霜後桃源記  

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投票率アップに向けた報道機関の役割

2024-01-29 07:18:56 | 社会
    自民党の金権腐敗体質が裏金キックバック事件を生んだにも関わらず次の選挙
でも自民党政権が続くことがほぼ確実となっている。
 嘆かわしい限りだが、それもこれも政治に対する無関心層が投票所に行かない
ことが投票率の低下を招き、結果的に民主主義が機能しなくなってしまった。
 昨日の毎日新聞「松尾貴史のちょっと違和感」は、投票率アップに向けた報道
機関の努力不足ついて警鐘を鳴らしていた。
 極めて傾聴に値する主張だったので全文を紹介したい。

 (先日降った雪も殆ど消えてしまった)

毎日新聞「松尾貴史のちょっと違和感」(2024.1.28)

「報道機関 投票率アップへ努力見えぬ」

 東京の八王子市長選挙が終わった。事前の情勢調査では、野党系が推す候補者が
先行しているという情報があったが、かなりの低投票率、前回に続いて30%台で、
与党系が推薦し東京維新の会が支持した候補者が当選した。
 自民党派閥の裏金事件や、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との関わりが深
いとされる議員が熱心に与党系などが推す候補者を応援したことで足を引っ張るの
ではないかと「期待」したのだけれど、低投票率の結果、組織票が幅を利かせたの
だろうという感想しかない。
 今回の選挙は自治体の首長選挙だったけれど、それにしても地元の生活に密接に
関わる役職を選ぶのに、4割にも満たない投票率ということは、市民の側に公権に
対する要望というものがないのかと思ってしまう低さだ。
 そして、これがまた国政選挙でも五十歩百歩で、国の方向や形を決める重要なも
のなのに、前回2021年の衆院選(総選挙)では、投票率はたったの約55%だった。
 09年の総選挙では約69%だったのだが、最近は低調である。
 「選挙になんか行ったって変えられない」という無力感がそうさせるのかもしれ
ない。しかし、みんながそう思っていれば、なおのこと変えられなくなるのは分か
り切っている。
 業界団体などへの利益誘導と密接な関係にある候補者を支持する人たちは、自分
たちの利益に直結するから面倒でも悪天候でも投票所に足を運ぶから、そういう人
たちの1票の重さは増える。一方、利権と距離を置く人こそ投票に行かなければなら
ないのに、逆の行動を取ってしまうのだ。自分と反対意見を持つ人の票のバリュー
(価値)を大きくしてやって悔しくないのか。そういう利権から遠い人というの
は、おそらくは生活が苦しい人が多いのではないか。
 何とか状況を改善させたいという気持ちが湧いて当然だと思うが、そうならな
いのはなぜなのだろう。
 選挙権という国民の権利を勝ち取るまでにどれだけの時間と労力がかかった
を忘れてしまったかのように、半分ほどの人が棄権してしまっている。
 ここで、国民の政治に対する関心の薄さを嘆くのは当然だが、もっと嘆かなけれ
ならないのは、大手マスコミ、テレビや新聞である。投票率を上げる影響をも
らす力があるのに、その努力の跡が見られない。
 投票締め切りになる時間まで、テレビはニュース番組のごく一部を除いて選挙の
気配を消しておいて、開票がスタートする午後8時になった途端「0打ち」での当選
確実のニュースで騒ぎ始める。
 なぜ、選挙期間中、もっと投票に行きたくなる材料を大量放出しないのか。
 それができるのはテレビの力であるはずだろう。連日、注目選挙区の候補者をス
タジオに呼んで意見を戦わせるとか、
 いろいろな組み合わせで党首同士の討論をさせるなどしないのだろうか。呼ん
もスタジオに来なければ、その人の判断なので、対立候補にしゃべらせればいい。
 候補者の密着映像なども「選挙結果が出てから」ではなく、なぜ選挙期間中に
リアルタイムで見せないのか。
 不偏不党だ、公正中立だ、公平性だ、放送基準だ、放送法だと、いろいろな事情
はあるのだろうけれども、それで問題が起きないように工夫する知恵を出すことす
らしていないのだろうか。
 高市早苗氏が総務相だった時に放送局の電波停止うんぬんをちらつかせるような
こともあったし、各局に「公正に報じろよ」という意味不明のファクスでプレッシ
ャーがかけられることもあったが、選挙報道にもし問題があったら検証して再発防
止に努めればいい。
 ニュース番組でお義理のように各党の党首を集めてボードに文字を書かせてクイ
ズ番組のように主張を出させたり「各1分でお願いします」などと言って政策をしゃ
べらせたりしているが、最後はまとめのように与党の出演者に発言させておしまい
という隔靴搔痒(かっかそうよう)を何度も味わっている。
 生放送だからこそ熱く盛り上がる議論を展開し続けてほしい、投票前に。
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