先日空堀町にある、こんぶ土居さんを訪問しました。
老舗の名店にも拘らず、とても気さくに接してくださいます。職人肌の先代さんにもとても応援してもらっていて、 私もいろいろと相談にのってもらい、ありがたい助言をくださいます。
今の当主は私より2歳年下なのですが常に前向きで謙虚、しかも熱意のある方です。そしてなにより、今までのお店に受け継がれてこだわりを十二分に理解されておられます。
今、私が考えていることを話し、土居さんの意見や思いをお聞きしました。こんなことを話していると、時間があっという間に過ぎてしまいます。 そして共通認識が出来ました。日本料理・食文化を大切に出来きて、担っていく若手がもっといろいろと交流できる場が必要だと。 今すぐには無理かもしれませんが、少人数でも良いので 少しずつ前進したいと思っています。
今回、土居さんのご好意で「こんぶ土居」通信を、このブログでも公表させて頂けることになりました。本当に嬉しく、光栄なことだと思います。私自身も、たくさん学びたいと思っております。
「こんぶ土居通信 16号」より
-食育についてー
食育の目的 食に関心を持ち、正しい食生活ができるようになること。
食育の進め方
① 和食を基本とする
食育にもいろいろな方法があり、料理を教えるのが一般的です。その場合、人気のあるイタリアンやフレンチが多いようです。子供たちに魚のおろし方を教えたり、鶏のさばき方を見せたりする場合もあるようです。しかし、日本人にとっては和食が基本であり、それを体得した上で広げていくべきだと考えます。
② 一次産業への関心・生産者への思いを深める 地産地消 和食の場合、その原料は国産のはずでが、現状は大変なことになっています。天ぷらそばを食べても水以外は輸入品であるというのが笑い話ではないそうです。和食の食材は国産で顔の見える関係が望ましいと考えます。顔が見えれば食べるほうは安心で、作るほうは仕事にやりがいが出ます。反日感情を持っている国から食べ物を輸入して大丈夫でしょうか。
食糧自給 食糧自給食糧が自給できないと独立国と言えません。お金さえ出せばいつでも外国から食料が買えると思うのは間違いです。天候不順、水不足、バイオマス燃料化などが輸入の妨げの要因になります。鶏肉や卵、牛乳などは国産品が主流ですが、家畜のえさはほとんどが輸入で、本当の意味での国産とは言えません。これらは価格が安く思えますが深く掘り下げて考えると問題も多いものです。安いからたくさん食べる、たくさん家畜を飼う、糞もたくさん出来る、それをすべて、肥料にすれば過栄養となり作物や土地を汚染します。過栄養の土壌で育った野菜には硝酸が多く含まれているので,野菜汁をハムの発色剤として使えるのではとまで、言われています。
こんぶ土居では国産原料100%を目指し、ほぼ達成できそうです。当店の国産原料というのは、原料の原料も国産であるということです。たとえば国産のみりんのその原料のもち米やうるち米も国産です。
函館市立磨光小学校での食育 昆布を生産されている漁師の方との顔の見える関係が必要と考え、20数年前から産地へ通い続け、最近やっと一部の昆布漁師の方とものがいえる関係が出来てきました。8年前からは毎年地元の小学校の5年生に昆布文化の素晴しさ、地元の産業の重要性、和食の基本であるだしのとり方等についてお話をさせていただいています。回を重ねるうち内容が進化し今回は家庭科室で昆布とかつお節で出汁をとり、その出汁を使って去年の5年生から要望のあったお好み焼きを作ってみんなで食べました。生徒さんの歓迎ぶりや学校の関心の深さが印象的でした。生産者との信頼関係を作り一次産業が健全になることが何より大切で、結果として自然環境がよくなり、持続可能な循環型社会につながると思います。 その2に続く。