shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Star Wars Episode 9 -The Rise Of Skywalker-

2020-05-12 | Star Wars
 私はスター・ウォーズが大好きで、最初の作品であるエピソード4から40年以上にわたってこの壮大なるサーガを楽しんできたのだが、今回のエピソード9「スカイウォーカーの夜明け」はそれがついに完結するということで公開前からめちゃくちゃ楽しみにしていた。ライアン・ジョンソンとかいう無能が監督した前回のエピソード8「最後のジェダイ」が大ハズレだったこともあって(←カイロ・レン役のアダム・ドライバーの名演技と可愛らしいポーグ以外はすべて無かったことにしてもいいくらいのゴミ映画... そもそもエピソード789をリレー小説形式で作るという発想自体が大間違い!)、エピソード7「フォースの覚醒」のJJエイブラムスが今回再び監督を務めると知った時は正直ホッとしたものだ。因みにレイ役のディジー・リドリーもどうせライアンがやるのだろうと思っていたところへJJ再登板を知らされて嬉しさのあまり泣いてしまったとインタビューで答えている。
 実際、この作品が封切られたこの冬には字幕・吹替え・IMAXと3回も映画館に足を運んでスカイウォーカー・サーガの最終章を心ゆくまで堪能したのだが、それでも飽き足らずに3月半ばにアマゾンで予約しておいたブルーレイがGW初日に届いた。おかげでこのGWは Beatles に B'z に Star Wars と実に充実したステイ・ホーム週間になり、世に言う “自粛疲れ” などとは無縁で(←元々人混み大嫌いやし...)気持ち良く過ごすことができた。折角なのでシリーズの集大成となるこの作品の感想をブログに記しておきたいと思う。
 まずはこの映画の気に入っているシーンだが、ベスト・オブ・ザ・ベストは何と言ってもハン・ソロが登場してベンと向き合う “父親と息子” の場面だ。レイとのセーバー・バトル中に母レイアの声を耳にしたカイロ・レンがみせた一瞬の隙をレイに突かれて戦いに敗れ、ダーク・サイドからライト・サイドへと戻ったベン・ソロの前に彼の記憶の中のハン・ソロが現れて “Kylo Ren is dead. My son is alive.(カイロ・レンは死んだが、俺のベンは生きてる。)” と語りかけ、ベンが “父さん、愛してる...”と言おうとするのを遮るかのように “I know.(知ってるさ)” とハン・ソロがあの名セリフを口にするシーンには思わず目頭が熱くなった。いやぁ、これはホンマにたまりませんわ...(≧▽≦)  自分にとっての続三部作は主役のレイではなく(←レイってキャラ自体に魅力がないので感情移入できない...)ベン・ソロの生きざまを見るための映画なので、父と子の絆を見事に描いたこのシーンにはホンマに感動した。
"Kylo Ren is Dead. My Son is Alive" Han Solo Saves Ben From The Dark Side | The Rise Of Skywalker HD


 皇帝パルパティーンを前にしてレイがライト・セーバーを瞬間移動させてベンに渡すシーンもめっちゃ好き。“フォース・ダイアド” と呼ばれるフォースの結びつきによって時間的・空間的に結ばれていたレイとベンは離れていてもお互いに触れることができるという設定なのだが(←カイロ・レンが離れた場所にいるレイのネックレスをひっつかむシーンがその伏線?)、それが一番効果的に使われたのがライト・セーバーの瞬間移動受け渡しのシーンなのだ。セーバーを受け取ったベンが父のハン・ソロと同じポーズをするところにもニヤリとさせられるが、このシーンに限らずこの映画にはこれまでの作品へのオマージュと思しき描写がいくつも出てきてめっちゃ嬉しかった。ファンが求めてるものって結局はエピソード1~6までの、ディズニー以前のスター・ウォーズ的な要素なんよね。
Ben's Arrival (1080p) - The Rise of Skywalker


 撮影時点で既に亡くなっていたレイア役キャリー・フィッシャーの生前に撮影した未公開映像を使って彼女を違和感なくストーリーに登場させる映像技術には感心させられたが、そんなレイアの登場シーンの中では彼女が最後の力を振り絞って息子ベンに呼びかけ、力尽きて亡くなる場面の描き方が秀逸そのもの。傍らで悲しそうな声を上げる R2-D2 が涙を誘う名シーンだ。それと、息子のベンがレイを救って命を落とし、その肉体がスーッと消えると同時にレイアの肉体も消えるというシーンがあったが、愛する息子の最後を看取ってからジェダイとして成仏(?)するという演出が実に素晴らしいと思った。
Rey Heals Ben Solo | Leia Dies | Star Wars: The Rise Of Skywalker


 それ以外にも、ランド・カルリジアンがレジスタンスの援軍に連れてきた膨大な数の戦闘機が集結する場面とか、デス・スターのあるエンドアでのレイvsカイロ・レンのド迫力セーバー・バトルといったインパクトのデカいシーンから、マズ・カナタからレイアの遺品のメダルを渡された時のチューバッカの笑顔だったり、ラストの惑星タトゥイーンのツイン・サンセットがBB8と絶妙なツー・ショットになっていたりとかいった些細な描写に至るまで、とにかく見どころが満載で、さすがはJJエイブラムス監督と唸ってしまった。
 逆に少し違和感を覚えた点もいくつかあったので、それについても書いておきたい。まずベンのフォース・ヒーリングで意識を取り戻したレイが彼にキスするシーンはハッキリ言って興醒め以外の何物でもない。まぁいかにもディズニーらしい陳腐な展開だが、最後の最後で安っぽい恋愛ストーリーへの変更をディズニーのアホバカ女プロデューサーから強要されたJJエイブラムス監督は忸怩たる思いだったに違いない。ファンとしてはディズニーこそがスター・ウォーズのダーク・サイドなのだと確信させられた。ディズニーはこの世から消えてなくなれ!
 フォースの描写が続三部作になってからオリジナルの設定とはかなり違ってきているのにも違和感を感じる。今回なんか特にレイがフォースを使ってトランスポーターを止めたりとか、カイロレンの傷を治したりとか、いくら何でもちょっとやりすぎだろう。今までヨーダもメイスもアナキンもルークもそんな能力は持ってなかったのに、何故ぽっと出の新人(?)レイにそんなことが出来るのか? これではディズニーお得意の “魔法” ではないか。これ以上スター・ウォーズの世界を壊さないでほしいものだ。ディズニーはこの世から消えてなくなれ!
 それともう一つ、パルパティーンにフォースを吸い取られて倒れたレイに話しかける歴代のジェダイたちの声が聞こえてくるシーンがあったが、誰のセリフか分かりづらくていまいちインパクトに欠けていた。あそこは実際にルークやオビワン、アナキンたちがフォース・ゴーストとして姿を現してパルパティーンと対峙すればもっと盛り上がったのではないかと思うのだが...
 とまぁこのように多少の不満はあるものの、長年のファンとしては、無駄なシーンだらけで二度と観たいとは思わない最低最悪の失敗作「最後のジェダイ」の尻拭いをしつつシリーズ最終章を何とかまとめ上げて完結させたJJエイブラムス監督(←「ミッション・インポッシブル」シリーズでもジョン・ウーが監督して大コケした「2」から見事軌道修正した「3」でシリーズ全体を救った...)には感謝しかない。もちろんオリジナル(ep4~6)やプリクエル(ep1~3)には比ぶべくもないが、やはり腐っても鯛ということで、この「スカイウォーカーの夜明け」には十分及第点をあげていいと思う。
Star Wars: The Rise of Skywalker | Final Trailer


※ブルーレイに付いていたボーナス・ディスクがコレ↓。撮影の裏側を色々と知ることができて面白かった。
The Rise of Skywalker: Behind the Scenes