霜後桃源記  

安心、安全と美味しさへのこだわり
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昔の恋人達 その五 中澤のオンチャン

2019-05-25 21:43:28 | 仲間

昔、昔の「恋物語」を語るに、欠かすことが出来ない人物がいる。

中澤さんは、電動工具等の販売店社長で、前年度の「親の会」の会長だった。
坊主頭に帽子とサングラス、半袖、半ズボンの「ハワイ帰りスタイル」で、黄色いセンチュリーで学校に乗り付け、
当初、教職員から「ヤクザが来た」と騒がれたという逸話が残されていた。

しかし、経営者としてのマネジメント力は勿論のこと、リーダーとしての資質も秀でている人で、自身が会長時代の
チームの不甲斐ない戦いぶり見て「何とかしたい」との思いを強くしていた。

バレーボールに関しては素人だが、元々が実業団野球チームのピッチャーだったスポーツマンで、「チーム力強化の
勘所」に熟知していた。


(今日は、朝ドラだけでなく現実も「なつぞら」の過酷な世界だった)

「コート外のことは私に任せ、熊谷さんは子供達の指導に専念して欲しい」が、中澤さんの一貫した姿勢だった。
そして、実際に、練習場所や練習時間の設定、他チームとの練習試合の調整、「親の会」からの意見・要望等の対応、
等々、すべてを仕切ってくれた。

また、中澤さんは、子供達を我が子のように可愛がり、子供達は「オンチャン、オンチャン」と呼んで、甘えることも
多かった。
その意味で、オンチャンの「飴」と私の「鞭」が絶妙なバランスを保っていた。

オンチャンは80万円も投じて、ビデオカメラを購入し、あらゆる練習をすべて録画し、そのビデオを私に提供して
くれた。
それがチーム力強化に大きく貢献したことは言うまでもない。

子供達以外で、「宮城県大会制覇のMVPは誰か」と問われたら、私は迷うことなく「中澤のオンチャン」を指名する。

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