shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

【追悼】モノラルのド迫力サウンドで聴くリトル・リチャード

2020-05-10 | Oldies (50's & 60's)
 昨日の真夜中にヤフーニュースでリトル・リチャードの死を知った。3年前にチャック・ベリーが逝き、今度はリトル・リチャードとは... まさに50'sは遠くになりにけりである。自分がレコードで聴いて親しんでいるアーティスト達が一人また一人と亡くなっていくのは淋しいものだ。ということで、今日はリトル・リチャードのレコード蒐集の思い出を書き記してみたい。
 リトル・リチャードに関しては長い間CD黎明期に買ったベスト盤「Little Richard's Grooviest 17 Original Hits」1枚で満足していた。私は気に入ったアーティストはガンガン集める癖があるので他にも何枚か買った記憶があるのだが、それは彼の全盛期であるSpecialtyレーベル時代の50年代録音ではなく、60~70年代にVee JayやRepriseといった他レーベルから出したセルフ・カヴァーだったらしく、“何やコレ、詐欺やんけ!” とブチギレてすぐに売り飛ばしたのを覚えている。まだオリジナルと再レコーディング音源の違いすら分からない駆け出しの頃の話だ。
 そういえばCD「Little Richard's Grooviest 17 Original Hits」の表ジャケに小さな文字で “Beware of Imitations:Even though I later re-recorded the hits in this album for other labels, these ORIGINAL HIT RECORDINGS are still the GREATEST!(まがい物に注意:私は他のレーベルでヒット曲を再レコーディングしたけれど、ここに入ってるオリジナル音源こそがやっぱり最高!” と書いてあったが、自分でレコーディングしておきながら “まがい物に注意” とは一体どの口が言うてるねん!と呆れたものだ。
 それから20年ほど経ってロックのオリジナル盤LPを買い始めた2005年頃、昔の失敗から “リトル・リチャードはスペシャルティ・レーベルしかアカン” と肝に銘じて上記CDと同ジャケット同収録曲のアルバムをeBayで買ったのだが、いざレコードに針を落としてみると何とこれが迫力もクソも無い疑似ステレオ・サウンドでビックリ(・o・)  何が悲しゅーて50'sロックンロールをスッカスカの疑似ステで聴かにゃならんのか! スペシャルティ・レーベルということで安心してモノラルとステレオを確認せずに買ってしまった自分が悪いのだが時すでに遅し。頭に血が上った私はスペシャルティ・レーベルから出ているモノラルLPを探したが、数は少ないし盤質は悪いのばっかりやし値段は高いしですっかり心が折れてしまった。
 その後、確か今から5年ほど前の事だったと思うが、アメリカのレコード店の通販でオールディーズのシングル盤をドカ買いしたことがあって、その時にリトル・リチャードのシングル盤を10枚ほどゲット。セット・プライスで確か1枚$5くらいだったと記憶しているが、これでやっとスペシャルティ・レーベル時代のオリジナル音源をアナログ・モノラルのド迫力サウンドで聴けるわいと大喜びしたものだ。
 そして去年の冬、レコード棚の整理をしていた時に “リトル・リチャードはやっぱりLPも欲しいなぁ...” と思い、Discogs を調べていてふと閃いた。US盤がダメならUK盤があるではないか... しかも50年代ロックンロールの音源は確か音の良いロンドン・レコードから出ていたはず... 早速UK盤を調べてみると「Little Richard Vol.2」の盤質VG+というのが£18で出ており即決。続いてデビュー盤の「Here's Little Richard」を探すと、盤質VG+でジャケットに書き込み及びコーティングに少々難ありのレコードが£15で出ておりそいつもゲット。US盤で買ったら単品で軽く$100は超えそうなリトル・リチャードの最初期モノラルLPを2枚併せて£33で買えたのだから笑いが止まらない。
 届いた盤は2枚とも商品説明通りの盤質で、50年代ロックンロールの骨太モノラル・サウンドが楽しめて言うことナシ。US盤シングルとも聴き比べてみたが、33回転と45回転の違いはあれど、UK盤だから音圧が低いとかいうこともなく、これならクソ高いUSオリジナルLPなんか要らんわいと満足している。
 リトル・リチャードをカヴァーしたアーティストは思いつくだけでも、ビートルズ(「Long Tall Sally」「Hey Hey Hey」)、ジョン・レノン(「Slippin' And Slidin'」「Rip It Up」「Ready Teddy」「Send Me Some Lovin'」)、ポール・マッカートニー(「Lucille」はライヴでの十八番)、エルヴィス・プレスリー(「Tutti Frutti」)、レッド・ゼッペリン(「Good Golly Miss Molly」は「Rock And Roll」の元ネタ)と、超の付くスーパースター達の名前が並ぶ。改めてこの人はチャック・ベリーと並ぶレジェンド中のレジェンドやなぁと感じ入った次第。今夜は古き良き50年代に思いを馳せながらリトル・リチャードをモノラルの爆裂サウンドで聴きまくるとしよう。
Little Richard Long Tall Sally - Tutti Frutti

Little Richard - Lucille (1957) [Long Version, High Quality Sound]

Little Richard Good Golly Miss Molly 1958

Little Richard Ready Teddy 1956