shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ちあきなおみ・これくしょん ~ねぇ あんた~ (Pt. 1)

2010-02-06 | 昭和歌謡
 CD BOX を買うのには勇気がいる。BOX というと普通は5~6枚組、ヘタをすると10枚組なんてのもあって、すぐに諭吉さんが飛んで行ってしまうからだ。だから昔は BOX 購入なんて論外だったが、数年前に意を決してザ・ピーナッツの「ドリーム CD BOX」を買ってからというもの、まるで封印が解けたかのように昭和歌謡歌手の BOX SET を購入するようになった。この頃の歌手の音源はどれもこれも判で押したようにそっくりな選曲で「○○全曲集」とか「△△スーパーベスト」という風にタイトルとジャケットを変えて再発を繰り返すだけで、ファンが本当に聴きたいオリジナル・アルバム収録曲とか、シングルのB面曲はいつまでたっても未CD化のままという状況がほとんどだ。そんな飢餓状態のファンの足元を見るかのように “ついに○○が初CD化!” というキャッチ・コピーと共に登場する BOX SET の誘惑と戦うハメになる。私の場合、その誘惑に抗しきれずに買ってしまうケースが多い。
 ということで、ついにちあきさんの6枚組CD BOX「ちあきなおみ・これくしょん ~ねぇ あんた~」を買ってしまった。もうすでに CD を何枚も持っているのでかなりダブリがあり、ビッドするかどうか少し迷ったが、結果的に買って正解だった。これはもうファン必携の “一生モノ” である。まずは何と言っても付属の超豪華ブックレットが凄い。私のような後追いファンにとっては目からウロコな当時のエピソードが満載で、読み物としてもめっちゃ面白い。通り一遍の曲目解説とは激しく一線を画す充実した内容だ。しかも非常に貴重な彼女の全シングル、アルバムのアナログ盤ジャケット写真がカラーで載せられており(シングル盤「四つのお願い」のジャケ写でB面「恋のめくら」のタイトル部分にボカシを入れてあるのには呆れた...)、完全ディスコグラフィーも含めて資料的価値は非常に高い。このブックレットだけでもファンにとっては涙モノだし、ちあきさんの歌声に心を震わされた人はいきなりド~ンとこの BOX SET から入門するのも一つの手かもしれない。因みに定価13,650円のところを私はヤフオクで7,000円、中古市場での相場が大体9,000円前後なので、美品でこの値段なら大満足だ。薄型プラスチック・ケースの中央フックがエエ加減な作りでCDがすぐに外れてしまう(←コロムビアの他の “これくしょん” シリーズも同様の欠陥品プラケです!)という点を除いては...(>_<)
 この6枚組、Disc-1と2が“シングルズ”ということでコロムビア、ビクター時代の全シングルのA面30曲に加えてB面6曲、未発表曲4曲を加えた計40曲が収められている。シングル曲を集めた2枚組ベスト盤「しんぐるこれくしょん」と28曲ダブるが、B面曲はダブらないようにちゃんと配慮されているし、何よりもこの BOX の目玉の一つである「喝采」の激レア英語ヴァージョンはここでしか聴くことのできない貴重なモノだ。
 Disc-3と4は “ライヴ トラックス” というサブタイトルで、最近CD化されたばかりの1974年中野サンプラザでのライヴ「ちあきなおみ リサイタル」全25曲を完全収録(←これだけで3,500円!)し、更に71年の日劇ライヴ「オン・ステージ」から6曲と73年の渋谷公会堂ライヴ「ON STAGE」から3曲を抜粋収録。特にヒット曲群はシングル・ヴァージョンを凌駕するような表現力に圧倒される。尚、船村徹作曲生活25周年記念リサイタル「ふりむけば二昔半」からの4曲はド演歌でした(>_<)
 Disc-5は “ニューミュージック・ポップスをうたう” 、 Disc-6は “名曲をうたう” ということで、それぞれ20曲ずつ選ばれているが、カヴァー曲は傑作が目白押しなので、とても2枚40曲では足りない。まぁこのDisc-5・6に関しては自家製コンピ2枚があればそれでいい。KG ちゃんも大絶賛の選曲・配置で自分ではアレが最強だと思っている(笑)
 ということで今日は6枚組 BOX の概要に触れたので、明日はちあきさんの歴史をなぞりながら個々の楽曲について書いていきたい。 (つづく)

↓1972年レコード大賞を受賞時の感動的な歌唱。感極まって2番の歌詞を間違えるところもかえって印象的です。
喝采


Chiaki Naomi - Yottsuno Onegai 四つのお願い
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