるところです。気さくな人柄の中に、とても熱いものを持っておられる方です。(この日も地元の料理屋の方が助っ人に。その方もとても丁寧に説明してくださいましたが、このような地元のサポーターがいるのも中尾さんの人柄なのでしょうね。)

  中尾さんに何故、このような作業を公開するようになったのですか?の質問に、「間違った情報があまりにも多すぎる。それをただ言葉で伝えるだけではなくて、ありのままの姿を感じてもらうことを大切にしています。」 

 では、酒作りで心掛けていることは何ですか?-酒作りは取り戻しが効かない作業。なので、日々精進です。

 作業が終了したのが、朝の5時。蒸米の残り湯で、機材等を丁寧に洗っていきます。酒作りの時には、一人でこのような地道な作業を繰り返すそうです。後片付けも終了し、中尾さんにお願いして試飲させて頂くことに。凡愚・龍泉などの生酒は、とてもすっきり感があり、口当たりも良い。特に見山という純米吟醸のお酒は秀逸。かなり気に入ったのですが、今期の販売は4月頃になるそうです。とても残念。

 酒に酔い、人柄に酔う、そんな素敵な中尾酒造さんです。ほんとうに長い時間、有難うございました。

  しばらく仮眠をとった後、高槻は富田町にある「寿酒造」さんを訪問させて頂きました。

Dscn1357_2  寿酒造さんは、先日お伺いした清鶴酒造さんからも近く、昔からの富田酒を造り続けてこられた酒蔵さんです。清酒国乃長を作る酒蔵さんとご説明すればピンとくるでしょうか。蔵を案内してくださったのは詰口チーフの大宅さん。とても穏やかですが、丁寧に素人の私の質問にも答えてくださいました。寿酒造さんも地下水を使ってらっしゃのですが、汲み上げた後に循環させて水に丸みを持たせているそうです。また、杜氏さんを筆頭にしっかりを意思の疎通が出来ており、おやっさん(杜氏さん)の的確な指示・酒作りに取り組む姿勢が 酒蔵見学時にも伝わってきました。また、杜氏さんも分析室などでしっかりお酒の状態を確認しながらの作業。勘だけに頼らない姿勢に感心。職人技はこのような細かな作業の積み重ねから生まれるものなのでしょうな。

 大宅さんに寿酒造さんのお酒作りの目標をお伺いしたところー「辛くてサラッ、ではなくて、ふくみを多い酒。飲んでズンとくるお酒作りを蔵として目指している」そうです。

Dscn1358_2  また、お酒作りと別に地ビールや焼酎、梅酒も作られている酒蔵さんでもあります。

地ビールは全国でも10番目という初期から取り組まれて、また焼酎も粕取り焼酎といって酒粕を使って焼酎を造っています。この焼酎は日本酒と焼酎の両方の風味をもっていて、とてもおもしろい感じでロックで飲んだら美味しいでしょうね。梅酒にも氷砂糖のかわりに日本酒が使われていますので、上品な甘みになっています。(地ビールの生を試飲してみたかった・・。)

 試飲のあとに私が選んだのが、生一本というお酒。純米生酒で超芳醇甘口となっていますが、決して甘過ぎず女性の方にとくに好まれそうな美味しいお酒です。あと、小瓶の梅酒と粕取り焼酎も買いましたよ。

 最後に当主の方に寿酒造が大切にしていることをお伺いしました。-「安さ勝負などで、質の悪いものを作らない。曲がったことをしない。職人気質、良いものを作る事に集中すること。」

  だんだん大阪の酒が好きになってきますね。作り方や目指すものの違いはあるかもしれませんが、どの酒蔵さんも凄くこだわりを持って酒作りに取り組んでおられます。もっと、大阪で作られる酒の良さを、多くの人に知ってもらいたいですね。

 

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富田酒 清鶴酒造さん 訪問

2006-02-20 | お酒について

 食の大阪の自慢は、なにわの伝統野菜だけではないのですよ。イメージにはないかもしれませんが、昔の大阪に数多くの作り酒屋がありました。そして、それは今の灘や伏見に広まったのです。

060219_130300  今回は富田酒といいまして、昔の摂津の国、現在の高槻市富田町にある「清鶴酒造」さんを訪問させて頂きました。

 今ではほとんど田畑を見ることはできない富田町ですが、昔は御領田があった程良質のお米が沢山収穫されたそうです。また、この富田は北側の山から良質のお水が流れ、他の三方が開けた平野で日当たりが良くて、良質のお米・お酒造りにとても適した場所なのです。  

  清鶴酒造さんは150年前に酒醸されたました。残念ながら、現在使用しているお米は富田産ではありませんが、厳選された山田錦等を使用されています。また、酒作りで最も大切な一つであるお水は今でも地下10mから汲み上げられたものを使用されています。この地下水は阿武山山系の石灰層から湧き出る硬水です。硬水で作られるお酒の特徴は、発酵力が強くて吟醸などの長期熟成に向いており、一般的にはキレのある辛口のお酒が出来るそうです。

 酒蔵見学は初めてだったのですが、いろいろ詳しく酒作りの過程を説明してくださいました。昔の酒作りは、朝2時から始まる重労働。しかも、平均気温や自然環境の違いなど、今では決して恵まれた環境ではありません。それを冷却機やコンピューター制御のタンクなどを使って、良いお酒造りに取り組んでいる姿勢が印象的でした。特に、今でもお酒を絞る時には、すべて袋詰めしたものを絞るという丁寧な作業。そこから生まれるあらしぼりは清鶴酒造さんの代表作の一つではないでしょうか。

060219_1439_2  お楽しみの試飲会。

 今回はあらばしりやひやおろし・香酔などの数種類。どれも個性的でした。また、同じお酒でも絞りたての時期に飲むものと、ほぼ1年経ったものを飲み比べるとかなり印象が変わりますね。 最後に、酒蔵さんから甘酒が振舞われました。寒い日には最高でした。市販のものと違って、甘みが上品で香りの良かったですね。

  初めての酒蔵見学でしたが、やはり実際に酒蔵を見学してみるといろいろな発見や驚きがあります。そして、この体感がとても大切なのだと思います。良い・悪いを判断するために見学するのではなく、その酒蔵さんのこだわりや思いを感じることをテーマにこれから酒蔵見学を行いたいと思いました。今もあらばしりを飲みながらこの書いているのですが、独特の切れ味ですね。

 最後に清鶴酒造さんには、若い後継者の方が酒作りなどを学んでおられます。大阪のこだわり産業の課題でもある後継者が、しっかりその流れを次世代に伝えてくださるようなのでとても心強く思いました。

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