1970年代前半というのは今の私から見れば昭和歌謡の黄金時代である。一度聴いたら忘れられないようなキャッチーな楽曲や個性溢れる魅力的な歌手の宝庫で、この何年かは後追いでそういった過去の名曲名唱を発掘して楽しんでいる。ミコちゃんやミキティー、ちあきさんのようにその大半はまったく記憶になく、40歳を過ぎてから初めて耳にして新鮮な感動を味わっているのだが、その一方で、日本国中の老若男女に広く親しまれた国民的ヒット曲の数々は何となく覚えている。当時小学生だった私は外で遊び回ってばかりで音楽のことなんて何も考えていなかったが、お茶の間のテレビから流れてくる当時のヒット曲にはそんな私ですら惹きつけてやまない不思議な魅力があった。そんな中でも私が大好きだったのが山本リンダである。どうやら私は昔から “リンダ” が好きらしい(笑) 家には蓄音器みたいなレコードプレイヤーしかなかったのでシングル盤を買うというようなことはなかったが、そんなもの無くてもテレビさえつければ彼女の歌声を聴くことができるという、ある意味エエ時代だった。
それから30年以上が経ち、たまたまネットで見つけて懐かしさのあまり買ってしまったのがこの「山本リンダ / ゴールデン・アルバム」である。これは元々、1973年の年末商戦に向けて出されたベスト盤で、A面にシングル・ヒット7曲、B面に当時の邦楽ヒット曲のカヴァー7曲を収録した「ゴールデン・アルバム」をベースに、更にそのCD化にあたって翌74年末に出た同趣向のベスト・アルバム「ゴールデン・ベスト24」から最新の邦楽カヴァー6曲をボーナス・トラックとして追加した計20曲入りの超お徳用盤なのだ。
まずシングル・パートでは阿久悠&都倉俊一コンビによる怒涛の名曲ラッシュが凄まじい。よくもまぁこれだけインパクトの強いヒット曲を次から次へと立て続けに作れるモンやなぁと感心してしまう。へそ出しルックで大衆の度肝を抜き “うわさを信じちゃいけないよ~♪” でアクション歌謡の先鞭をつけた2nd シングル⑦「どうにもとまらない」、 “ぼやぼやしてたら私は誰かのいいこになっちゃうよ~♪” でセクシー路線まっしぐらの3rdシングル④「狂わせたいの」、“ひぃとり ふぅたり 恋の相手は星の数~♪” とカッコイイ女を演じ切った4thシングル③「じんじんさせて」、猫も杓子も “ウダダ~ ウダダ~ ウダウダでぇ~♪” と口ずさむほどの爆発的な浸透力を誇った5thシングル②「狙いうち」の大ヒット・シングル4連発の吸引力は凄まじい(^o^)丿 山本リンダというとついつい色物のように見られがちが、とんでもないハナシだ。今、これほど華のある歌手がいるだろうか?大衆の心をギュッとワシづかみにできるエンターテイナーがいるのだろうか?美人でセクシーでカッコイイ... 私はそんな彼女の大ファンだ(^.^)
これら4曲の圧倒的なインパクトに比べると、6thシングル⑤「燃えつきそう」、7thシングル⑥「ぎらぎら燃えて」、8thシングル①「きりきり舞い」の3曲はパワー・ダウンは否めない。もちろん3曲とも決して悪い出来ではないのだが、それまでの4枚のシングルの印象が強すぎたのだと思う。結局、彼女の人気も70年代中盤あたりから尻すぼみになっていった感があるが、彼女と入れ替わるようにして同じ “歌と振り付け路線” で国民的人気を得たピンク・レディーもやはり阿久悠&都倉俊一コンビというのが面白い。
カヴァー・パートは最初このベスト・アルバム用の埋め草かなぁと軽い気持ちで聴き始めたが、これが聴き応え十分なのだ。彼女は凡百のカワイコちゃんシンガーとは次元が違う。格が違う。特に安西マリア・ヴァージョンのアレンジで歌う⑫「涙の太陽」は誰が真の先駆者であるのかを如実に物語っているし、ジュリーの⑮「追憶」カヴァーも中々サマになっている。山口百恵の⑯「ひと夏の経験」はサビの一人二重唱がめっちゃカッコエエし、山本リンダ・ヴァージョンで聴くアン・ルイスの⑰「グッバイ・マイ・ラヴ」なんてめちゃくちゃレアだ。西城秀樹の⑱「激しい恋」なんてまさに彼女にピッタリの選曲で水を得た魚のように生き生きと歌っており、まさに “ヒデキ感激!” である(笑) そしてこの極上カヴァー・サイドの中でも私が一番気に入っているのがりりぃの⑲「私は泣いています」だ。実に意外な取り合わせだが、これがもうめちゃくちゃ良くて、彼女の抑制の効いた歌声に萌えてしまう(≧▽≦) 郷ひろみの⑳「花とみつばち」ではミノルフォン時代の「こまっちゃうナ」を彷彿とさせるブリブリ歌唱で迫るところが面白い。このカヴァー・サイド、選曲もアレンジも何も考えてないようでいて、実はしっかり練られているように思う。
ということで単なる懐メロ気分で買ってみたこのCDだが、当時の歌謡曲のレベルの高さをまざまざと見せつける聴きどころ満載の内容だった。これだけの音源が1枚のCDに入ってヤフオクで1,000円なのだからホンマにありがたい。これでモコモコした低音を改善してもう少し高音のヌケが良くなるようにリマスターしてあったら完璧なのにね...(>_<)
狂わせたいの 山本リンダ
山本リンダ じんじんさせて
狙いうち 山本リンダ Yamamoto Rinda
それから30年以上が経ち、たまたまネットで見つけて懐かしさのあまり買ってしまったのがこの「山本リンダ / ゴールデン・アルバム」である。これは元々、1973年の年末商戦に向けて出されたベスト盤で、A面にシングル・ヒット7曲、B面に当時の邦楽ヒット曲のカヴァー7曲を収録した「ゴールデン・アルバム」をベースに、更にそのCD化にあたって翌74年末に出た同趣向のベスト・アルバム「ゴールデン・ベスト24」から最新の邦楽カヴァー6曲をボーナス・トラックとして追加した計20曲入りの超お徳用盤なのだ。
まずシングル・パートでは阿久悠&都倉俊一コンビによる怒涛の名曲ラッシュが凄まじい。よくもまぁこれだけインパクトの強いヒット曲を次から次へと立て続けに作れるモンやなぁと感心してしまう。へそ出しルックで大衆の度肝を抜き “うわさを信じちゃいけないよ~♪” でアクション歌謡の先鞭をつけた2nd シングル⑦「どうにもとまらない」、 “ぼやぼやしてたら私は誰かのいいこになっちゃうよ~♪” でセクシー路線まっしぐらの3rdシングル④「狂わせたいの」、“ひぃとり ふぅたり 恋の相手は星の数~♪” とカッコイイ女を演じ切った4thシングル③「じんじんさせて」、猫も杓子も “ウダダ~ ウダダ~ ウダウダでぇ~♪” と口ずさむほどの爆発的な浸透力を誇った5thシングル②「狙いうち」の大ヒット・シングル4連発の吸引力は凄まじい(^o^)丿 山本リンダというとついつい色物のように見られがちが、とんでもないハナシだ。今、これほど華のある歌手がいるだろうか?大衆の心をギュッとワシづかみにできるエンターテイナーがいるのだろうか?美人でセクシーでカッコイイ... 私はそんな彼女の大ファンだ(^.^)
これら4曲の圧倒的なインパクトに比べると、6thシングル⑤「燃えつきそう」、7thシングル⑥「ぎらぎら燃えて」、8thシングル①「きりきり舞い」の3曲はパワー・ダウンは否めない。もちろん3曲とも決して悪い出来ではないのだが、それまでの4枚のシングルの印象が強すぎたのだと思う。結局、彼女の人気も70年代中盤あたりから尻すぼみになっていった感があるが、彼女と入れ替わるようにして同じ “歌と振り付け路線” で国民的人気を得たピンク・レディーもやはり阿久悠&都倉俊一コンビというのが面白い。
カヴァー・パートは最初このベスト・アルバム用の埋め草かなぁと軽い気持ちで聴き始めたが、これが聴き応え十分なのだ。彼女は凡百のカワイコちゃんシンガーとは次元が違う。格が違う。特に安西マリア・ヴァージョンのアレンジで歌う⑫「涙の太陽」は誰が真の先駆者であるのかを如実に物語っているし、ジュリーの⑮「追憶」カヴァーも中々サマになっている。山口百恵の⑯「ひと夏の経験」はサビの一人二重唱がめっちゃカッコエエし、山本リンダ・ヴァージョンで聴くアン・ルイスの⑰「グッバイ・マイ・ラヴ」なんてめちゃくちゃレアだ。西城秀樹の⑱「激しい恋」なんてまさに彼女にピッタリの選曲で水を得た魚のように生き生きと歌っており、まさに “ヒデキ感激!” である(笑) そしてこの極上カヴァー・サイドの中でも私が一番気に入っているのがりりぃの⑲「私は泣いています」だ。実に意外な取り合わせだが、これがもうめちゃくちゃ良くて、彼女の抑制の効いた歌声に萌えてしまう(≧▽≦) 郷ひろみの⑳「花とみつばち」ではミノルフォン時代の「こまっちゃうナ」を彷彿とさせるブリブリ歌唱で迫るところが面白い。このカヴァー・サイド、選曲もアレンジも何も考えてないようでいて、実はしっかり練られているように思う。
ということで単なる懐メロ気分で買ってみたこのCDだが、当時の歌謡曲のレベルの高さをまざまざと見せつける聴きどころ満載の内容だった。これだけの音源が1枚のCDに入ってヤフオクで1,000円なのだからホンマにありがたい。これでモコモコした低音を改善してもう少し高音のヌケが良くなるようにリマスターしてあったら完璧なのにね...(>_<)
狂わせたいの 山本リンダ
山本リンダ じんじんさせて
狙いうち 山本リンダ Yamamoto Rinda