先日レインボーのグラハム・ボネットの暑苦しいシャウトを聴いていて、この歌い方、誰かに似てるなぁ... と思った。額に青筋立ててがなりたてるようなこの感じ、誰やったっけ?と気になって仕方がない。この “どっかで聴いたことあるけど、それが何だか思い出せない状態” ほどイラつくものはない。キッスのポール・スタンレーっぽい気もするけど、なんかチョット違うよなぁ... と小一時間悩みまくった後(←アホ?)、ついにフォリナーのルー・グラムに辿り着いた。あースッキリした(^.^) ジョー・リン・ターナーの声質でグラハム・ボネットみたいにシャウトすれば(←するかそんなもん!)ルー・グラムの出来上がりなのだ。ということで急にフォリナーが聴きたくなり、CD 棚のFのコーナーを探す。一番好きなアルバムは以前取り上げた「4」なのだが、曲聴きする時はコレ... ということで今日は「4」に続く5枚目の、そして “私の好きなフォリナー” としては最後のアルバム「エージェント・プロヴォカトゥール」だ。
このアルバムが出たのは1984年の冬だったが、私的にはこの頃からLPの買い直しとしてではなく新譜をCDで買い始めた記憶がある。同時期にリリースされたマドンナの「ライク・ア・ヴァージン」のジャケット下部に記された FULL DIGITAL RECORDING の文字がやけに神々しく思えたものだ。ということで世はまさに80's ポップス全盛期、前作「4」が大好きだった私はこの新作を大いなる期待を持って購入した。
まずは1曲目の①「トゥース・アンド・ネイル」、めちゃくちゃカッコエエやん!前作で大好きだった「ジュークボックス・ヒーロー」と「ナイト・ライフ」の良い所だけを抽出して濃縮還元したようなストレートアヘッドなナンバーで、まさに “ガツン!とくる1曲目” の典型と言えるだろう。フォリナーと言うとすぐにバラッドがスベッたとか産業ロックがコロンだとか言い出す連中にぜひ聴かせてやりたい痛快なロックンロールだ。フォリナーの曲にはいくつかのパターンがあるのだが、ハード系の中ではトップ3に入るぐらい気に入っている。
コレに続くのが名曲中の名曲②「ザット・ワズ・イエスタデイ」だ。前作に入っていた「ブレイク・イット・アップ」を徹底的に磨き上げて細部にわたるまで完璧なアレンジを施したようなこの曲、何よりも胸を締め付けるような哀愁舞い散るメロディーがたまらない(≧▽≦) シンセ嫌いの私もこの曲にはもう参りました、私が悪ぅございましたと平伏すしかないぐらい見事なサウンド・プロダクションで、ルーのヴォーカルにそっと寄り添うようなバック・コーラスも実に効果的だ。
3曲目は彼らにとって初の、そして念願の全米№1ソング③「アイ・ウォナ・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ」だ。何としても前作「4」からのシングル「ウェイティング・フォー・ア・ガール・ライク・ユー」の10週連続全米№2というある意味不名誉な大記録の恨みを晴らさんと、ミック・ジョーンズが敢えて№1を狙いにいったフシのある入魂のパワー・バラッドなのだが、狙いに行ってちゃんと取ってしまうあたりはさすがと言う他ない。ミックは職業作家として見事に本懐を遂げたと言っていいだろう。特に後半部でゴスペル隊と一体となってルーが歌い上げるあたりの凄まじい盛り上がり様は圧巻の一言だ。
とここまでのA面冒頭3曲の流れは完璧なのだが、残念なことに、ハード系であれバラッド系であれ、残りの曲に心に残るメロディーがない。決して悪い曲ではないが特に良くもない... そんな感じの曲ばかりで、アルバムは聴き進むにつれて尻すぼみ状態に...(>_<) ここら辺が粒揃いの名曲集だった前作との決定的な違いだろう。その中では②の流れをくむ哀愁の⑦「ア・ラヴ・イン・ヴェイン」とケレン味のないロックンロール⑩「シーズ・トゥー・タフ」が幾分マシ(←あくまでも過去の名曲群と比較しての話だが...)といった程度か。
初期のアルバムでは旋律の薄い曲であってもギターやキーボードを中心としたバンド・サウンドでカヴァーしていたが、このアルバムでは無機質なシンセが幅を利かせてツマラン曲を余計にツマラなくしているように思う。ギター、ベース、ドラムスというロックの基本フォーマットではどうしても表現できなかった音作りがシンセによって容易に出来てしまったからこそ、メロディーの人、ミックは前作「4」以降積極的にシンセを導入したのだろうが、そのシンセが彼の、そしてフォリナーという偉大なるバンドの命取りになってしまうのである。シンセ依存症に陥る以前のフォリナーは最高だった。彼らがシンセと出会わなければよかったと思うのは私だけだろうか?
Foreigner - That Was Yesterday
Foreigner-I Want to Know What Love Is
このアルバムが出たのは1984年の冬だったが、私的にはこの頃からLPの買い直しとしてではなく新譜をCDで買い始めた記憶がある。同時期にリリースされたマドンナの「ライク・ア・ヴァージン」のジャケット下部に記された FULL DIGITAL RECORDING の文字がやけに神々しく思えたものだ。ということで世はまさに80's ポップス全盛期、前作「4」が大好きだった私はこの新作を大いなる期待を持って購入した。
まずは1曲目の①「トゥース・アンド・ネイル」、めちゃくちゃカッコエエやん!前作で大好きだった「ジュークボックス・ヒーロー」と「ナイト・ライフ」の良い所だけを抽出して濃縮還元したようなストレートアヘッドなナンバーで、まさに “ガツン!とくる1曲目” の典型と言えるだろう。フォリナーと言うとすぐにバラッドがスベッたとか産業ロックがコロンだとか言い出す連中にぜひ聴かせてやりたい痛快なロックンロールだ。フォリナーの曲にはいくつかのパターンがあるのだが、ハード系の中ではトップ3に入るぐらい気に入っている。
コレに続くのが名曲中の名曲②「ザット・ワズ・イエスタデイ」だ。前作に入っていた「ブレイク・イット・アップ」を徹底的に磨き上げて細部にわたるまで完璧なアレンジを施したようなこの曲、何よりも胸を締め付けるような哀愁舞い散るメロディーがたまらない(≧▽≦) シンセ嫌いの私もこの曲にはもう参りました、私が悪ぅございましたと平伏すしかないぐらい見事なサウンド・プロダクションで、ルーのヴォーカルにそっと寄り添うようなバック・コーラスも実に効果的だ。
3曲目は彼らにとって初の、そして念願の全米№1ソング③「アイ・ウォナ・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ」だ。何としても前作「4」からのシングル「ウェイティング・フォー・ア・ガール・ライク・ユー」の10週連続全米№2というある意味不名誉な大記録の恨みを晴らさんと、ミック・ジョーンズが敢えて№1を狙いにいったフシのある入魂のパワー・バラッドなのだが、狙いに行ってちゃんと取ってしまうあたりはさすがと言う他ない。ミックは職業作家として見事に本懐を遂げたと言っていいだろう。特に後半部でゴスペル隊と一体となってルーが歌い上げるあたりの凄まじい盛り上がり様は圧巻の一言だ。
とここまでのA面冒頭3曲の流れは完璧なのだが、残念なことに、ハード系であれバラッド系であれ、残りの曲に心に残るメロディーがない。決して悪い曲ではないが特に良くもない... そんな感じの曲ばかりで、アルバムは聴き進むにつれて尻すぼみ状態に...(>_<) ここら辺が粒揃いの名曲集だった前作との決定的な違いだろう。その中では②の流れをくむ哀愁の⑦「ア・ラヴ・イン・ヴェイン」とケレン味のないロックンロール⑩「シーズ・トゥー・タフ」が幾分マシ(←あくまでも過去の名曲群と比較しての話だが...)といった程度か。
初期のアルバムでは旋律の薄い曲であってもギターやキーボードを中心としたバンド・サウンドでカヴァーしていたが、このアルバムでは無機質なシンセが幅を利かせてツマラン曲を余計にツマラなくしているように思う。ギター、ベース、ドラムスというロックの基本フォーマットではどうしても表現できなかった音作りがシンセによって容易に出来てしまったからこそ、メロディーの人、ミックは前作「4」以降積極的にシンセを導入したのだろうが、そのシンセが彼の、そしてフォリナーという偉大なるバンドの命取りになってしまうのである。シンセ依存症に陥る以前のフォリナーは最高だった。彼らがシンセと出会わなければよかったと思うのは私だけだろうか?
Foreigner - That Was Yesterday
Foreigner-I Want to Know What Love Is