今回の試食会は会員の料理人の方々にご協力を頂きレシピを考えて頂き、それをホテルの厨房で再現して頂きました。専門的な料理方法にとらわれずに、ご家庭でも伝統野菜等を使った料理を作って頂ければ、より身近に大阪の食材を感じてもらえるのではないかと思っています。
まずは、小椋さんが作ってくださった大阪羽曳野産デラウェアで作った白ワインです。小椋さんのワインはまだまだ発展途上だそうですが、会員の方々にはとても好評でした。
続いて、貝塚早生・今井早生・淡路玉葱の食べ比べです。淡路の玉葱も悪くはありませんが、やはり生の状態で食すなら刺身玉葱と呼ばれる貝塚早生はとても秀逸でした。今井早生はかなり辛味が強いですが、じっくり加熱するとこれがしっかりと甘みに変化していくのでしょう。
毛馬胡瓜のピクルスと青胡瓜のピクルス。私は、毛馬胡瓜の良さは、酢の物に一番表れると思っています。酢に漬けてもしっかりと食感を残す毛馬胡瓜は、秀逸ですね。
イタリア料理 カンティーナの竹中シェフの貝塚早生とポーチドエッグのスープウンブリア風と今井早生と地鶏胸肉の冷製パスタ。共に、玉葱が持つ甘味を最大限に引き出したお料理でした。
菜の菜 佐野さんのごより風雑魚海老、ねぶと、大豆のうま煮。雑魚海老やねぶと(泉州で獲れる小型の地魚)を低温からじっくり揚げることにより、ごより風の干した感覚に近づけました。一緒に炊かれた大豆が、これらの食材の旨みを吸収して美味でした。
玄斎 上野直哉さんの河内鴨の天神椀。お吸い物に梅干の風味を加えて、鴨のしっかりとした風味と梅のさわやかな酸味が楽しいお椀でした。河内鴨は肉厚ながら、はやり抜群の柔らかさでした。
エプヴァンタイユ 山田シェフの真鰺と馬鈴薯のサンドイッチ。大阪湾で獲れる鰺と、これも大阪産のジャガイモを使ったお料理。パリパリとした食感のジャガイモの中から鰺とバジル、遊び心溢れる一品です。
大阪の郷土料理から小鯵の紫蘇煮と大阪しろ菜とおあげのたいたん。これは、昔の船場で食べられていたお番菜に詳しい近江晴子先生にご協力頂き、再現しました。
最後は、塩焼鰺と大阪しろ菜のちらし鮨です。昔の船場の夏の焼魚は鰺の塩焼きだったそうです。その塩焼にした味をほぐし、しろ菜の炊いたものでちらし鮨を作りました。江戸前のにぎり鮨ではなく、押し鮨やこのようなバラ鮨は大阪が誇る料理法。しかも、食材を無駄にしないこのちらし鮨は大阪らしいのではないでしょうか。
今回から、大阪の郷土料理も献立の中に取り入れていくことになりました。また、伝統野菜だけではなくて、大阪府下で生産されるこだわりの農産物なども伝えて行きたいと思っています。更なる大阪の食文化の発見・理解を目指して行きたいと思っています。
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