shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

マイ・ロマンス / ペギー・リー

2010-01-31 | Standard Songs
 私の愛読しているブログに shoppgirl 姐さんの ☆★My Willful Diary★☆ がある。何気ない日々の出来事を綴った日記風のブログで、毎回姐さんお気に入りの “この1曲” を紹介されているのだが、そのセンス抜群の選曲と絶妙な “なりきり意訳” 、それにウィットに富んだ文章が楽しみで毎日チェックしている。
 先週そこでジェームズ・テイラーの「マイ・ロマンス」が紹介されていた。おぉ、我が愛聴曲が取り上げられとるやないか!しかもめっちゃ分かりやすい意訳付きで...(^.^) 根が単純で影響を受けやすい私は早速自分のブログでもこの曲を取り上げることにした。
 アメリカを代表する作曲家リチャード・ロジャースがミュージカル用に作ったこの曲は、元々はロマンチックな歌詞を切々と歌い上げるスローなナンバーで、ドリス・デイを始めリー・ワイリーやジョニ・ジェイムズといった古き良きアメリカを象徴する女性シンガーの名唱を生んできた。姐さんが紹介されていたジェームズ・テイラーのヴァージョンも胸に沁み入る歌声と粋な口笛がたまらない、まさに名曲は名演を呼ぶの好例だろう。姐さん、エエのを紹介して下さりありがとうございました(^o^)丿
 私は基本的にアップテンポでスインギーなジャズが好きなので、スロー・バラッドの愛聴曲というのは非常に少ない。だから最初のうちはこの曲に特に魅かれることもなかったのだが、ジャズ・ピアノ屈指の名盤「ワルツ・フォー・デビィ」のB面1曲目に収められていたスインギーなヴァージョンを聴いた瞬間にこの曲にすっかりハマッてしまった。それ以来、私は “スイングする「マイ・ロマンス」” を探し求めて現在に至っている。ということで今日はスインギーな「マイ・ロマンス」5連発です;

①Peggy Lee
 「フィーヴァー」の名唱で有名なペギー・リー 1961年のライヴ盤「ベイズン・ストリート・イースト」の中でこの曲は「One Kiss ~ My Romance ~ The Vagabond King Waltz」というメドレーの1曲として歌われていたが、私は今までこれほどスイングする「マイ・ロマンス」を聴いたことがない。更に凄いのはスイングしながらも随所でペギー・リー節を連発するところで、特に “soft guitar” の soft の発声なんかもう見事という他ない。出来ればメドレーの一部としてではなくフル・ヴァージョンで聴いてみたかった。
ペギー・リー


②Bill Evans
 エヴァンスの「ワルツ・フォー・デビィ」と言えばほとんどの人がA面1曲目の「マイ・フーリッシュ・ハート」と2曲目のタイトル曲にしか言及しないのは一体どういうワケだろう?みんなB面聴いてへんのかな?それに口を開けばアホの一つ覚えみたいにエヴァンスとラファロのインタープレイのことしか言わへんけれど、私はポール・モチアンの絶妙なブラッシュ・ワークこそがこのアルバムを際立たせている陰の立役者だと思う。とにかくこの「マイ・ロマンス」、私にとってはエヴァンスの、そしてピアノ・トリオ・ジャズの金字塔と言える演奏だ。
マイ・ロマンス


③Lem Winchester
 ヴァイブ奏者レム・ウインチェスターの知る人ぞ知る “隠れ名盤” 「ウィズ・フィーリング」のラストにひっそりと収められていたこの「マイ・ロマンス」を発見した時は本当に嬉しかった。軽快なヴァイブの音色が耳に心地良いが、この演奏をスイングさせているのは名人ロイ・ヘインズの変幻自在のブラッシュ・ワークだ。ブラッシュ良ければすべて良し、の典型といえる名演ではないだろうか?
レム・ウインチェスター


④Charly Antolini
 スイングするフォービート・ジャズにかけてはヨーロッパ随一といわれる名ドラマー、チャーリー・アントリーニは60年代からスイング一筋の頑固一徹オヤジである。そんな彼が1990年にリリースした「クッキン」でこの曲を豪快に料理、歌心溢れるテナーはディック・モリッシーだ。
チャーリー・アントリーニ


⑤平賀マリカ
 マリカ姐さんは私が大好きなジャズ・ヴォーカリスト。彼女が選曲するスタンダード・ナンバーは私の好みとコワイぐらいに一致しており、アルバム全曲が愛聴曲で埋め尽くされているのが嬉しい(^.^) そんな彼女の 4th アルバム「モア・ロマンス」に入っていたこの曲、しっとりした歌い出しから気持ち良さそうにスイングし始め、フェイクを交えて活き活きとこの名曲を歌い切るあたり、正統派ジャズ・シンガーの面目躍如である。
平賀マリカ
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