shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

The Best Of Rainbow

2010-02-13 | Hard Rock
 初めて聴いた盤がたまたま自分の好みに合わなかったがためにそのアーティストに対してネガティヴなイメージを持ってしまうという不幸な出会いをしたケースが少なからずある。ちあきさんのように1年も経たないうちに誤解が解けてその真の魅力に気がつけばまだ救われるが、そういう状態が何年も続くというのは後から振り返るとめっちゃ損したような気分だ。私の場合、聴く順番を間違ってしまったがために入門が遅れてしまったアーティストの一つがリッチー・ブラックモア御大率いるレインボーである。
 彼がディープ・パープルを脱退してレインボーを結成したのが1975年、当時の私はちょうど洋楽を聴き始めたばっかりでビートルズを追うのに忙しく、ハードロックと言えばゼッペリンとエアロスミスで手一杯、とてもじゃないがレインボーまでフォローする時間的余裕などなかった。そんなある日、たまたま友人から貸してもらったのがレインボーの 1st アルバム「銀嶺の覇者」で、パープル直系のハイスピードなハードロックを期待して聴いた私には地味すぎて “何じゃいコレは?” とガッカリしてしまった。更に悪いことに次に耳にしたのが79年にリリースされた「ダウン・トゥ・アース」からの1st シングル2-①「シンス・ユー・ビーン・ゴーン」。たまたまラジオから流れてきたのだが、とてもブリティッシュ・ロックとは思えないアメリカナイズされた底の浅いポップ・メタル(←ファンの方、ごめんなさい...)にしか聞こえず、コレがあのリッチーなん?と失望を通り越して呆れ果て、 “リッチーはパープル時代で終わったんや...” と勝手に決め付けてしまった。
 そんな私の眼を開いてくれたのが B-⑦「キャント・ハプン・ヒア」という曲だった。この曲からレインボーに入門した奴なんて私ぐらいのもんだろうが、とにかく初めて聴いた時に後頭部をガツン!とやられたようなショックを受けた。私はこういう疾走系ハードロックを待っていたのだ。御大のギターソロもめっちゃクラシカルで、パープルを彷彿とさせるノリノリのサウンドがたまらない(≧▽≦) この曲はスタジオ録音ヴァージョンも良いのだが、更にハイスピードで演奏されるライヴ・ヴァージョンはもっと凄いので、そっちがオススメだ。衝撃を受けた私は “コレはいかん、ひょっとすると他のアルバムにもこんな曲が入っとったらエライコッチャ(>_<)” とばかりにレインボーのCDを買いに走り、今はなきミナミの名店ビッグ・ピンクでこの2枚組ベストを1,200円でゲット、レインボーのファンにベスト盤は人気がないのか定価5,800円のブツを格安で買えて超ラッキーだった(^.^) 
 このベスト盤はデビュー盤以降6枚のアルバムから16曲をセレクト、私の大好きな「キャント・ハプン・ヒア」に勝るとも劣らないカッコ良いハードロック・ナンバーが満載だ。まずは何と言ってもA-⑤「ロング・リヴ・ロックンロール」である。ハードロックのお手本のようなロニー・ジェイムズ・ディオ(←顔がアンドレ・ザ・ジャイアントそっくりです...)のヴォーカルはこの曲にピッタリだし、コージー・パウエル怒涛のドラミングも快感の一言に尽きる。リッチー御大のギターソロも涙ちょちょぎれる素晴らしさだ。とにかくコレはキャッチーなメロディーとへヴィーなサウンドが見事に両立したレインボー屈指の名曲名演だと思う。
 A-①「オールナイト・ロング」も大好きだ。2代目ヴォーカリスト、グラハム・ボネット(←横山のやっさんみたいなリーゼントにスーツ姿がいつ見ても笑えます...)のガナりたてるような歌声がポップなメロディーを持ったこの曲をヤクザなハードロックに昇華させているところが凄い。御大の力強いリフ攻撃にも圧倒されまくりのキラー・チューンだ。コージーの凄まじいドラミングで始まるA-③「ロスト・イン・ハリウッド」は疾走系ハードロックかくあるべしと言いたくなるようなカッコイイ曲。やっさん、じゃなかったグラハム・ボネットの暑苦しい声が曲にピッタリ合っているし、コージー渾身のドラミングも圧巻だ。2人に主役の座を奪われた感のある御大だが、キーボード・ソロに続いて飛び出してくるギターソロは絶品だ。
 A-⑦「キル・ザ・キング」ははクルクル目が回るようなギターが鳥肌モノで、ハードロックの様式美ここに極まれり、と言いたくなるスリリングなナンバー。レインボー版「バーン」みたいなハイスピード・チューンだ。A-⑧「ア・ライト・イン・ザ・ブラック」は「ハイウェイ・スター」の面影が宿るパープル直系ナンバーで、唯我独尊コージーのくってかかるような爆裂ドラミングに対し、オレがオレがオレがのリッチー御大がケンカ・リフで応戦する様は血湧き肉躍る凄まじさ。私が御大に求めているのはまさしくコレなのだと改めて実感した。やっぱりハードロックはエエなぁ... (≧▽≦)

Rainbow-Can't Happen Here


Rainbow - Long Live Rock And Roll


Rainbow All Night Long High Quality