みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

振り向いて言ったこと

2020年08月05日 | ルカの福音書

ルカの福音書 14章25−35節

「イエスは振り向いて彼らに言われた。」14章25節

 隣に不思議な木があります。一つの木なのに二種類の実がついているのです。一つはプルーン、もう一つはミラベル。どちらも好物。でもよそ様の実を食べてはならないので、眺めて楽しんでいます。接ぎ木によるものなのでしょうね。ちなみに、ミラベルは西洋スモモとあり、フランスの果物として知られているのだそうです。とても美味しいですよ!

 美味しい果物の話の後は重い話。ここでは、ついて行こうとする者にイエスが厳しい覚悟を求めておられます。「大勢の群衆がイエスと一緒に歩いていたが、イエスを振り向いて彼らに言われた」と25節にあります。ルカの福音書では、9章51節からイエスのエルサレムへの旅が始まりました。その旅は十字架への道。イエスは死に向かって旅を続けておられるのです。

 この時大勢の群衆はなぜイエスと一緒に歩いていたのだろうかと、イエスの厳しいことばから想像します。イエスについて行くならよいことが待っている、よい経験ができるとの期待も多かったのではないでしょうか。しかし、彼らがイエスとこれからもずっと一緒に歩いたとしたら、待ち構えているのは苦難と死。そこまでついて来るのかという覚悟のようなものを求められたのです。

 26節には「憎む」とあります。大切な家族を、そして自分さえも憎むのだと言うのです。イエスはここで、ついて来る者がご自分を他の誰よりも、自分自身よりも、愛するのだと求めておられるのです。

 ここでイエスが言っておられるのはどれも、ついて行こうとする者に求められている覚悟。生半可ではならないのです。


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